


↑2001年11月18日のしし座流星雨、この時は1時間で1,500個以上の流星が出現した。まさにリアル星降る夜!
2022年は1年を通して月の中旬が満月になるため中旬前後に極大を迎える流星群は条件が良くありません。なので、三大流星群の8月のペルセウス座流星群は条件が「最悪」で、12月ふたご座流星群は「悪」となっています。
1月のしぶんぎ座流星群だけは極大が1月4日06時と予想されているので条件としては「最良」になっています。天文年鑑には「1月4日 04~05時台は空の条件によってはHR=100を突破する可能性がある」と記載されてます。ピークの鋭い流星群ですが火球を伴った流星が複数見られる可能性があるので要注意ですね。
さて、ここからが本題です。2022年は「注意を要する小流星群」の中に突発出現の可能性がある流星群がいくつかあるのでまとめてみました。

流星群名 注目極大日 時間 HR 特徴 母彗星 観測条件
ヘルクレス座τ群 5月31日 未明~早朝・夕方 ? 緩 73P 最良
*母天体である73P/シュワスマン・ワハマン第3周期彗星が1995年回帰時に生成・放出したダストトレイルに5月31日14時台に接近する予報が出ている。母天体の73Pが1995年に回帰したときには大規模なバーストが観測されており多くの流星物質を放出した可能性があるためHR=500を超す予測もある。日本では残念ながら接近時刻が日中のため観測はできないが、1892年と1897年に回帰した時のダストトレイルが長時間にわたり地球に接近するので5月31日の未明から早朝と夕方に出現を捉えられる可能性があります。5月30日が新月のため条件は最良であり2022年最大の要注意流星群です。

流星群名 注目極大日 時間 HR 特徴 母彗星 観測条件
5月きりん座群 5月25日 17時台 ? ? 209P/LINEAR 最良
*2014年に突発出現を見せた209P/LINEAR周期彗星を母天体とする流星群。2022年は1903年と1909年の回帰時に生成・放出されたダストトレイルへの接近により5月25日17時台に突発出現を見せる可能性がある。日本では日没前のためピークの観測はできないが日没後の北の空には要注意です。

流星群名 注目極大日 時間 HR 特徴 母彗星 観測条件
7月りゅう座γ群 7月29日 02時台 ? 中速 ? 最良
*この流星群は発見が1963年で、2007年~2008年に日本で観測されて2012年8月にIAUに追加された新しい流星群です。2016年には1時間続く活動が見られたがその後は大きな活動は見られていません。母天体は周期270年~600年の長周期彗星と考えられているがまだ発見されてない。2016年以降は活動が見られていないが来年は条件が良いので注目したい流星群です。

流星群名 注目極大日 時間 HR 特徴 母彗星 観測条件
11月おうし座南・北群 11月10日前後 10~15 緩 2P/Encke 悪
*こちらは小流星群でなくメジャーな流星群です。天文年鑑では2022年における第2の要注意流星群であると紹介しています。母天体は周期3.3年の2P/エンケ彗星で過去に放出されたダストが木星に対して7:2の共鳴構造となる状態で公転する特徴を持つ。2022年はこの塊が地球と接近する年になる。同条件の2005年には-5等級程度の火球が11月上旬に連日観測されたほか2015年には10月末から11月上旬に満月を上回る明るさの火球が複数出現した。残念ながら2022年は11月8日が満月であるため条件は良くないが、11月8日の皆既月食が輻射点の近くにあるため皆既中の赤銅色の月と火球を撮影できる可能性がある。皆既中の月と大火球を同時に撮れる千載一遇のチャンスです。

流星群名 注目極大日 時間 HR 特徴 母彗星 観測条件
11月しし座群 11月22日 0時台 15 速・痕 55P/テンペル・タットル 悪
*母天体である55P/テンペル・タットル彗星の回帰を9年後に控えるしし座流星群ですが、2022年は母天体が1800年に回帰したときに生成・放出したダストトレイルが22日0時に接近する予報が出ています。下弦過ぎの月の影響を受けるが、HR=15前後の出現と痕を伴った火球クラスの流星を複数捉えることができるだろうと天文年鑑には記載されています。

流星群名 注目極大日 時間 HR 特徴 母彗星 観測条件
12月こぐま座群 12月22日 19時台と23時台 ? 緩 8P/タットル 最良
*年末を飾るこぐま座流星群ですが2022年は22日19時台に小規模ながら突発する可能性と同日23時台に843年に回帰したときのダストトレイルとの接近予報が出ています。12月23日が新月のため条件としては最良です。
以上、来年楽しみたい流星群の紹介でした。
