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晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

5月1日の土星(中央緯度 地球>-2.41° 太陽>0.11°)

2025年05月03日 | 土星
環のない土星の観測レポートです。(正しくは環の見えない土星です)(^^ゞ

 観測した日は好天の予報が出ていた5月1日、観測場所は土星が出没から見える東空が開けている場所が理想ですが、疲労対効果を考えて遠征はやめて近場の河原球場駐車場にしました。

こちらが観測準備メモです。φ(.. )
 03時00分 天文薄明開始
 03時01分 土星出没 0° 
 03時30分 土星高度 5°
 03時35分 土星高度 8°  航海薄明開始
 03時52分 Starlink G11-9 南西-南東77°-北東
 03時55分 土星高度10°
 04時11分 土星高度12° 市民薄明開始
 04時39分 日の出
〈観測機材〉
・望遠鏡:μ210 焦点距離2,415mm
・撮影機材:OrthoBarlow2×、ADC、ASI290MC(UV/IRcut)
・画像処理(AS!3でスタック→RegiStax6→ステライメージ)

 で、実際の観測ですが、02時にいそいそと起きて観測場所に着いたのが02時30分頃… 観測場所は高度8°付近までは木立で見えませんが、高度10°以上になってからの土星が撮影対象なのでOKです。

 まずは三脚を立ててレベルを取って赤道儀の組み立てです。ピン合わせははくちょう座のデネブで行います。今のところ空に雲はありませんがSCWでは4時頃から薄雲がやってくる情報になっているのが気がかりです。

 5月1日の地球-土星-太陽の位置関係ですが地球が環の南側-中央緯度-2.41°で太陽が環の北側-中央緯度+0.11°にあります。この状況は地球から土星の環の裏側(太陽光の当たっていない側)を見ることになるので理論上はカッシーニの空隙と半透明のC環だけが太陽の光を透過して明るく見えるそうです。

 高度10°付近では大気減光と大気の揺らぎが大きいので土星環の透過光を捉えるのはかなり難しいですが、為せば成る為さねば成らぬ何事も…なのでチャレンジしてみましょう。

 03時40分過ぎに木立を抜けた土星が見えてきました。撮影開始です。う~む、大気分散による色ずれが激しいです。おっと… ADCの調整バーをMAXまで動かしても大気分散が解消されません!

 現在の土星高度は8°です。ADCも想定外の高度ということですかね~。ファーストショットはこんな感じでした。→photo これをRegiStaxでRGB Balance処理をした画像がこちらです。→photo

 撮影は03時44分から04時21分まで行いましたが、03時30分からSCW予報どおりの薄雲がやってきて2等星の星は見えない空になってしまいました。ざんねん~、とりあえず撮影した16ショットを持ち帰って画像処理です。

 ほとんどが雲の中の撮影でダメダメでしたが04時10分に撮影した動画がタイミングよく雲間だったらしくそれっぽい土星が写っていました。さすがに光るカッシーニの空隙と半透明のC環は写っていませんが、環の影っぽい黒いラインが写っています。

環のない土星(撮影時高度12°、撮影時刻04時10分)

2025/5/1 04h10m µ210+ADC+ ASI290MC(UV/IRcut)Shutter=143.4ms Gain=350 (72%) Duration=120s AS!3 50% of 809frames

 はたしてこの黒いラインが土星の環の影なのかはよく分かりませんが、通常の環が見えない土星の姿は捉えたようです。この時間は空が急速に明るくなっていくので04時14分(土星高度13°)でこんな感じで→(photo)、04時19分(土星高度14°)でこれでした→(photo)

↓ 04時07分の空の様子(金星の右下にある土星は雲の中ですね)

 季節が逆の南半球オーストラリアなどでは夜の時間が長いので条件良く撮影できるかもですが、北半球では限界がありますね。5月7日の「環の真横から太陽光が当たる環の消失日」まではまだ時間があるので天気の具合を見ながら撮影できるチャンスを狙うことにしましょう。