

その第1回目のテストとなる撮影を1月30日の木星で行いました。
では、早速ご紹介しましょう!
本邦初公開、こちらが顕微鏡対物レンズで撮影した木星です!(photo)

え!? どうやって顕微鏡対物レンズを望遠鏡に取り付けるの? 焦点は合うの? 肝心かなめの解像度はアイピースと比べてどうなの?…という点が気になりますよね~、その前に1分間だけ説明を聞いてください。(←おまえは複雑社会を超定義の漫画家イエナガか~?)
〈はじめに…〉
今回いろいろ調べて初めて分かったことですが顕微鏡の対物レンズには「有限補正光学系」と「無限遠補正光学系」の2種類の結像方式があります。これがやっかいで… その違いをザックリ説明すると…
・有限補正光学系
対物レンズが単独で像(中間像)を作る光学系。対物レンズを通過した光が接眼レンズの焦点位置で中間像を結ぶ光学系、中間像を結ぶ位置と接眼レンズの焦点位置を合わせる必要があるため顕微鏡筒長が一定となる。(JISで160mmと決められている)
・無限遠補正光学系
対物レンズと接眼レンズの間に結像レンズを配置して中間像を結ぶため、対物レンズを通過した光が平行光束になるよう構成した光学系、結像レンズの位置を変えることで顕微鏡筒長を任意の長さにできるので多くの顕微鏡はこの対物レンズを使っている。
〈ということは…〉
無限遠補正光学系は通過した光が平行光束になって像を結ばないので拡大撮影には使えない…ということになります。では、このレンズをそのまま虫眼鏡として覗いたらどのように見えるのだろう?と疑問がわきますよね。これが覗いてみると、フツーに拡大して見えます。これは有限も無限遠も凸レンズなので覗いたときは前側焦点の内側にある物体を虚像で見ているからだと思われます。
〈使用した対物レンズの紹介〉
今回使用した対物レンズは無限遠補正光学系がNIKONの4倍、有限補正光学系がレイマ-の5倍でどちらも対物レンズの種類はプランです。(プランは2色(赤・青)の色収差と像面湾曲収差を補正したレンズ、像の平坦性に優れ視野全体の95%に焦点が合うようになっている)

〈有限補正光学系レンズ5倍で問題発生!〉
無限遠補正光学系は結像しないので、レイマ-の5倍でテスト撮影をしたのですが、なんと木星像が大きすぎてASI290MCのセンサー画面からはみ出してしまいました。顕微鏡対物レンズで撮影するためのシステムについては次回のブログで詳しく紹介しますが、現状では5倍の拡大率を小さくすることはできないのでアウトです。
〈まさかの大逆転!無限遠補正光学系で撮影成功!?〉
以前、対物レンズと惑星カメラの結像テストを手持ちでなんとな~くしていたところ、無限遠補正光学系は平行光束なので惑星カメラのセンサーに実像が投影されることはないのですが、バックフォーカスを長~くとると(原理は不明ですが)倍率小さめの実像が結像する現象が発生しました。
構築した撮影システムではそこまで対物レンズと惑星カメラの間を長くすることはできませんが望遠鏡のピントをかなり前よりに押し込めば合うのでは…と思い試してみたところ見事に合焦!
ということでまさかの大逆転!使えないと思っていた無限遠補正光学系で撮影することができました。(ということは無限遠補正光学系でも撮影は可能なのか!?すべての望遠鏡で合焦するのか?については今後のテストで明らかにしていく予定です)
〈顕微鏡対物レンズ vs 望遠鏡アイピース〉
顕微鏡対物レンズで撮影できたと言ってもアイピースによる拡大撮影より解像度が落ちるのでは顕微鏡対物レンズを使う意味がありません。NIKON PLAN 4倍で数カット撮影した後はPL25mmアイピースに換えていよいよ顕微鏡対物レンズ と望遠鏡アイピースの解像度対決の開始です!
〈解像度対決の結果〉
撮影した画像を比較してみると顕微鏡対物レンズ NIKON PLAN 4×が良いように見えるが合成焦点距離が違うこととピント合わせの正確さの違いも見受けられるので更にテストを重ねる必要があります。

有限補正光学系レンズのレイマ-5倍もなんとか使えるようにしたいですね。次回のブログでは撮影システムの詳細をご紹介しま~す。

初めまして八海と申しますじいちゃんです。
突然訪問フォローした失礼をお許しくだされ。博士様でしょうか?色々と記事を見させて頂きたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
ブログをご覧いただきありがとうございます。さらにフォローまでしていただき恐縮です。私は宇宙と航空機が好きなフツーの一般人です。笑
私のNOTE(現在はロゴが変わってNO+Eになってます)に「いつから宇宙が好きになったの?」という記事がありますのでそちらを読むと私の生い立ちてきなことがわかるかなぁ~と思います。
このブログはご覧のとおり思いついたことや撮影記録をただつらつらと書いているだけでアップも不定期ですがご覧いただければ幸いです。今後もどうぞよろしくお願いします。
顕微鏡対物レンズによる拡大撮影,まだ先のことと思っていたら始まっていたとは!さすがですね。そしてビックリの写り,といっても接眼レンズでもよく写っていますので,空も良かったのでしょう。
対物に2種類あるのは勉強になりました。結像しないと思っていた対物が使えたのは良かったですね。本来拡散光束を平行にするレンズなので,収束光束なら像を結んだ,ということなのでしょうか。何はともあれ,用意したものが無駄にならずこれからがとても楽しみです。
どーもです。まだ初回のテストなので顕微鏡対物レンズの潜在能力は未知数ですが少なくともアイピースと同等レベルの解像度はありそうなのでほっとしてます。拡大率が大きすぎた5倍も使えるよう現在思案中ですがそのほかにもまだ解決すべ点がいくつかあるのでシステム完成はもう少し先になりそうです。テスト結果は随時ブログにアップしますのでお楽しみに~。