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晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

2024年に見える細~い月(有明の月)

2023年11月17日 | 「見たい天体現象」
 2024年見たい天体現象の第2弾「来年見える細~い有明の月」で~す。
↓ 有明けの月は10月14日に輝面比0.008(0.8%)の撮影に成功したのでアーカイブ更新です。

月齢28.7 輝面比0.008 (新月21時間18分前)撮影高度1.5°(日の出36分前) NEW

2023.10.14 5:07:53 SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO2000   f7.1  1/100sec


月齢28.4 輝面比0.01 (新月24時間39分前)撮影高度8°(日の出29分前)

2021.11.4 5:36:41 SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO2000   f7.1  1/160sec


月齢28.5 輝面比0.01 (新月25時間33分前)撮影高度4°(日の出33分前)

2022.9.25 4:52:45 SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO1000   f9  1/40sec


月齢28.4 輝面比0.02(新月27時間21分前)撮影高度8°(日の出33分前)

2013.12.2 6:01:21 BORG60 Powermate2× ISO400 1/2sec


月齢28.4 輝面比0.02(新月28時間18分前)撮影高度4°(日の出40分前)

2016.1.9 6:13:40 BORG60 Powermate2× ISO800 1/5sec


月齢28.1 輝面比0.03(新月40時間33分前)撮影高度12°(日の出26分前)

2020.11.4 5:50:34 BORG60 Powermate2× ISO640 1/20sec


 さて、来年見える細~い有明の月データは下記のとおりです。
輝面比は太陽出の時刻で比較してあります。

2024年新月前日  月出 太陽出 月高度   新月まで  輝面比 月齢
  1月10日(水) 05:49 06:52 3.064°  39時間08分 0.0342 27.9
  2月9日(金) 06:18 06:34 1.713°  25時間25分 0.0168 28.4
  3月9日(土) 05:26 05:56 4.588°  36時間04分 0.0344 27.9
  4月8日(月) 04:49 05:10 3.384°  22時間11分 0.0128 28.5
  5月7日(火) 03:42 04:32 8.694°  31時間50分 0.0152 28.0
  6月5日(水) 02:44 04:12 14.994°  41時間26分 0.0382 27.7
  7月5日(金) 02:57 04:18 12.294°  27時間39分 0.0152 28.3
  8月3日(土) 02:50 04:39 17.566°  39時間34分 0.0278 27.9
  9月2日(月) 03:54 05:06 12.240°  29時間50分 0.0143 28.4
  10月2日(水) 04:46 05:32 7.954°  22時間17分 0.0076 28.8
  10月31日(木) 04:35 06:01 14.527°  39時間46分 0.0246 28.1
  11月30日(土) 05:29 06:32 9.090°  32時間49分 0.0182 28.4
  12月30日(月) 06:26 06:52 3.049°  24時間35分 0.0115 28.6
 
 う~む、下記に細い月ランキングを示していますが、これを見ると10月2日(輝面比0.76%)以外は輝面比が1%を超えているので究極に細い有明の月を見るにはちょっとザンネンな年ですね~。

〈2024年細い有明の月ランキング〉
 第1位 10月2日(水)輝面比0.76% 新月22時間17分前(日出時刻)太陽離角8゚56'
 第2位 12月30日(月)輝面比1.15% 新月24時間35分前(日出時刻)太陽離角 12゚57'
 第3位 4月8日(月)輝面比1.25% 新月22時間11分前(日出時刻)太陽離角12゚38'
 第4位 9月2日(月)輝面比1.43% 新月29時間50分前(日出時刻)太陽離角 13゚16'
 第5位 7月5日(金)輝面比1.52% 新月27時間39分前(日出時刻)太陽離角 14゚05'

〈2024年撮影条件良い順ランキング・有明の月編〉
 第1位 8月3日(土)月齢27.9 輝面比2.78% 日の出30分前の月高度 12.3°
 第2位 6月5日(月)月齢27.7 輝面比3.82% 日の出30分前の月高度 9.5° 
 第3位 10月31日(木)月齢28.1 輝面比2.46% 日の出30分前の月高度 9.2° 
 第4位 7月5日(金)月齢28.3 輝面比1.52% 日の出30分前の月高度 7.2°
 第5位 9月2日(月)月齢28.4 輝面比1.43% 日の出30分前の月高度 6.7° 
 第6位 11月30日(土)月齢28.4 輝面比1.82% 日の出30分前の月高度 4.5°
 第7位 1月10日(水)月齢27.9 輝面比3.42% 日の出30分前の月高度 4.0°  
 第8位 5月7日(火)月齢28.0 輝面比2.47% 日の出30分前の月高度 3.0° 
 第9位 10月2日(水)月齢28.8 輝面比0.76% 日の出30分前の月高度 2.3° 
 第10位 3月9日(土)月齢27.9 輝面比3.44% 日の出30分前の月高度 0.7° 
 第11位 4月8日(月)月齢28.5 輝面比1.28% 日の出20分前の月高度 -0.5°
 第12位 12月30日(月)月齢28.6 輝面比1.15% 日の出20分前の月高度 0.1° 
 第13位 2月9日(金)月齢28.5 輝面比1.28% 日の出10分前の月高度 0.1° 

 上記のデータを見ると2024年細い有明の月ランキング1位の「10月2日 月齢28.8 輝面比0.76%」は条件的にはかなりキビシイですが、今年撮影に成功した10月14日の月齢28.7(輝面比0.8%)とほぼ同条件なので空の透明度がよければ撮影は十分可能だと思われます。

 オススメとしては、9月2日(月齢28.4、輝面比1.43%)と7月5日(月齢28.3、輝面比1.52%)の月が(細さランキングでは第4位と第5位ですが)上記アーカイブ写真の輝面比0.01と同じ細さで、しかも暗い空で見ることができるので、息をのむほど美しい月が眺められること間違いナシですよ~。


2024年に見える細~い月(月齢1)

2023年11月16日 | 「見たい天体現象」
え!?もう立冬過ぎてたの?と思わず口にするほど今年は晩秋らしくない天気が続いていましたが、気付くと2023年もあと40日余り…そろそろ来年の天文現象が気になる時期となりました~。

 …ということで今年もやります!年末恒例の「来年見たい天体現象」シリーズ始まりで~す。今年の第1弾は、新月の翌日に見える究極的に細いお月様「来年見える細~い月(月齢1)」です。

 2023年は天気に恵まれなかったので月齢1.0は撮影できませんでしたがこれまで未撮影だった月齢1.2の撮影に成功したので、月齢0.9から月齢1.3までの細月アーカイブがコンプリートとなりました~。

〈新月の翌日に見えた細月アーカイブ〉
新月から21時間17分後の月(月齢0.9)撮影時高度 3.1°(日没14分後)日没時月高度9.2°

2010年4月15日 18時46分  f100mm F6.0 D50 ISO800 1/4(トリミング)

新月から25時間14分後の月(月齢1.0)撮影時高度 3.0°(日没40分後)日没時月高度9.4°

2016年12月30日 17時06分  SE200N 直焦点 D90 ISO400 1/13

新月から25時間29分後の月(月齢1.0)撮影時高度 2.6°(日没32分後)日没時月高度7.6°

2022年8月28日 18時46分 D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f550mm ISO1250 F9 1/40sec

新月から27時間12分後の月(月齢1.1)撮影時高度 3.0°(日没35分後)日没時月高度10.2°

2022年4月2日 18時36分 D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO1250 F8 1/10sec

新月から29時間53分後の月(月齢1.2)撮影時高度 7.0°(日没26分後)日没時月高度11.6°← NEW

2023年6月19日 19時30分 D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO400 F7.1 1/10sec

新月から31時間13分後の月(月齢1.3)撮影時高度 9.5°(日没21分後)日没時月高度13.5°

2009年2月26日17時48分 SE200N 直焦点 D70 ISO200 1/10

 さて、画質はともかくとりあえず月齢0.9から月齢1.3までコンプリートしたので、次なる目標は月齢0.8のお月さまということになりますが、来年はそのチャンスがあるのでしょうか?(2023年は新月の翌日が月齢0.8になる日は1回もありませんでした)

 では、早速2024年の「月齢1前後の超スリムなお月さまが条件よく見える日データ」を見てみましょう。来年の新月翌日の日没時刻(仙台市)・日没時月齢・日没時月高度は下記のとおりです

2024年新月翌日   日没時刻  日没時月齢  日没時月高度   月没時刻   輝面比
 1月12日(金) 16時37分  0.8    5.122°  17時14分 0.0096 0.96%
 2月11日(日) 17時10分  1.4   15.202°  18時41分 0.0290 2.9% 
 3月11日(月) 17時41分  1.0   12.248°  18時45分 0.0149 1.49%
 4月10日(水) 18時09分  1.6   20.144°  20時05分 0.0376 3.76% 
 5月 9日(木) 18時36分  1.3   14.364°  20時10分 0.0214 2.14%
 6月 7日(金) 18時59分  0.9   10.010°  20時07分 0.0097 0.97%
 7月 7日(日) 19時04分  1.5   12.917°  20時23分 0.0231 2.31%
 8月 5日(月) 18時43分  0.9    6.800°  19時24分 0.0086 0.86% 
 9月 4日(水) 18時03分  1.3    5.600°  18時36分 0.0152 1.52%
10月 4日(木) 17時16分  1.6    4.300°  17時44分 0.0215 2.15%
11月 2日(土) 16時37分  0.8    -2.325°  16時39分 0.0057 0.57%
12月 2日(月) 16時17分  1.0    2.022°  16時36分 0.0110 1.10%


 ふ~むふむ、これを見ると2024年は月齢1.0以下の月を見るチャンスが4回(11/2,12/2は除く)もあるので挑戦のしがいのある年になりそうですね。

 さて、今回のデータを見てひとつ気になることがありました。それは1/12,月齢0.8の輝面比(0.96%)より8/5,月齢0.9の輝面比(0.86%)の方が小さいという逆転現象が起きていることです。

 月齢が小さい方が輝面比は小さい…とこれまでは思っていたのですが、考えて見れば月軌道は真円ではないのであり得ることですね。輝面比の小さい順に並べるとランキングは下記のようになります。

〈2024年新月の翌日に見える細い月ランキング〉*観望不可日は除いてあります。
 第1位 8月5日(月)輝面比0.86% 月齢0.96 新月22時間30分後(日没時刻)太陽離角 10°41′
 第2位 1月12日(金)輝面比0.96% 月齢0.82 新月19時間40分後(日没時刻)太陽離角 11°44′
 第3位 6月7日(金)輝面比0.97% 月齢0.89 新月21時間22分後(日没時刻)太陽離角 11°24′
 第4位 3月11日(月)輝面比1.49% 月齢0.99 新月23時間41分後(日没時刻)太陽離角 13°06′
 第5位 9月4日(水)輝面比1.52% 月齢1.30 新月31時間7分後(日没時刻)太陽離角 13°43′

 細い月ランキングは分かったけど、条件的に撮影しやすいのかキビシイのか分からないと困るんだよなぁ~と思いのあなた!その悩みを解決する「撮影条件の良い順ランキング」を作りました。どうぞ参照を~

〈2024年撮影条件良い順ランキング・新月翌日編〉月齢1.3を超える月は除いてあります。
 第1位 5月9日(木)月齢1.27 輝面比2.18% 日没20分後の月高度 11°47′
 第2位 3月11日(月)月齢0.99 輝面比1.49% 日没20分後の月高度 7°54′
 第3位 6月7日(金)月齢0.89 輝面比0.97% 日没20分後の月高度 6°70′
 第4位 8月5日(月)月齢0.96 輝面比0.86% 日没20分後の月高度 3°11′
 第5位 1月12日(金)月齢0.82 輝面比0.96% 日没20分後の月高度 1°81′
 第6位 9月4日(水)月齢1.30 輝面比1.52% 日没20分後の月高度 1°81′

 撮影条件としては日没30分後に月高度が3°以上あればカメラは月を捉えることが(透明度が極端に悪くなければ)できるので輝面比が1%以下となる6月7日と8月5日は晴れてほしいですね。

 普通に考えると6月7日は梅雨入り前、8月5日は梅雨明け後となるので可能性としては高いはずですが…はたしてどんな天気になるのか?来年は振れ幅の小さい平年的な気候になることを願いましょう。

2023年見たい天体現象「月と惑星の接近(7月~12月編)」

2022年12月31日 | 「見たい天体現象」
2023年見たい天体現象の第7弾「月と惑星の接近(7月~12月編)」です。

 2023年後半はフォトジェニックな月と惑星の接近が思ったほどなかったので、やや遠い接近?も含めてマンスリーイベントとして紹介しま~す。(^^ゞ

7月19日「二日月と水星の接近」(*シミュレーション画像はステラナビゲーター11で作成しています。)

 7月19日の二日月と水星の接近です。水星が2023年2回目の東方最大離角となるのは8月10日なのでまだ高度は低いですが、光度が-0.4等もあるので明るい水星と、これまた二日月としては輝面比が大きく見栄えのある月が接近します。水星の東には金星も輝いているので金星、水星と二日月のコラボとしても楽しめます。


8月9日「下弦翌日の月と木星の接近」

 8月は夕月や有明の月と惑星の接近がないので夜半に見られる木星と月の接近を紹介します。8月8日の23時頃に下弦翌日の月が木星ときれいに並んだ状態で東の空に姿を現します。離角が5°なので接近というよりは並んでいるという感じですが月出時の赤い月と木星を地上の景色と一緒に写すとフォトジェニックな星景になると思われます。


9月14日「新月前日の月と水星の接近」

 これはかなり難易度の高いイベントです。水星出が04時18分なので日の出まではまだ1時間ありますが、水星の光度が1.8等しかないので大気減光を考えると透明度が良くないと水星も月も見えないことが考えられます。見られたら超ラッキー的な運試しイベントと言えます。


10月11日「有明の月と金星、レグルスの接近」

 離角は6°なので見た目としては離れていますがやはり接近相手が金星となると見栄えがします。近くにしし座のレグルスも輝いているので賑やかな接近といえます。薄明が進んだ空で輝く金星とレグルスの接近を望遠レンズで撮影するととてもきれいなので晴れスタ的にはおすすめのイベントです。


11月10日「有明の月と金星の接近」

 11月は新月3日前の有明の月と金星が接近します。離角は約5°、月の輝面比は0.12です。空が明るくなるにつれて星々が空に溶け込んで見えなくなる中、太陽光をもろともせずに輝き続ける金星と月がいつまで見えるかを目で追うのは何度やっても楽しいものです。透明度が良ければ日出後も見られると思うので眼力に自信のある方はチャレンジしてみてください。


12月10日「有明の月と金星の接近」

 12月もほぼ11月と同じ条件で月と金星が接近します。いずれも有明の月なので早起きしないとみられないイベントですが受け皿になった細い月は白道が立っているこの時期限定なので見ておきたいイベントですね。


さて、2022年も残すところあと5時間となりました。
今年もこのブログを見てくださった みなさん、本当にありがとうございました。

今朝撮影した2022年大晦日の朝日です。明日は初日の出が見られるかな?


 来年も相変わらずのゆる~いアップになると思いますが、時間があるときや思いついた時にちょこっとお寄りいただければ幸いです。それでは皆さん、よいお年を~!


2023年見たい天体現象「2023年に明るくなる彗星」☄

2022年12月14日 | 「見たい天体現象」
  2023年見たい天体現象シリーズの第6弾は「2023年に明るくなる彗星」です。

 天文年鑑2023年版の「近く訪れる彗星」では2023年に6等級以上まで明るくなる彗星として「C/2022 E3(ZTF)」「96P/Machholz 1」「2P/Encke」の3個を 、また肉眼等級にはならないが8等級までに明るくなる彗星として「5D/Brorsen」「C/2021 T4(Lemmon)」「103P/Hartley 2」「62P/Tsuchinshan」の4個を紹介している。

 この中から、2023年見たい彗星として6等級以上まで明るくなる彗星3個と8等級までに明るくなる彗星から1個を掘り下げてみよう。


エントリー№ 1 「ZTF彗星(C/2022 E3)」
・最大光度 4.8等級、地球最接近日 2月1日(0.28AU)
 C/2022 E3は、2022年3月2日にパロマ-1.22mオースチン・シュミットで行われたZTFサーベイで撮影した捜索画像上(わし座)で発見された彗星である。この彗星の標準等級はH11=+6.5等ぐらいと見積もられている。オールトの雲からやって来た新彗星ではないので順調に増光するものと考えられている。

 現在、かんむり座にいるC/2022 E3はすでに明け方の空に姿を現しているが年末には高度も上がり観測しやすくなる。近日点通過は1月12日で近日点距離が1.112AUと地球軌道の外なので極端に明るくなることは望めないが1月12日以降は肉眼等級になると予想されている。地球最接近の2月1日には北極星の近くのきりん座で光度が4.8等級に達するので長い時間条件良く観測することできる。


エントリー№ 2「96P/マックホルツ第1周期彗星(96P/Machholz 1)」
・最大光度 2.0等級、地球最接近日 2月6日(1AU)
 96P/Machholz 1は、2023年1月31日に近日点(q=0.116AU)を通過する周期5.28年の彗星である。この彗星は1986年の発見から毎回帰ごとに観測されており今回で8回目の出現となる。近日点通過時は2等級まで明るくなるが太陽に近いため地上から観測はできない。

 2月中旬に明け方の空に姿を現すが光度は8等級まで減光する予報がでているので残念ながら肉眼彗星にはなることはないと思われる。2月下旬には10等級に、3月上旬には11等級へと急激に減光するので観測できる期間は短い。


エントリー№ 3 「2P/エンケ彗星(2P/Encke)」
・最大光度 5.4等級、地球最接近日 9月25日(0.9AU)
 2P/Enckeは、2023年10月22日に近日点(q=0.34AU)を通過する周期3.3年の彗星で標準等級はH11=+10.0等と見積もられている。今回は1786年の発見以来65回目の回帰となる。地球最接近日は9月25日だが近日点通過の1か月前なので予報光度は8等級台とそれほど明るくはない。

 10月14日にはおとめ座で光度5.9等になる予報がでているが天文薄明開始時の高度がわずか4°なので条件的には厳しい。その後も徐々に高度を下げるので10月下旬以降は北半球での観測ができなくなる。観測は月の影響を受けない9月25日(下弦)頃までと高度は低くなるが10月11日(月齢26)以降がベストだと思われる。


以上が6等級以上に明るくなる彗星のザックリ情報だが、晴れスタ的にぜひ見たい彗星として103P/ハートレー第2周期彗星があるので以下に紹介する。


エントリー№ 4 「103P/ハートレー第2周期彗星(103P/Hartley 2)」
・最大光度 6.4等級、地球最接近日 9月26日(0.38AU)
 103P/Hartley 2 は、2023年10月12日に近日点(q=1.06AU)を通過する周期6.48年の彗星で、1985年の発見以来7回目の回帰となる。9月26日に地球に0.38AUまで近づいて7等級まで明るくなる予報が出ている。地球接近時の彗星の位置はぎょしゃ座なので一晩中条件良く観測できる。

 この103P/ハートレー第2周期彗星は前々回の回帰(2010年)の時にも地球に接近して5.8等級まで明るくなっている。その時にエポキシ探査機が接近して撮影した画像に「彗星を取り巻く宇宙吹雪」が写っていて話題になったほうき星である。

 この彗星は近日点に近づくと急激に増光する特徴を持っているので画像のような宇宙吹雪が舞っていると想像しながら撮影するとリアリティがあってより楽しめる感じがする。とても小さな彗星だが今回はどのような姿を見せるのかと思うとワクワク感の高まるほうき星だ。

〈103P/ハートレー第2周期彗星〉2010年10月11日撮影

2010.10.11 22:34:11 SE200N D90 LPS-P2 ISO2500 180sec

  〈ジェットを吹き出す彗星表面だが…〉


  〈その正体は雪玉が飛び交う宇宙吹雪だった!〉

   エポキシ探査機が撮影した103P/ハートレー第2周期彗星

〈関連ブログ〉
宇宙空間に吹き荒れる吹雪 2010.11.24
10月11日のハートレー彗星/103P 2010.10.11
ハートレイ彗星/103P 2010.10.2

2023年見たい天体現象「突発出現が期待される流星群」☆彡

2022年12月08日 | 「見たい天体現象」
2023年の見たい天体現象シリーズの第5弾は「突発出現が期待される流星群」です。

↑ 輻射点から流星が放射状に飛び出す様子をリアルタイムで見ることができた2001年のしし座流星雨

 2023年前半は月の下旬が新月で、後半は中旬が新月なので、4月こと座群、8月のペルセウス座群、10月のオリオン座群、11月のしし座群、12月のふたご座群は条件が「最良」となっています。

 とくに12月ふたご座群は月明かりの影響がなく予想極大が明け方にあたるため記録的な出現になると予想されています。2023年は上記の流星群のほかにもぜひ見ておきたい流星群がたくさんあるのでご紹介しま~す。
(注:以下の流星群はすべて天文年鑑「2023年の流星」を参考にしてありますが、あくまでも晴れスター的独自選考なので全てを網羅したものではありません。)

エントリーナンバー1番
・しぶんぎ座群(三大流星群) 1月4日 明け方(HR=30、条件:悪)
*しぶんぎ座群はピークの鋭い群ですが予想極大が1月4日の昼13時、しかも4日は月齢12の明るい月があるので条件としてはいいことが何もないのですが、月没後の04時から2時間弱の天文薄明中に急速に活発化してHR=30に達すると予報されています。火球クラスの明るい流星が期待される群で2023年最初の三大流星群でもあるので運試しに見ておきたい流星群ですね。

エントリーナンバー2番
・おおぐま座ξ群(マイナー流星群) 1月21日(HR=2~3、条件:最良)
*1月下旬は厳寒期なので観測には不向きですが気になる存在としておおぐま座ξ群があります。出現規模はHR=2~3(←マイナー流星群の中ではトップクラス)で痕を伴った明るい高速流星が多いので目を引く存在となっています。関連性は認められてませんが1月20日~21日頃に満月に匹敵する火球が複数回(近年では2013年、2019年、2021年に)観測されていますので、特異な頻度で火球が出現する日として見ておきたい流星群です。

エントリーナンバー3番
・4月こと座群(メジャー流星群) 4月23日 早朝(HR=10、条件:最良)
*極大予報は4月23日10時のため国内では観測出来ませんが、月明かりの影響がないので早朝には出現数が増加する(空の条件次第ではHR=20になる)と予報されています。こと座群は痕を伴った高速流星が多いのでまだ見たことない方(実は私です)にとってはチャンスですね。

エントリーナンバー4番
・きりん座群(突発出現流星群) 5月24日21時~22時台(HR=突発出現のため不明、条件:最良)
*2014年に突発出現を見せたきりん座群ですが2023年5月24日21時~22時台に母天体である209P/LINEAR周期彗星のダストトレイル(1903年と1909年)と接近する予報が出ています。2014年の突発出現は日本で見られなかったので来年は国内でこの活動に遭遇する初チャンスとなります。蛍のようにゆったりと飛ぶまぼろしのきりん座群が実際に肉眼で見られると思うと今から胸が躍ります。晴れスター的にはきりん座群が2023年見逃せない流星群の第1位ですね。
関連ブログ→「209P/LINEAR周期彗星」「5月きりん座流星群」「5月きりん座流星群 Coming Soon!

エントリーナンバー5番
・ペルセウス座群(三大流星群) 8月12日-13日、13日-14日(HR=50、条件:良)
*2023年の極大は8月13日17時、8月14日10時~11時には1968年のダストトレイルに接近する予報が出ていますがいずれも日本では観測不可です。日本では13日の明け方にHR=50前後(永続痕を伴う火球を含む)予報が出ています。2021年に観測された新ピークは8月14日5時に相当するので14日早朝も要注意です。

エントリーナンバー6番
・ぎょしゃ座β群(マイナー流星群) 9月23日 早朝(HR=2、条件:良)
*ぎょしゃ座β群は20年周期で突発出現を繰り返しているマイナー流星群です。前回の突発が2003年だったので2023年が突発出現の年にあたります。夕方上弦の月が南天で輝いていますが、夜半過ぎには沈むのでその後は条件が良くなります。はたして20年ぶりの活動を見せるのか注目したい流星群です。

エントリーナンバー7番
・アンドロメダ座群(マイナー流星群) 12月3日 早朝(HR=?、条件:最悪)
*3D/ビエラ周期彗星を母天体として19世紀後半に流星雨レベルの出現を見せたマイナー流星群で非常にゆっくり流れる特徴があります。2023年は12月3日02時台に1649年のダストトレイルに接近する予報が出ています。月齢20の月がかに座にありますがアンドロメダ座β星付近に位置する輻射点は充分高いのでそれほど支障はありません。伝説と化した流星雨が再び姿を現すか見守りたい流星群です。

エントリーナンバー8番
・46P/ビルタネン周期彗星群(突発出現流星群) 12月12日 20時台(HR=?、条件:良)
*1974年のダストトレイルが12月12日20時台に接近する予報が出ています。活動域は南天のちょうこくしつ座西部とうお座西部と予想されています。こちらも上記のアンドロメダ座β群と同じようにゆっくり流れる特徴があります。アンドロメダ座β群と46P/ビルタネン周期彗星群はどちらも空振りになる可能性がありますが、期待を込めて注視したい流星群ですね。

エントリーナンバー9番
・ふたご座群(三大流星群) 12月15日 明け方(HR=80、条件:最良)
*12月のふたご座群は2023年天文界における最大のイベントと言われるほど期待値が大きい流星群です。その理由としては12月13日が新月のため月明かりの影響が全くないこと、極大時刻が15日04時なので輻射点が高いことが挙げられる。これだけ条件がそろったふたご座群はそうそうあるものではないので前出のとおり記録的な出現になることは容易に予想される。そのため街中でもHR=100を超す可能性があり、6等星が見える空ではHR=200~300に達する可能性があると天文年鑑には記載されている。さらに近年は火球出現が増加傾向にあるので空前の~星降る夜~になるだろうと付け加えている。期待のしすぎは禁物だがこれだけ条件の良いふたご座群は久々なので、全国的に晴れた空で2023年の締めくくりとなる流星群を楽しみたい。


番外編(メジャー流星群)
 条件が最良なのに10月オリオン座群と11月しし座群がエントリーされていないのはなぜですか?という質問がありそうなのでここで捕捉を…
・オリオン座群(メジャー流星群)10月22日 夜半過ぎ(HR=30、条件最良)
*オリオン座群は火球クラスの流星が多いとされる一方で出現数の大半が暗い流星なので月明かりに大きく影響されます。極大日は上弦の月がありますが輻射点が昇る夜半過ぎには月没となるので6等星が見える空ならHR=30を超すこともあるだろうと天文年鑑では解説しています。2023年は母天体である1P/ハレー彗星が遠日点を通過するので大きな出現は期待できない年だと思われます。

 ↑ 2007年に出現した火球クラスのオリオン座群流星 ☆彡
・しし座群(メジャー流星群)11月18日 夜半過ぎ(HR=20、条件最良) 
*闇を切り裂くような高速の有痕流星が多数出現するしし座群の母天体である55P/テンペル・タットル彗星の回帰(2031年5月)までわずか7年半後と迫ってきている。2023年の極大は11月18日14時、1767年のダストトレイルとの接近予報が11月21日21時となっており、どちらも国内では観測出来ない時間であるが、母天体がじわじわ太陽に迫りそろそろ本気を出してくるころでもあるので、月明かりの影響がない2023年は特徴の一つである永続痕をともなう大火球とともに暗い流星を着実に捉えたい…と天文年鑑では解説しています。出現数は例年どおりのようですが条件が最良なので今後の推移を見通すという意味では来年見たい流星群のひとつですね。

以上、来年ぜひ見てみたい流星群の紹介でした。

2023年見たい天体現象「月と惑星の接近(1月~6月編)」

2022年12月05日 | 「見たい天体現象」
2023年見たい天体現象の第4弾は「月と惑星の接近」です。

今年も「1月~6月編」と「7月~12月編」の2回に分けてお送りしま~す。

1月20日「有明の月と水星の接近」(*シミュレーション画像はステラナビゲーター11で作成しています。)

 2023年の水星は西方最大離角が3回(1/30、5/29、9/22)ありますが、その1回目の観望好期中の1月20日に月齢27.4の有明の月と約7°まで接近します。水星の光度は0.4等とやや暗いのですが航海薄明中の空ではキレイに見えると思われます。2023年最初の水星と月のコラボを楽しむチャンスですね。


1月23日「二日月と金星、土星の接近」

 2023年の金星は1月から7月まで宵の明星、8月から年末まで明けの明星として輝きます。宵の明星として日没後の西空で見えている金星が1/23に月齢1.5の二日月に接近します。金星の西側、満月1個分離れたところでは土星も輝いているので賑やかな星並びとなります。土星の光度は0.8等なのでそれほど目立ちませんが、二日月と内惑星と外惑星が同時に見えるゴージャスな星景を楽しみたいですね。


2月22日「三日月と金星、木星の接近」

 日没後の西空で三日月が金星に近づきます。角距離は2°(満月4個分)なのでやや離れた感はありますが、金星の上(約7°北側)では真夜中の明星である木星(-2.1等)が輝いています。金星も木星も日没直後から見え始めるのでマジックアワーで輝く宵の明星・真夜中の明星・三日月の競演は美しい星景になることでしょうね。


3月23日「二日月と金星、木星の接近」

 2月に引き続き3月も月と金星と木星の接近が楽しめます。この日の二日月は月齢が1.7なので力強い輝きで綺麗に見えます。やや離れていますが金星と木星の間に二日月が入る様子は見ていてとても美しいものです。これだけ離れていると写真ではインパクトが無くなってしまうのが残念ですがあえて建物を背景に入れるとフォトジェニックな写真になることがあるので工夫したいですね。


4月21日「二日月と水星の接近」

 水星の光度が2.1等とかなり暗いので水星が見える頃には高度がかなり低くなってしまうので西空が開けている場所でないと観望はできませんが、地球照が輝く月齢1.3と並ぶ水星はぜひ写真に収めたい対象です。


4月23日「四日月と金星の接近」

 この接近で注目してほしいのは月と金星の角距離です。日没時の角距離は2°30′ですが、徐々に月が金星に近づいて月没時には1°まで近づきます。連続写真を撮ると月が金星に近づいていく様子が分かって月の公転を感じられることと思います。この日の前日には三日月がプレアデス星団に約2°まで近づくのでそれも見逃せません。4月21日から3日間は日没後の月に注目ですね。


5月18日「有明の月と木星の接近」

 こちらは日の出前の明け方のイベントです。この日の月は輝面比が0.04もあるので明るくなった空でも月と木星は長い時間見えます。-2.1等の木星が青空の中に溶け込んでいく様子を見るのはなかなかできないので日の出何分前まで見えるかを確認するという意味でも見ておきたいイベントですね。


5月23日「四日月と金星、火星の接近」

 タイトルは「四日月と金星、火星の接近」ですが、このイベントにはもう一つのセカンドタイトルがあります。そのタイトルはズバリ 「Moon and Vernus with Gemini」です。このように立ち上がったふたご座の中に月と金星がすっぽり入っている様子は実際の空で見ても心に響くものは何もありませんが撮影した写真に星座線を描くとレア感たっぷりなステキな星景写真になります。晴れスター的には2023年イチ推しのイベントです。こちらの過去ブログに写真があるのでどうぞご参照ください。→「月と金星の接近ギャラリー Part 3」 


6月17日「新月前日の月と水星の接近」

 こちらはかなり難易度の高いイベントです。水星が昇ってきたときには空が明るくなっているので輝面比0.02の月が見えなくなっている可能性があります。高度は2°~3°しかないので6月の空では見えない可能性の方が高いと思います。この接近を見に行こうとするのはほぼ願掛けに近いレベルだと思いますので天気がすこぶる良かったら出かけてもいいけどたぶんいかないだろうなイベントですね。(笑)


6月22日「五日月と金星、火星の接近」

 こちらの接近は五日月なので十分空が暗くなってから楽しめるイベントです。主役交代で引き継ぎを終えた春の星座たちの見納め時期なので春の星座の中で輝く金星と月のメモリアルフォトとしては面白いと思いますが月が明るいので月の形も星座の星々もキレイに写すのはとても難しい対象と言えます。遠ざかった火星はレグルスよりも暗くなっているので火星も見納めと言える感じですね。

 「月と惑星の接近(1月~6月編)」は以上です。「月と惑星の接近(7月~12月編)」は現在作成中ですが遅々として進んでいませんので次回の見たい天体現象シリーズは別のタイトルになると思われま~す。


2023年見たい天体現象「月面 X」

2022年12月02日 | 「見たい天体現象」
 2023年見たい天体現象の第3弾は「何度見てもまた見たくなる月面 X 」です。

 来年の月面Xは、ピーク時刻に月が地平線上に出ている回数としては5回ほどありますが、昨年の天文年鑑で「2023年は夜間に好条件で見られるものがない」と紹介していたとおり、すべて日没前の青空でピークを迎えるので夜間の月面Xはありません。

月面Xのピーク日時   高度  日没  方位  b値
× 1月29日(日)11時04分   0°  16:56           
× 2月27日(月)25時11分   0°  17:28    
Δ 3月29日(水)14時38分  47° 17:57 東   -0.73°       
× 4月27日(金) 27時03分  -16° 18:24   
Δ 5月27日(土)14時42分  44° 18:51 東   +0.83°        
Δ 6月25日(日)15時44分  53° 19:05 南東  +1.37°        
Δ 7月25日(火)12時42分  14° 19:04 東南東 +1.55°   
× 8月23日(水)23時52分   -26° 18:21          
× 9月22日(金)11時45分  -7° 17:36                
× 10月21日(土)24時27分 -30° 16:51    
Δ 11月20日(月)14時09分  15° 16:22 南東  +0.14°  
× 12月19日(火)28時36分 -49° 16:20   
(注:上記日時はあくまでも晴れスター的独自予報です。)
 b値:月面上で太陽が真上から照らす地点の月面緯度

青空の中の月面Xは月のコントラストが低いのでなるべく月高度が高い方がいいのですが、一番高度が高くなる6/25でも53°ですので条件としては良くありません。3/29と5/27は50°にも達しないので透明度が悪かったり湿度が高かったりすると判別不能になってしまう可能性があります。

 7/25と11/20は月高度がかなり低く撮影はほぼ無理なので撮影可能日は、3/29、5/27、6/25の3回のみです。夜間の月面Xが無いのはさみしいですが、青空の中の月面Xを頑張って撮影することにしましょう。


 こちらは今年撮影した月面Xフォトで~す。
1月10日 13時31分撮影 撮影時高度23° (予想ピーク時刻 12時18分)

2022/1/10 13:30:59 miniBORG60n ASI290MC  Shutter=0.751ms Gain=151 (25%) 8sec

1月10日 14時31分撮影 撮影時高度34°  (予想ピーク時刻 12時18分)

2022/1/10 14:30:59 EVOSTAR80ED ASI290MC  Shutter=0.501ms Gain=287 (47%) 60sec



3月10日 16時06分撮影 撮影時高度67°(予想ピーク時刻 16時47分)

2022/3/10 16h06m28s µ210 D810A ISO400 1/160sec

3月10日 17時09分撮影 撮影時高度75°(予想ピーク時刻 16時47分)

2022/3/10 17h09m59s µ210 ASI290MM Shutter=3.406ms Gain= 319 (53%) 60sec 40% of 1407flames



5月9日 17時48分撮影 撮影時高度69°(予想ピーク時刻 17時58分)

2022.5.8 17h48m36s µ210 ASI290MC Shutter=2.282ms Gain=298 (49%) 30sec 30% of 2904flames

5月9日 18時52分撮影 撮影時高度68°(予想ピーク時刻 17時58分) 

18h52m19s BORG60n ASI290MC Shutter=3.688ms Gain=106 (17%) 15sec 30% of 946flames


あれ!?今年撮影に成功した月面Xは3回ですが、すべて青空の中の月面Xでした~。(^^ゞ
モノクロカメラを使うと夜っぽい月面Xになるので昼夜はあまり気にしなくてもいいかも…

2023年に見える細~い月(有明の月)

2022年11月30日 | 「見たい天体現象」
 2023年見たい天体現象の第2弾「来年見える細~い有明の月」で~す。
↓ 有明けの月は9月25日に輝面比0.01の撮影に成功したのでアーカイブを更新しました。

月齢28.4 輝面比0.01 (新月24時間39分前)撮影高度8°(日の出29分前)

2021.11.4 5:36:41 SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO2000   f7.1  1/160sec


月齢28.5 輝面比0.01 (新月25時間33分前)撮影高度4°(日の出33分前)←NEW

2022.9.25 4:52:45 SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO1000   f9  1/40sec


月齢28.4 輝面比0.02(新月27時間21分前)撮影高度8°(日の出33分前)

2013.12.2 6:01:21 BORG60 Powermate2× ISO400 1/2sec


月齢28.4 輝面比0.02(新月28時間18分前)撮影高度4°(日の出40分前)

2016.1.9 6:13:40 BORG60 Powermate2× ISO800 1/5sec


月齢28.1 輝面比0.03(新月40時間33分前)撮影高度12°(日の出26分前)

2020.11.4 5:50:34 BORG60 Powermate2× ISO640 1/20sec


 さて、来年見える細~い有明の月データは下記のとおりです。
輝面比は太陽出の時刻で比較してあります。

2023年新月前日  月出 太陽出 月高度   新月まで  輝面比 月齢
  1月21日(土) 06:27 06:49 2.435°  23時間04分 0.0144 28.5
  2月19日(日) 05:55 06:22 3.577°  33時間44分 0.0300 28.0
  3月21日(火) 05:34 05:39 0.237°  20時間44分 0.0106 28.6
  4月19日(水) 04:27 04:55 4.731°  32時間18分 0.0230 28.1
  5月19日(金) 03:50 04:22 5.014°  20時間31分 0.0082 28.6
  6月17日(土) 02:59 04:11 11.593°  33時間26分 0.0197 28.1
  7月17日(月) 03:20 04:25 9.635°  23時間07分 0.0087 28.6
  8月15日(火) 03:12 04:49 15.942°  37時間49分 0.0223 28.1
  9月14日(木) 04:07 05:16 12.026°  29時間24分 0.0136 28.4
  10月14日(土) 04:56 05:43 8.013°  21時間12分 0.0075 28.8
  11月12日(日) 04:47 06:13 14.063°  36時間14分 0.0241 28.1
  12月12日(火) 05:53 06:42 6.749°  25時間50分 0.0142 28.5
 

 ふむ、ふむ、2023年の究極に細い有明け月は10月14日(輝面比0.75%)のようですね。有明の月は月齢を見ても細さが分かりにくいのでランキングで表すと下のようになります。ご参照を~

〈2023年細い有明の月ランキング〉*条件的にキビシイ観望不可日は除いてあります。
 第1位 10月14日(土)輝面比0.75% 新月21時間12分前(日出時刻)太陽離角 9゚10'
 第2位 5月19日(金)輝面比0.82% 新月20時間31分前(日出時刻)太陽離角 9゚51'
 第3位 7月17日(月)輝面比0.87% 新月23時間07分前(日出時刻)太陽離角 10゚49'
 第4位 9月14日(木)輝面比1.3% 新月29時間24分前(日出時刻)太陽離角 13゚02'
 第5位 12月12日(火)輝面比1.4% 新月25時間50分前(日出時刻)太陽離角 13゚31'

 これまで新月まで24時間を切る有明の月は撮影したことがないのでランキングのベスト3に入っている10/14、5/19、7/17のどれかは撮りたいですね。といってもすべては天気の神様しだいですが、天気予報に惑わされることなく準備だけはしっかりしておくことにしましょう。

 「新月の日に月を撮影しよう!(有明け月編)」は条件が悪いので該当なしです。
次回の見たい天体現象は「月面X」を予定していま~す。

2023年に見える細~い月(月齢1)

2022年11月24日 | 「見たい天体現象」
2022年も残すところあと1か月あまり、みなさん今年も年末が来ましたよ~。

 …ということで、年末恒例の「来年見たい天体現象」シリーズの始まりで~す。
で、第1弾は、新月の翌日に見える儚くも神秘的なお月様「来年見える細~い月(月齢1)」です。

 2022年は2回ほど撮影に成功したので月齢1前後のお月さまアーカイブを更新しました。残念ながら月齢0.9の月は撮影できませんでしたが、月齢1.1は初記録なのでご覧ください。

新月から21時間17分後の月(月齢0.9)撮影時高度 3.1°(日没14分後)日没時月高度9.2°

2010年4月15日 18時46分  f100mm F6.0 D50 ISO800 1/4(トリミング)

新月から25時間14分後の月(月齢1.0)撮影時高度 3.0°(日没40分後)日没時月高度9.4°

2016年12月30日 17時06分  SE200N 直焦点 D90 ISO400 1/13

新月から25時間29分後の月(月齢1.0)撮影時高度 2.6°(日没32分後)日没時月高度7.6° NEW

2022年8月28日 18時46分 D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f550mm ISO1250 F9 1/40sec

新月から27時間12分後の月(月齢1.1)撮影時高度 3.0°(日没35分後)日没時月高度10.2° NEW

2022年4月2日 18時36分 D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO1250 F8 1/10sec


新月から31時間13分後の月(月齢1.3)撮影時高度 9.5°(日没21分後)日没時月高度13.5°

2009年2月26日17時48分 SE200N 直焦点 D70 ISO200 1/10

 アーカイブを見ると月齢1.2がありませんが、実は2022年には月齢1.2の月を見る機会が一度もありませんでした。不思議な感じがしますがその年によって偏りがあるのでたまたまそうだったようです。

 では、2023年の「月齢1前後の超スリムなお月さまが条件よく見える日データ」を見てみましょう。2023年 新月翌日の日没時刻(仙台市)・日没時月齢・日没時月高度は下記のとおりです。


 ふむふむ、来年は月齢0.9が1回だけありますが日没時の月高度が1.6°なので観望は不可ですね~。月齢1.0は2回あるので、これが来年見られる一番細い新月翌日の月となりますね。
 
 月齢1.2は2回ほどありますがどちらも日没時の月高度が10°以上あるのでキレイに見えることでしょう。来年新月翌日の細~い月を見るチャンスは4回しかないというのは例年に比べるとかなり少ない感じがします。ぜひ晴れてほしいですね。

 さて、こちらは番外企画「新月の日に月を撮影しよう!(夕月編)」の基本データです。
2023年はチャンスが3回あるようです。

*最近インターネット上で惑星カメラを使用して日中に太陽を遮蔽して新月直後の月を撮影した写真を見かけます。それも一つの方法ですが、危険が伴いますので、晴れスタ的には日没後に見える月の限界を極めたいと考えています。今のところは… (^^ゞ


2022年見たい天体現象「2022年に明るくなる彗星」☄

2021年11月27日 | 「見たい天体現象」
2022年見たい天体現象シリーズの第7回目は「2022年に明るくなる彗星」です。

 天文年鑑の「近く訪れる彗星」には、2022年に肉眼等級まで明るくなる彗星として「C/2021 A1(Leonard)」「C/2017 K2(PANSTARS)」「C/2021 O3(PANSTARS)」 の3つを紹介しています。

 このうち、現在接近中のC/2021 A1(12月13日に地球に0.23AUまで近づいて3等級まで明るくなると期待されている)は1月以降日本で見えなくなるので「 C/2017 K2(PANSTARS)」と「C/2021 O3(PANSTARS) 」について掘り下げてみたいと思います。


エントリー№ 1 「 C/2017 K2(PANSTARS)」
 C/2017 K2 は2017年5月21日にPan-STARSサーベイ1.8m望遠鏡で発見された彗星。この彗星の標準等級はH10=+0.5等と明るく大型の彗星(推定直径36km)であることが分かっている。この明るさは1997年に明るくなったヘールボップ彗星の標準等級H10=-3.0等には及ばないが歴代5位に入るほどの明るさである。

 ちなみに歴代1位はC/1729P1 とヘールボップ彗星の-3等級、歴代2位はC/1577 V1と C/1811 F1 の 0等級で歴代3位はC/1743 X1 Great Comet の+0.5等級である。ヘールボップ彗星は別格だが標準等級が+2~3等級もあればかなりの大型彗星なので、 C/2017 K2 はグレートコメットに匹敵する大きさと言える。

 これは期待できると言いたいが、そううまくいかないのが世の常で、C/2017 K2 は近日点距離が1.80AUと大きく、さらに太陽を挟んで地球から遠いところで近日点を迎えるので観測条件がヘールボップの時のように良くない。
 
 日本からは7月にへびつかい座で見えて9月にはさそり座に南下して10月以降は地平線下に沈んで見えなくなる。2022年末に5等級まで明るくなる予報が出ているが、日本では9月下旬に南西の空で日没後に5等級後半の明るさで見えるかどうかと言ったところ… ほうき星は水物なので大化けすることを期待したい。


エントリー№ 2 「C/2021 O3(PANSTARS)」
 C/2021 O3 は2021年7月26日にPan-STARSサーベイで発見された彗星。その後の継続観測で標準等級はH10=9.5等くらいと見積もられている。4月21日に太陽に0.28AUまで近づき4月26日頃から日没後の西空で見えるようになる。4月26日の予報光度は4.2等級となっている。5月8日には地球に0.60AUまで近づくがその時は6.1等級まで暗くなる予報になっている。

 5月1日19時30分には水星とプレアデス星団に5°まで接近するので大化けしていれば素晴らしい眺めになるので期待したい。5月以降はペルセウス座を通り北天へ大きく移動していき、5月中旬にはかなり暗くなるが周極星となって一晩中観測できるようになる。


現在接近中の「C/2021 A1(Lonard)」についてはただ今撮影計画を練っているところですが月の位相と天気がマッチするかが最大の課題で~す。