レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

映画化と目的語

2011-09-13 08:44:50 |   ことばや名前
 新聞のテレビ欄の映画紹介でよくある「~~~を基に映画化」という書き方。私はどうにも落ち着かない。。なにを?と目的語を要求したくなる。
 たとえば、「マリー・アントワネットの波乱の生涯を、ツヴァイクの伝記を基に映画化」、これなら納得できる。
 「~~化」という言葉は、~~(のよう)になるという自動詞と、~~にするという他動詞とある。
 「野生化する」、「幼児化する」なんて言葉は前者だ。
 「Web連載が書籍化」は・・・やはりこれは「する」よりも「される」のほうがしっくりくるのではないだろうか、だから他動詞。同様に、マンガ化、アニメ化、映画化もたぶん、「される」だと思う、少なくとも私の言語感覚では。誰が決めたんだと言われても困るし、慣習の問題だとは思う。
 最初に挙げた例、「~~に基づいた映画」ならばすっきりする。そもそも、「~~を映画化」ならばなにも問題を感じないのに、「基に」があるからこんなモンクが出るのだ。「~~の原作を基に」とか。「~~の小説を映画化」よりも、「基に」がついたほうが準拠の度合いが薄くても許される、「原作」と「原案」の違いというところなのだろうか。旅行CMの「イメージです」みたいに。

 最近、新聞に「スキャンダラスな愛が映画化」と大きな広告が載っていた。この場合、無意識に「される」を補って見たのだけど、映画になる=映画化、つまり自動詞としての使用なのだろうか。 そこまで理屈で考えてないなきっと。

コメント
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