レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

「コモドゥスと同名の悪帝」

2011-09-18 06:09:46 | ローマ
私がPCを開いてまず出てくる画面はMSNである。そこのニュースでこのまえ目にしたものから少し抜粋。
2011年9月14日 14:39 (ナショナルジオグラフィック)
巨大グラディエーター養成所跡を発見
オーストリアのウィーン近郊で、古代ローマの巨大な剣闘士養成学校の遺跡が見つかった。大規模な複合施設で、ローマのコロッセオ周辺の養成施設に匹敵する。

養成学校はおそらく、隣接する1万3000人収容の円形闘技場と同時に作られている。円形闘技場はマルクス・アウレリウスがローマ皇帝だった西暦150年ごろに建設されたもので、1920年代と1930年代に発掘された。

 アウレリウス帝はカルヌントゥムに滞在したことがわかっており、その息子コンモドゥス(2000年の大作映画『グラディエーター』に同名の悪帝が登場)が剣闘士の試合を初めて見たのは、ここカルヌントゥムだった可能性がある。

抜粋終わり。
 ローマ遺跡はあちころにあるものだなあという感慨が生じる。

 ところで上記の文章で気になったのは、「コンモドゥス(2000年の大作映画『グラディエーター』に同名の悪帝が登場)」の部分。『グラディエーター』に悪役として登場、ですまされそうなものなのに、「同名の」にしてあるのは意味があるのか? 史実から激しく捻じ曲げた部分があるので、あんなのは歴史上のコモドゥスとは認めないぞ、という意思の表明だろうか、それならばそれで中々面白いと思うが。だいたい、コモドゥスの姉ルキラが、実際にはかなり愚かな女なのにヒロインとして駆り出されているあたりにも抵抗がある。(映画には「ヒロイン」が不可欠だと多数派が思うのだろうか、ヤローだけでは見せるに苦しいのか?) 同じ時代を扱った『ローマ帝国の滅亡』もそうだったしな、あれは後味悪くて嫌いだ、映画としての面白さは『グラディエーター』のほうが上だと思う。

 この「同名の悪役が登場」という説明はあちこちで使えそうだ、ある種の言い訳としても。

 10月は『秘身譚』2巻が出る。
 あれも、暴君の暗殺から始まり、やがて別の愚帝が出てくることになる時代なんだな。

  光文社文庫から、『密偵ファルコ』が長いこと出ていないのが気にかかる。たしか全20巻の予定だと書いてあった、だとするとあとわずか?
コメント
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