レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

10月のコミックスと『公爵様』と『マンガ描き』

2011-09-22 11:02:14 | マンガ
10月の発売リストを見て、私の購入予定は、
伊藤真美『秘身譚』2
『聖おにいさん』7
たぶん、木原敏江『伊勢物語』文庫
かつて「歴史ロマンDx」でやっていた佐久間智代の平家物語シリーズが、ホーム社コミック文庫で出る。大河便乗は明らかだけど結構ではある。
 『Z』が「完全版」として出るのも多少気になっている。  HCの1巻のあたりは、『エロイカ~』共々、最高の時期だった、絵もきれいだし。


黒川あづさ『公爵様とわたし』 ハーレクインコミックス・エクストラ  A5サイズ
 HQのコミックス(広い意味で)も、HPが原作でないものがけっこうある。古典扱いのジェーン・オースティンとか、映画『ローマの休日』も含んでいるし、オリジナルもある。
 この『公爵さまと私』も、主に四コマで黒川さんオリジナル。
 「ヨーロッパ西部の某国」・・・ってドイツか英国を意識しているだろう、ネーミングや画面の新聞記事からすると。 その某国の若い公爵ウォルフがいつまでも独り者なので、父がお節介して、金髪巨乳女キャサリンを執事として押し付ける、しかしウォルフは道楽でやっている老人ホームで楽しくやっている模様、そのホームにキャサリンものりこんでみると、すっかりアイドルのゴージャスなメンバーがいた。
  ハーレクインの枠でやっているのだから、もちろん男女のハッピーエンドでロマンスの基本はおさえてあり、そこも読ませる。
 そのうえ、作者のシュミも全開で、『バングラデシュで玉の輿』で書いていたインド映画からの影響もはいっているのだろうなと(あとがきで書いてなくても)思わせるし、JUNE以来のノリもやはり健在。
 ところで、Wolfgang Müllerならば、「ミュラー」であって、ミューラーと伸ばさないのが正しい、ドイツ語の標準規則ならば。Stollenがシュトーレンではなくシュトレンであるのと同様。 まぁ、「某国」なんだからそう目くじらたてることもないけど。だいたい、バレンタインデーに女がチョコ贈ることになってる点からしても、考証は敢えて外しているんだろうし。『ペパミント・スパイ』みたいなものか(あれは、人の名前が英語で王室があって野球があってお節料理があるという国だった)。

ヤマザキマリ『世界の果てでもマンガ描き』②エジプト・シリア編
 作者マリさんは、「私の中の兼高かおる」と自らの旅行欲を表現していたけど、その夫ベッピーノさんも、興味の赴くままにカイロへダマスカスへと留学・引っ越しを繰り返していて、ずいぶんフットワークの軽い人ではなかろうか。もし、「ぱふ」(休刊だそうだが)のベストテンに応募するならば、「助演男優賞」はこの人に投票したいくらいのものだ。
 「ベッピは幼い時から 怒ったり緊張したりすると激しい腹痛を催す性質なのでした・・・」--この人、アウグストゥスに親近感持ってないだろうか。部屋に貼ってあった皇帝ブロマイドの顔ぶれが知りたい。
 いちばん笑ったのは、ぼったくり避けのためにタクシーで陰鬱な演技をするシーン。
 私はJALしか使ったことはなく、要ったことのある空港は羽田と成田とデュッセルドルフとフランクフルトだけで、それらも覚えているとは言い難い。あれこれ比較批評できる人たちはすごいなぁ。
コメント (2)
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