2月7日の夕方から急激に天気が回復したので、前回の撮影で拡大率が大きすぎたレイマ-PLAN 5倍の拡大率を下げるためのテスト撮影を木星で行った。
レイマ-PLAN 5× は有限補正光学系レンズなので顕微鏡筒長160mmで5倍の拡大率になるよう設計されているが、前回撮影したシステムは全長が245mm、光路長が約200mmもあったため実質の拡大率は約6.3倍になっていた。そのため木星像が惑星カメラの画角からはみ出す結果となった。
〈WRAYMER PLAN 5× 1st撮影システム図〉
そこで、今回はマウントチューブを使わない(光路長が短い)システムを構築して撮影を試みることにした。レイマ-PLAN 5×を取り付けるネジ変換アダプターはカメラ側がCマウントになっているのでネジ径が20.32mmの場合はマウントチューブをそっくり外しても結合することができる。
〈マウントチューブを使わない撮影システム チャート図〉
〈A.マウントチューブを使わない撮影システム 完成図〉
正確な光路長は計ってないが概算ではこのシステムの拡大率は約1.6倍になると思われる。最低でも2倍はほしいところなので1.6倍ではやや物足りなさを感じる拡大率である。
〈B.基本形+ZWO 大気分散補正プリズム+惑星カメラ〉
こちらは対物レンズと惑星カメラの間に大気分散補正プリズムを入れて光路長を少し伸ばしたものだが、この場合の拡大率は約3.7倍になると思われる。拡大率がやや大きめだが高度60°以下の撮影では大気分散補正プリズムが効果を発揮するので実用的なシステムではある。
〈C.基本形+フリップミラー+惑星カメラ〉
こちらはフリップミラーを間に入れたものだが全長が230mmもあるのでマウントチューブを入れたシステムの全長245mmとたいした差はない。ざっくり計算では拡大率が6.0倍なので木星は無理、気流がとても良い時の視直径小さめ惑星を撮影するときに使えるかもしれない。
〈撮影データ 〉
・撮影日時:2024年2月8日17時54分~18時36分
・撮影機材:TAKAHASHI μ210+WREYMER PLAN 5× +ASI290MC(UV/IRcut)
・合成焦点距離:比較図に記載
・露出:比較図に記載
・画像処理(AS!3→レジスタックス6→ステライメージ)
〈考察〉
撮影した2月7日は気流がかなり悪くピントの追い込みはできなかったので画角の違いに重点を置いて比較してみた。基本システムのAタイプはさすがに拡大率が小さすぎるので惑星ではなく月面を撮影するときには使い勝手がいいかと思われる。システムBはやや拡大率が大きいがこの中では実用的なレベルと言える。システムCは木星には過剰倍率だがフィリップミラーを活かして火星のLRGB撮影用としては活用できるかもしれない。今回のシステムでは2倍~2.5倍の拡大率を得ることができなかったので適正な光路長になるよう新たなシステムを考えたい。
〈システムA:FireCapture スクショ画像〉
〈sシステムB:FireCapture スクショ画像〉
次回のテストとしては気流の良い時に顕微鏡対物レンズ、望遠鏡アイピース、パワーメイトの三つ巴による解像度決戦をする予定です。はたして結果はいかに~。
〈関連ブログ〉
顕微鏡対物レンズで木星を撮影!(無限遠補正光学系レンズ編) 2024.2.2
顕微鏡対物レンズで木星を撮影!(撮影システム 備忘録 編) 2024.2.5
レイマ-PLAN 5× は有限補正光学系レンズなので顕微鏡筒長160mmで5倍の拡大率になるよう設計されているが、前回撮影したシステムは全長が245mm、光路長が約200mmもあったため実質の拡大率は約6.3倍になっていた。そのため木星像が惑星カメラの画角からはみ出す結果となった。
〈WRAYMER PLAN 5× 1st撮影システム図〉
そこで、今回はマウントチューブを使わない(光路長が短い)システムを構築して撮影を試みることにした。レイマ-PLAN 5×を取り付けるネジ変換アダプターはカメラ側がCマウントになっているのでネジ径が20.32mmの場合はマウントチューブをそっくり外しても結合することができる。
〈マウントチューブを使わない撮影システム チャート図〉
〈A.マウントチューブを使わない撮影システム 完成図〉
正確な光路長は計ってないが概算ではこのシステムの拡大率は約1.6倍になると思われる。最低でも2倍はほしいところなので1.6倍ではやや物足りなさを感じる拡大率である。
〈B.基本形+ZWO 大気分散補正プリズム+惑星カメラ〉
こちらは対物レンズと惑星カメラの間に大気分散補正プリズムを入れて光路長を少し伸ばしたものだが、この場合の拡大率は約3.7倍になると思われる。拡大率がやや大きめだが高度60°以下の撮影では大気分散補正プリズムが効果を発揮するので実用的なシステムではある。
〈C.基本形+フリップミラー+惑星カメラ〉
こちらはフリップミラーを間に入れたものだが全長が230mmもあるのでマウントチューブを入れたシステムの全長245mmとたいした差はない。ざっくり計算では拡大率が6.0倍なので木星は無理、気流がとても良い時の視直径小さめ惑星を撮影するときに使えるかもしれない。
〈撮影データ 〉
・撮影日時:2024年2月8日17時54分~18時36分
・撮影機材:TAKAHASHI μ210+WREYMER PLAN 5× +ASI290MC(UV/IRcut)
・合成焦点距離:比較図に記載
・露出:比較図に記載
・画像処理(AS!3→レジスタックス6→ステライメージ)
〈考察〉
撮影した2月7日は気流がかなり悪くピントの追い込みはできなかったので画角の違いに重点を置いて比較してみた。基本システムのAタイプはさすがに拡大率が小さすぎるので惑星ではなく月面を撮影するときには使い勝手がいいかと思われる。システムBはやや拡大率が大きいがこの中では実用的なレベルと言える。システムCは木星には過剰倍率だがフィリップミラーを活かして火星のLRGB撮影用としては活用できるかもしれない。今回のシステムでは2倍~2.5倍の拡大率を得ることができなかったので適正な光路長になるよう新たなシステムを考えたい。
〈システムA:FireCapture スクショ画像〉
〈sシステムB:FireCapture スクショ画像〉
次回のテストとしては気流の良い時に顕微鏡対物レンズ、望遠鏡アイピース、パワーメイトの三つ巴による解像度決戦をする予定です。はたして結果はいかに~。
〈関連ブログ〉
顕微鏡対物レンズで木星を撮影!(無限遠補正光学系レンズ編) 2024.2.2
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顕微鏡対物レンズシステム第二弾、興味深く拝見しました。今度は見た目良くまとまっています。いろいろパーツをお持ちで、いろんな組み合わせが試せますね!しかし、顕微鏡対物レンズの
対物側レンズは、4倍の物が1番大きいと思いますがそれでも天体用よりずっと小さいはず。だからとても不思議な気がします。月面に使うと画角や平坦性はどうなのか、面白いですね。(晴れスターさんは大変だと思いますが)楽しみにしています。
どーもです。この頃、顕微鏡対物レンズを手にする頻度が多いからか望遠鏡アイピースがやけに大きく感じて脳が半分バグってます。笑
来週は月がいい具合に太ってくるので月面撮影テストとクレーター「SHIOLI」の探索をしようと考えています。また2月12日~2月14日にかけては偏西風の南下情報が出ているので解像度対決テスト撮影はこの期間かな~と予定を立てています。天気が良ければ来週中に顕微鏡対物レンズの総括ができるのではと思ってます。はたして値千金かゴミか結果をお楽しみに~。