弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

井上真琴「図書館に訊け!」

2008-08-05 22:02:16 | 知的財産権
最近は、インターネットで検索すれば大抵のことは何らかの情報が得られます。インターネットは玉石混淆ということで、ちょっとはましな情報に厳選しようとするときは、Wikipediaがあります。しかし、Wikipediaも不特定人が編集しているということで、本当に確かな情報を入手しようとしたときは、百科事典を参照すべきである、とよく言われます。
私もそのとおりだと思い、百科事典にアクセスできる環境を整えています。具体的には、ジャパンナレッジに加入し、月会費を払うことによって日本大百科全書にいつでもアクセスできる状態にあります。

先日、このジャパンナレッジ経由で、千代田図書館ビジネスセミナー「仕事時間を短縮!信頼できる情報をすばやく集める方法教えます。」という記事を読みました。
やはり百科事典の活用を薦めています。また、「通常のインターネット検索では、『深層Web』を使いこなすことができない。どうしたら使いこなせるか」ということで、種々の統計資料にアクセスする手法が解説されています。

さらに、参考になる図書として以下の本が紹介されていました。
図書館に訊け! (ちくま新書)
井上 真琴
筑摩書房

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図書館ですか。
最近はインターネットの「居ながらにして、欲しいときにすぐに」データを入手できる便利さに慣れてしまい、わざわざ図書館に出かけることが皆無です。特許庁の資料館でさえ、おっくうで出かけません。
しかしこの本によると、図書館というのは奥が深いし、本当に創造的で知的な新しい仕事を成し遂げようとしたら、図書館の利用なしにはあり得ない、ということになりそうです。

まず、「自分が本当に必要とする情報はどの本・論文に掲載されているのか」を検索することから始まります。この検索手段として、OPAC(Online Public Access Catalog)という書誌の目録情報などが紹介された後、「レファランスブック」という紙媒体の使い方が紹介されます。百科事典もレファランスブックの一つに入っています。文献を調べるためのレファランスブックとして、目録・書誌・雑誌記事索引という強力なツールがあるとのことです。
図書館が持っている種々の「レファランスブック」を上手に活用することが、必要な情報に到達する近道であるが、日本の学者はレファランスブックの利用が下手だ、ということのようです。

そして図書館の「レファランスサービス」です。図書館員(レファランス・ライブラリアン)は、種々のレファランスブックをはじめとする検索ツールの利用に習熟しているので、自分で検索するのみならず、図書館員に相談してみることだ、という薦めです。
学生たちから寄せられたいくつかの相談事を事例として、レファランス・ライブラリアンを利用することがいかに有効であるかが説明されます。


この本を読むことで、図書館が有効なツールであるらしいことは理解しました。まだ、実際に腰を上げて図書館を訪問するには至っていませんが、必要が生じたときは利用することにしましょう。


ところで百科事典ですが、確かにWikipediaが抱える問題は理解しつつ、便利に使えるのは日本大百科全書よりもWikipediaですね。日本大百科全書は、今日的な話題になるとどうしても弱いです。
コメント
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