レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

「女主人公」

2006-07-15 16:44:07 |   ことばや名前
 これは2種類の使い方がある。主人公が女である場合。そして、主人公は男だが女の登場人物では最も重要な役という場合。
 前者の場合、名前や文脈でわかるならば「女」は不要のはずだ。それなのにわざわざつけるというのは、「主人公」とは男だという前提があり、これは差別だろう。
 後者は理解もできるのだが、それにしては「男主人公」という言い方をほとんどしないことは不公平だ。
 『ハムレット』で、主人公=ハムレット、「女主人公」=オフィーリア、これはいい。(むしろガートルードではないかと思わないでもないが) しかし、『ロミオとジュリエット』では二人の重要性は対等なので、もし、ロミオを主人公、ジュリエットを女主人公なんて書いてあれば私は不当だと思う。ジュリエットが「女主人公」ならばロミオは「男主人公」にせい!「主人公」と「女主人公」と並べば、なんだか「女」と限定のついたほうが格が落ちるようではないか。
 ほかの例えで言えば、
『緋色い剣』 リュー「主人公」、ハルドレ「女主人公」 可
『神の槍』だと、むしろレイヴのほうに「男主人公」とするほうが適切だと思う。もっともアースゲイルの場合、名前で女とわかりにくいという理由があるけど。
『ニーベルンゲンの歌』はクリームヒルトが主人公、ジークフリートは前半で死ぬからこちらは「男主人公」だっ!
 だいたい、主人公はどちらが多いかってジャンルなどでも違う。大河ドラマならば男が多いけど、昼メロや朝のドラマなんて圧倒的に女。その恋人や夫なんてあとで出て先に退場するので、こういうのは「男主人公」。大河でも『草燃える』は、主人公:北条政子、男主人公:源頼朝。『おんな太閤記』は、主人公:ねね、男主人公:秀吉。
 もっと、「男主人公」という言い方を一般化しよう!

 似たようなサベツ感は、「女友達」という言葉にも感じる。「友だち」に本来性別はない。むしろ、誰の友だちかによって、きいた人がそれをどちらと考えるかは決まるのではないだろうか。「彼の」友だちならば半分以上男だと思う、「彼女の」友だちといえばだいたいは女だと思うーー少なくとも(この点では古臭い)私の感覚では。それにも関わらず、「母の女友達」なんて言い方はしばしば目にするのに対して「父の男友達」なんて見たことない。
 とあるドイツ語の問題集に、
Freund 友だち
Freundin ガールフレンド
と載っていた。差別だ。
(注 ドイツ語の名詞では、語尾にinで女性形にするものが多い。 Japanerと
Japanerin、Studentと Studentin)
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犬型と猫型

2006-07-15 16:36:10 | 雑記
 まっしー、いえまっち~さんとこで、歴史へのハマリ方が男女で違う、男性は時代や事件、女性は人物メイン。スポーツチームでも、集団メインか個人かの傾向がある、という話題が出ていました。
 
 それからの連想。
 阿刀田高の小説に出てきたこと。よく、「犬は人につく、猫は家につく」というけど、バーに通う客でもその分類ができる。店のファンになって通うタイプと、特定のホステスが気に入って彼女がよそへ移るとそちらへ行くというタイプがあると。
 私はもちろんバーに縁はないけど、これを漫画家、雑誌でいうと?私はまあ、ひいきの作家・作品本位で買うかな。そのうち好きな範囲が広がっていくことはあるけど、決定的なひいき作家がもういなくなったら購読はやめるだろう。スポーツは、ハマったことないのでわからん。
 「犬はほとんどオスに見えるし、ネコはほとんどメスに見えるのはなぜだ?」とは、黄金期の「ララ」のメンバーの一人篠有紀子の実質デビュー作『アーちゃんの想い人』の最初のセリフ。ドイツ語でも犬は男性名詞、猫は女性名詞。でも男女それぞれの中に、犬型も猫型もいる、当然ながら。
 『動物のお医者さん』のチョビもミケも両方メスだ。
 『しばわんこの和のこころ』のコンビは、作者は性別はないと言っている。みけにゃんこは三毛だからメスだろうなぁ。しばわんこは、・・・どっちでもない感じがする。二人(?)とも、どっちの格好もしてるけどね。
コメント (2)
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