晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

小惑星2013 TX68

2016年02月07日 | 隕石・小惑星
久々の小惑星接近情報です。
2月4日付け SpaceWeather.com  Near Earth Asteroids によると2016年3月5日に直径30mサイズの小惑星2013TX68が地球近傍16,000km付近を通過していくようです。


小惑星2013TX68は天文年間で今年もっとも接近する小惑星と紹介されていましたが、天文年間では「2016年3月5日ごろに43万kmほどに接近する。この小惑星は同じ時期に月にも約10万kmまで接近する。」とあった。(*地球最接近日 2016年3月5.3日、*月最接近日 2016年3月5.1日)

SpaceWeather.comでも当初(2016.1.8)は最接近距離1.3LDと紹介していた。


その接近距離が43万kmから16,000kmまで変化したことは、かなりの驚きです。なにが起こっているのか分かりませんが、今後の情報を待ちたいと思います。

小惑星2013TX68 は典型的なアポロ型小惑星です。今回の接近は地球軌道の内側から近づいてくるため、事前に観測をすることはできません。地球最接近後に観測可能となります。ひょっとしたら、地球最接近直後に双眼鏡でその動きをとらえることができるかもしれません。



今回の小惑星接近で特筆すべきは接近距離もさることながら、その大きさです。静止衛星軌道の1/2の距離に30mの小惑星が近づくことはそうそうあることではありません。人類に驚異を与えることはないと思いますが、今後の推移を見守ることにしましょう。

接近小惑星ランキング(距離編)
■ 1位 5,480km(0.03LD) 2011.2.4 (2011CQ1)* 2m
■ 2位 12,000km(0.05LD) 2011.6.26(2011MD)* 10m
■ 3位 14,000km(0.05LD) 2009.11.6(2009VA)* 6m
■ 4位 16,913km(0.044LD) 2016.3.5(2013TX68) 30m
■ 5位 26,908km(0.07LD) 2013.12.23(2013YB) 2m
■ 6位 27,700km(0.09LD) 2013.2.16(2012DA14)** 58m
□ 7位 38,000km(0.1LD ) 2008.11.3(2008VM) 4m
□ 8位 40,000km(0.1LD ) 2014.9.7(2014RC) 19m 
□ 9位 72,000km(0.2LD ) 2009.3.2(2009DD45)* 35m
□ 9位 72,000km(0.2LD ) 2014.3.6(2014EC)* 10m
□10位 76,000km(0.2LD ) 2009.3.18(2009FH) 21m
□10位 76,000km(0.2LD ) 2009.10.22(2008UM1) 2m
□11位 79,000km(0.2LD ) 2010.9.8(2010RF12)* 9m
□12位130,000km(0.3LD ) 2010.1.30(2010AL30)*18m
□12位130,000km(0.3LD ) 2013.2.5(2013CY32)* 10m 
□13位153,000km(0.4LD ) 2014.3.6(2014EF)* 7m 
□14位190,000km(0.5LD ) 2009.2.2(2009CC2) 12m 
□15位248,000km(0.6LD ) 2010.9.8(2010RX30)* 16m
□16位266,000km(0.7LD ) 2009.6.1(2009KR21) 21m
□17位342,000km(0.9LD ) 2009.3.6(2009EW) 23m
□17位342,000km(0.9LD ) 2009.10.17(2009TM8) 17m
□17位342,000km(0.9LD ) 2014.3.5(2014DX110)* 31m

■<GEO = 35,786 km、□<1 LD = 384,401 km

小惑星2014RC

2014年09月07日 | 隕石・小惑星
今夜、直径20mサイズの小惑星がニュージ-ランド上空40,000km付近を通過していくようです。
9月4日付のSpaceWeather.comに記事が載っていたので要約してみました。

<WEEKEND ASTEROID FLYBY:Thursday, Sep. 4, 2014>
今週末、ハウスサイズの小惑星2014RCが静止衛星軌道付近を通過していきます。

直径20mサイズの小惑星が最接近する時刻は、9月7日18時18分UT(9月8日02時18分JT)、
ニュージーランド上空40,000kmを通過します。接近時の様子は下記ダイアグラムを参照ください。

この小惑星が地球に衝突する可能性はありません。

小惑星2014RCは8月31日、アリゾナ・ツーソンにあるカタリナ・スカイ・サーベイによって発見されました。翌日ハワイ・マウイにあるPan-STARRS 1 telescopeにて確認され、軌道計算によってこの小惑星が火星軌道の外側から来ていることが分かりました。

再接近時には、うお座付近で11.5等級程度まで明るくなるのでアマチュア天文家でも観測できます。さすがに肉眼では見えませんが、CCDカメラを装着した望遠鏡では簡単にその軌跡を追うことができます。2014RCは今後も定期的に地球に接近する軌道を描きますが、将来的に地球に衝突する可能性はないことが確認されています。

ふ~むふむ、接近距離0.1LD(40,000km)は、接近小惑星ランキングでは7位になります。
19mという直径は2012DA14(58m)ほどではありませんが、接近する小惑星としては、
かなり大きい方ですね。

接近小惑星ランキング(距離編)
■ 1位 5,480km(0.03LD) 2011.2.4 (2011CQ1)* 2m
■ 2位 12,000km(0.05LD) 2011.6.26(2011MD)* 10m
■ 3位 14,000km(0.05LD) 2009.11.6(2009VA)* 6m
■ 4位 26,908km(0.07LD) 2013.12.23(2013YB) 2m
■ 5位 27,700km(0.09LD) 2013.2.16(2012DA14)** 58m
□ 6位 38,000km(0.1LD ) 2008.11.3(2008VM) 4m
□ 7位 40,000km(0.1LD ) 2014.9.7(2014RC) 19m 
□ 8位 72,000km(0.2LD ) 2009.3.2(2009DD45)* 35m
□ 8位 72,000km(0.2LD ) 2014.3.6(2014EC)* 10m
□ 9位 76,000km(0.2LD ) 2009.3.18(2009FH) 21m
□ 9位 76,000km(0.2LD ) 2009.10.22(2008UM1) 2m
□10位 79,000km(0.2LD ) 2010.9.8(2010RF12)* 9m
□11位130,000km(0.3LD ) 2010.1.30(2010AL30)*18m
□11位130,000km(0.3LD ) 2013.2.5(2013CY32)* 10m 
□12位153,000km(0.4LD ) 2014.3.6(2014EF)* 7m 
□13位190,000km(0.5LD ) 2009.2.2(2009CC2) 12m 
□14位248,000km(0.6LD ) 2010.9.8(2010RX30)* 16m
□15位266,000km(0.7LD ) 2009.6.1(2009KR21) 21m
□16位342,000km(0.9LD ) 2009.3.6(2009EW) 23m
□16位342,000km(0.9LD ) 2009.10.17(2009TM8) 17m
□16位342,000km(0.9LD ) 2014.3.5(2014DX110)* 31m

■<GEO = 35,786 km、□<1 LD = 384,401 km

小惑星2014DX110・2014EF・2014EC

2014年03月09日 | 隕石・小惑星
月軌道内側を立て続けに3つの小惑星がフライバイしたようです。
以下3月5日付&3月6日付のSpaceWeather.comの記事…。

<ASTEROID FLYBY:Wednesday, Mar. 5, 2014>
本日、直径は30mの小惑星2014DX110が月軌道の内側を通過していきます。
最接近距離は地球上空350.000kmですので衝突の危険性はまったくありません。

2014DX110 Details 19 m - 43 m H=25.7(絶対等級)
2100 UT on 2014, March 05. peak magnitude ~14.8等級

<ANOTHER ASTEROID FLYBY: Thursday, Mar. 6, 2014>
昨日3月5日に小惑星2014DX110が月軌道の内側0.9LDを通過したばかりですが、本日、
ここ数日で2回目となる小惑星による月軌道内フライバイが起こります。今回通過する小惑星2014ECは直径が10m、最接近距離は月軌道の内側わずかに0.2LDです。しかし、地球に対して脅威を与えることはありません。NASAの観測によると月軌道の内側に入る小惑星は年間20数個に達します。

ふ~むふむ、Near Earth Asteroidsを見ると同日3月6日にもう一つの小惑星2014EFが
0.4LDのところを通過しているようですね~。0.2LDは76,880kmですので接近小惑星ランキング(距離編)上では7位タイです。

こちらは2014DX110の軌道図

青ラインは公転軌道面南側を水色ラインは公転軌道面北側を示しています。
つまり小惑星2014DX110は南半球地球軌道外側(夜空側)から進入して
北半球地球軌道内側へと駆け抜けたことになります。発見は2月28日、
フライバイ5日前です。

こちらが2014ECの軌道図

22014ECは北半球地球軌道外側から進入したことが分かります。
発見はフライバイの前日、3月5日です。

そしてこちらが2014EFの軌道図

驚くほど2014ECと軌道が似ています。発見も2014ECと同日の3月5日です。

2つの小惑星の公転軌道図を並べてみるとほぼ同じです。
遠日点距離が若干違うだけのようです。

ひょっとするともともとは同一天体だったのが分裂したものかもしれません…。

奇しくも同日の3月6日にニューメキシコとカナダのイエローナイフで大きな火球が目撃されました。
ニューメキシコ州でThomas Ashcraftが撮影した動画→movie
イエローナイフでYuichi Takasakaさんが撮影した写真→Photo1Photo2
「この2つの火球と2014EC通過の関連性はなくランダムに突入する散在流星だと思われます。」と記事はまとめています。

ふ~む、単なる偶然と言えばそれまでですが、進入経路が北半球の夜側なので2014ECと2014EFの破片?ということも有りうるのではないでしょうか?

接近小惑星ランキング(距離編)
■ 1位 5,480km(0.03LD) 2011.2.4 (2011CQ1)* 2m
■ 2位 12,000km(0.05LD) 2011.6.26(2011MD)* 10m
■ 3位 14,000km(0.05LD) 2009.11.6(2009VA)* 6m
■ 4位 26,908km(0.07LD) 2013.12.23(2013YB) 2m
■ 5位 27,700km(0.09LD) 2013.2.16(2012DA14)** 58m
□ 6位 38,000km(0.1LD ) 2008.11.3(2008VM) 4m
□ 7位 72,000km(0.2LD ) 2009.3.2(2009DD45)* 35m
□ 7位 72,000km(0.2LD ) 2014.3.6(2014EC) 10m 
□ 8位 76,000km(0.2LD ) 2009.3.18(2009FH) 21m
□ 8位 76,000km(0.2LD ) 2009.10.22(2008UM1) 2m
□ 9位 79,000km(0.2LD ) 2010.9.8(2010RF12)* 9m
□10位130,000km(0.3LD ) 2010.1.30(2010AL30)*18m
□10位130,000km(0.3LD ) 2013.2.5(2013CY32)* 10m 
□11位153,000km(0.4LD ) 2014.3.6(2014EF) 7m 
□12位190,000km(0.5LD ) 2009.2.2(2009CC2) 12m 
□13位248,000km(0.6LD ) 2010.9.8(2010RX30)* 16m
□14位266,000km(0.7LD ) 2009.6.1(2009KR21) 21m
□15位342,000km(0.9LD ) 2009.3.6(2009EW) 23m
□15位342,000km(0.9LD ) 2009.10.17(2009TM8) 17m
□15位342,000km(0.9LD ) 2014.3.5(2014DX110) 31m

■<GEO = 35,786 km、□<1 LD = 384,401 km

小惑星2014AA

2014年01月03日 | 隕石・小惑星
新年あけましておめでとうございます。

いつも、このブログを見てくださっているみなさん、ありがとうございます。
今年もたま~にアップしていきますので、本年もよろしくお願いします。

新年早々、小惑星が地球に衝突した…というNEWSが入ってきました。
SpaceWeather.comに記事が載っていますので、何が起きたのか読み解くことにしましょう。

以下1月3日付のSpaceWeather.comの記事…

<SMALL ASTEROID HITS EARTH>
「2014年になって最初に発見された小惑星2014AAが1月2日地球の大気圏に突入しました。このスモール・カー・サイズ(3m)の隕石は、カラカス(ベネズエラ)の約3,000km東方の大西洋上に落下しました。西オンタリオの大学のピーター・ブラウン教授によって解析された超低周波不可聴音レコードによるとこの隕石のエネルギーはTNT火薬500~1000トン分相当となります。しかしながら、この衝突は地球に被害を与えない程度の小さなインパクトに値します。」

*0.001LDは384kmであり、ISS軌道(420km)より低いことになる。

ふ~むふむ、どーも小惑星として発見登録されたあとに地球に衝突したようです…。
これが事実としたら、2008TC3(***)に続く史上2番目の大事件ではないでしょうか?
なぜ発見された時点でニュースにならなかったのでしょう?

「SKY&TELESCOPE」にもNEWSが載っていましたので要約してみました。

<Small Asteroid 2014 AA Hits Earth>:Posted by Kelly Beatty, January 2, 2014
「ニュー・イヤーズ・イブに発見された小惑星、発見から25時間後に地球に衝突。」
アリゾナ・レモン山望遠鏡で地球に接近する小天体の観測を年末も休まず続けていたリチャード・コワルスキーが現地時間の12月31日17時16分(1月1日01時16分UT)オリオン座の北で19等級の小惑星を発見しました。

その後、この小惑星が2014年最初の発見だったことを知ることになるが、その時点ではこの小惑星が地球に50,000km以内に近づくことは誰も知らなかった。

1月2日の早い時間にMPCが「2014AAが地球に衝突することはほぼ間違いない」ことをアナウンスする。大気圏突入は大西洋のどこか(中央アメリカと西アフリカの中間地点をむすんだライン上)になること、衝突時刻は1月2日02時30分、つまり本日の朝であることを発表した。


西オンタリオ大学のピーター・ブラウン教授の解析によると大気圏突入地点は西経40度、北緯12度、カラカス(ベネズエラ)の約3,000km東方の大西洋上付近であると分析される。


隕石のエネルギーはTNT火薬500~1000トン分相当であり、大きさはスモール・カー・サイズ(3m)程度。これは、チェリヤビンスクとは比べ物にならないほど小さな物体である。小さすぎるため隕石として地上(海上)に落下する可能性は極めて小さいと思われる。落下地点の天気はよい状態だったが目撃報告はない。



ブラウン教授の解析によると落下は3時(UT)を少し過ぎたころだと考えられている。このことはコワルスキーのMPC報告から22時間後に地球にインパクトしたことになる。今回のことは5年前の2008TC3を思い出させる、まさにデジャブといえる出来事である。2008TC3は発見の19時間後にインパクトしました。発見した望遠鏡も同じです。ただ違うことは2008TC3のときは1日前に警告が出され、衝突までにたくさんの観測がなされたが、今回は年末年始だったこともあり、警告も観測もされていない点です。

ふ~むふむ、…ということは年末でなければ2008TC3のときのように事前にアナウンスがあったということですね。NEOsの職員はこの知らせに気づくのが遅くなったことに対し責任を感じているようですが、気にすることも無いと思うのですが…、もっとも小惑星が地球内側軌道から接近すれば、そもそも発見することは不可能ですからね~(チェリヤビンスクのように青空の中からやってくる小惑星を発見する方法はいまのところ無い)。

12月23日にも直径2mの小さな小惑星がニアミスを起こしています。

接近距離0.07LDはランキングとしては4位になります。わぉ!

接近小惑星ランキング(距離編)
■ 1位 5,480km(0.03LD) 2011.2.4 (2011CQ1)* 2m
■ 2位 12,000km(0.05LD) 2011.6.26(2011MD)* 10m
■ 3位 14,000km(0.05LD) 2009.11.6(2009VA)* 6m
■ 4位 26,908km(0.07LD) 2013.12.23(2013YB) 2m
■ 5位 27,700km(0.09LD) 2013.2.16(2012DA14)** 58m
□ 6位 38,000km(0.1LD ) 2008.11.3(2008VM) 4m
□ 7位 72,000km(0.2LD ) 2009.3.2(2009DD45)* 35m
□ 8位 76,000km(0.2LD ) 2009.3.18(2009FH) 21m
□ 8位 76,000km(0.2LD ) 2009.10.22(2008UM1) 2m
□ 9位 79,000km(0.2LD ) 2010.9.8(2010RF12)* 9m
□10位130,000km(0.3LD ) 2010.1.30(2010AL30)*18m
□10位130,000km(0.3LD ) 2013.2.5(2013CY32)* 10m 
□11位190,000km(0.5LD ) 2009.2.2(2009CC2) 12m 
□12位248,000km(0.6LD ) 2010.9.8(2010RX30)* 16m
□13位266,000km(0.7LD ) 2009.6.1(2009KR21) 21m
□14位342,000km(0.9LD ) 2009.3.6(2009EW) 23m
□14位342,000km(0.9LD ) 2009.10.17(2009TM8) 17m

■<GEO = 35,786 km、□<1 LD = 384,401 km

今回のことは史上2番目という珍しい出来事でしたが、2~3mの大きさの小惑星が地球に衝突する割合は年間5~10個程度なので、観測精度が高くなっている現在、2014AAのように落下する前に番号登録されることが多くなるかもしれませんね。

小惑星2012 DA14 ~観望記録~

2013年02月16日 | 隕石・小惑星
現在時刻は午前2時30分…、そろそろ仮眠から
抜け出して出かける準備をする時間です。ふう…、まずはWEBチェックです。

うひょ~、昨日のRUSSIAN METEORの動画がたくさんUPされてます。
ほひょ、TVニュースでは分からなかった爆発音の詳細が聞けるぞ~。

おっと、そんなことをしている時間はありません。お天気チェックです。

ふむふむ、GPV予報ではよくありませんね~。

予定観望時間はコップ座を通過する4時20分から薄明開始の4時58分まです。

う~ん、5時になると宮城県内で晴れている所がほとんどなくなります。

この天気では、自宅付近は当然無理なので、…プチ遠征です。
県北東部か石巻か県南海岸沿いか…、悩みます。

わぉ、時刻は3時15分です。プチ遠征となれば出かけなければならない時間です。
とりあえず、出発しましょう。機材は双眼鏡2個(ニコンとユーコン)と三脚とカメラセットのみ。
本日のねらいはズバリ、移動する小惑星を眼視で見ることなので、機材は最小限です。

出発時刻は3時40分、目指すは県北東部…、と思ったのですが東北自動車道に入った途端に「富谷JC-一関間雪スリップ」が出てるので、仙台北部道路→三陸道→石巻方面に変更です。外は雪が降ってます。

松島近辺は雪でしたが、矢本に入り晴れてきました。南の空にさそり座が見えます。
石巻河北で降りて、45号線を少し南下して…、田んぼ道に降りて観測場所決定です。

急ぎましょう! 時刻は4時40分です。4時20分から5分おきの2012DA14の位置をプロットした星図をみて位置確認です。すでにコップ座はとうに過ぎて、しし座の後ろ足に来ています。

晴れてはいますが、ものすごい強風です。典型的な冬型の気圧配置です。小惑星確認方法はいつもの待ち伏せ作戦にしましょう。この時間だと4時45分の位置で、しし座の恒星 77σLeo(後ろ足のひざ)付近です。うまい具合に半円状の星並びがあります。現在この中を通過中のはずです。早速探しましょう!


~現在捜索中~

おっ、微弱移動光点発見…、ふ~むこれは人工衛星です。ほぼ水平に左へ進んでいます。

~再度捜索中~

おっ、おおっ、発見しました!! 移動しています! かなり暗い(推定7等級)ですが、
しし座のふともも方向へ向かって微弱光点が移動しています! ついに発見です!

ふ~む、予想より移動速度は遅いですね~、もう少し速く動くのかと思っていました。28,000kmかなたを通過する直径50mの小惑星が今、夜空をリアルタイムで移動しています。
感動です…。

こんな感じに見えました。

使用機材はNIKON 7×50、ユーコンの30倍では見えませんでした。

写真も撮りました。強風でカメラがふらついてしまいましたが一応写りました。

2012DA14ファーストライトです。

2013.2.16 4:59:08 NIKON D90 ISO3200 f200mm F6.3 30sec

30秒露出

2013.2.16 4:59:47 NIKON D90 ISO3200 f200mm F6.3 30sec

15秒露出

2013.2.16 5:00:31 NIKON D90 ISO3200 f200mm F6.3 15sec

10秒露出

2013.2.16 5:00:58 NIKON D90 ISO3200 f200mm F6.3 10sec

8秒露出

2013.2.16 5:01:19 NIKON D90 ISO3200 f200mm F6.3 8sec

13秒露出

2013.2.16 5:01:49 NIKON D90 ISO3200 f200mm F6.3 13sec

最後にもう一度見ようと思って双眼鏡で探しましたが、見つけることはできませんでした。
薄明が始まっていたので双眼鏡の限界等級を超えたのかもしれません。

とにかく風が強く、実際の気温は-2℃でしたが体感温度的には限界の寒さだったため、
これにて観望会はお開きとなりました。めでたし、めでたし…。

小惑星2012 DA14

2013年02月10日 | 隕石・小惑星
2012 DA14の最接近日(日本時間16日4持25分)が近づいてきました。
小惑星2012 DA14とはどのような小惑星なのかまとめておきましょう。

こちらは2012 DA14の軌道図

地球と金星の間に軌道をもつアテン群です。

今回の接近距離は、静止衛星軌道の内側27,700km…、


南半球方面から北半球へかけ上がっていきます。

接近距離27,700kmは、ランキング的には4位ですが…、
特筆すべきは小惑星の大きさです。なんと58mもあります。

接近小惑星ランキング(距離編)
■ 1位 5,480km(0.03LD) 2011.2.4 (2011CQ1)* 2m
■ 2位 12,000km(0.05LD) 2011.6.26(2011MD)* 10m
■ 3位 14,000km(0.05LD) 2009.11.6(2009VA)* 6m
■ 4位 27,700km(0.09LD) 2013.2.16(2012DA14) 58m
□ 5位 38,000km(0.1LD ) 2008.11.3(2008VM) 4m
□ 6位 72,000km(0.2LD ) 2009.3.2(2009DD45)* 35m
□ 7位 76,000km(0.2LD ) 2009.3.18(2009FH) 21m
□ 7位 76,000km(0.2LD ) 2009.10.22(2008UM1) 2m
□ 8位 79,000km(0.2LD ) 2010.9.8(2010RF12)* 9m
□ 9位130,000km(0.3LD ) 2010.1.30(2010AL30)*18m
□ 9位130,000km(0.3LD ) 2013.2.5(2013CY32)* 10m 
□10位190,000km(0.5LD ) 2009.2.2(2009CC2) 12m 
□11位248,000km(0.6LD ) 2010.9.8(2010RX30)* 16m
□12位266,000km(0.7LD ) 2009.6.1(2009KR21) 21m
□13位342,000km(0.9LD ) 2009.3.6(2009EW) 23m
□14位342,000km(0.9LD ) 2009.10.17(2009TM8) 17m

■<GEO = 35,786 km、□<1 LD = 384,401 km

直径58mという大きさは、月軌道内に接近した小惑星ではもちろんワールドレコードです。
これまでの最高は2009年3月2日にフライバイした2009DD45の直径35m、距離72,000kmです。

今回の2012DA14は接近距離も大きさも大幅に更新しています。2009DD45の時は、1時間に25°*という速さで空を駆け抜けていきましたが、2012DA14は1時間で60°も移動します。

2009DD45は11等級でしたが、2012DA14は7等級まで明るくなると予想されています。肉眼では無理ですが双眼鏡を使えば夜空を移動していく様子を見ることができるかもしれません。

2009DD45は16日未明に西の空を駆け上がります。晴れたら挑戦してみることにしましょう。

2月16日04時25分(最接近時)の位置

小惑星2013 CY32

2013年02月08日 | 隕石・小惑星
来週末に接近する2012 DA14の最新情報はないかな~と思って
SpaceWeather.com(2月8日付)を見ていたところ…、はて?

Near Earth Asteroids情報に、昨日までなかった接近小惑星(2013CY32)
がアップしてあります。しかも日付は過去形の2月5日です。

2月8日付SpaceWeather.com

昨日のSpaceWeather.comを見てみると…、確かに載ってません。

2月7日付SpaceWeather.com

いったいこれは、どういうことでしょう?

…ということでNASAのJPL Small-Body Database Browserで調べてみました。

ふむふむ、これはアステロイド・ベルトからやってくる典型的なアポロ群のようですね~。

地球接近の様子を見てみましょう。

2月4日(最接近2日前)


2月5日(最接近1日前)


2月6日(最接近直後)


2月7日(2013CY32発見当日)


な~るほど、太陽方向から接近してきたため地球軌道通過後の2月7日に発見となったわけですね~。昼間の方向から接近する直径10mの小惑星が地球軌道通過後に発見されたというケースは過去にもありました。

今回の地球接近距離は130,000km程度なのでぶつかる心配はありませんでしたが、
もし、直径10m程度の小惑星がぶつかったら地球はどうなるのでしょう? 

直径10mの小惑星が地球に衝突しても街を破壊するほどの威力は全くありません。が、
スラウェシ島の大火球(**)のように爆発音と隕石落下を伴う太い永続痕を空に残します。

地球に接近する小惑星はけっこうあるようですね。クワバラ、クワバラ…。

ASTEROID FLYBY:2011 MD

2011年06月26日 | 隕石・小惑星
明日の夜、小惑星が地球のすぐそばを通過するようです。

以下、SpaceWeather.comの記事より

[ASTEROID FLYBY]Sunday, Jun. 26, 2011
6月22日に発見された小惑星2011MDは6月27日午前9時30分(東部標準時間)、
地球に再接近します。その距離は地表からわずか12,000kmです。

NASAの分析によると地球への衝突の可能性はないそうです。
しかしながら、接近距離が近いので地球通過後は小惑星軌道が
大きく変わると予想されています。

再接近時は南極大陸近くの南大西洋上空を通過します。

小惑星は静止衛星の内側に入りますが衛星と衝突する可能性は
ほとんどありません。しかし、ゼロではありません。

小惑星の大きさはその明るさから5m-20mと見積もられています。
この大きさの小惑星が地球に近づく可能性は平均して6年に1回です。

この小惑星は中型望遠鏡で観測できる明るさになると思われます。

<補足説明>
この小惑星の軌道は驚くほど地球軌道と似ていますが、地球と衝突する
可能性はほとんどないそうです。次に接近するのは2022年だそうです。

実は、今回の接近は取り立ててアナウンスするほど大きいものではありません。
2011MDより小惑星が接近したことは過去3回ほどあります。

2011 CQ1(2011 Feb))0.000079AU(
2004 FU162(2004 Mar)0.000086AU
2008 TS26(2008 Oct)0.000090AU

しかし、直径が10mであることを考えると2011MDは、今までに
接近した小惑星では最も大きなものだと言えるそうです。

この小惑星は接近時に11等級まで明るくなると予想されています。
すでに12.5等級まで増光していることが観測されています。
これは20cm望遠鏡で十分観測できる明るさです。

再接近の2時間半前(14:30UT)に東南アジア、中国東部、日本、オーストラリア
で観測できるそうです。再接近後は太陽に向かうので観測は難しくなります。

天気がよければ撮影に挑戦したいところですが、明日は全国的に雨のようです。
こちらはスペインのRafael Ferrandoさんが6月25日に撮影した画像です。→Photo

小惑星2011 CQ1 - Very Close Approach

2011年02月06日 | 隕石・小惑星
2月4日19時35分(UT)、小さな小惑星が地球近傍をかすめていきました。

その距離は、なんと…、5480km! 衝突しなかった小惑星としては
もちろん最接近距離のワールドレコードだそうです。わぉ!

小惑星2011 CQ1が発見されたのは最接近のわずか14時間前、
カタリナスカイサーベイの0.68mシュミットカメラで発見されました。

発見時は19等級、大きさは2~3m、最接近距離は11,855 km(0.03LD)
と見積もられていました。これは静止衛星軌道(36,000km)の内側です。

この距離でも近年まれに見る大接近ですが、実際は5480kmという、
まさに手を伸ばせば届きそうな高さをかすめて行ったそうです。

5480kmという距離は地球半径の0.85倍です。衝突しなかったのが不思議なくらいです。

あまりにも地球に近づいたのでフライバイ後は地球引力の影響を受けて軌道が60°も変わり、
アポロ型小惑星からアテン型小惑星に変わってしまったそうです。
(アポロ型小惑星は軌道長半径が1天文単位以上、アテン型は1天文単位以内)

この小惑星の実際の大きさは当初の見積もりよりも小さく、1~2m程度だそうです。
この大きさの小惑星が発見されることは非常に希で今回は偶然発見されたということです。

実は、この大きさの小惑星は地球近傍には10億個以上あって、平均すると2~3週間に
1個の割合で地球にヒットしているそうです。大気圏に突入しても被害を及ぼす大きさでは
ありません。隕石となって地面に落ちることもほとんどないサイズだそうです。


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地球をかすめる奇妙な小惑星(
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MISSISSIPPI FIREBALL

2011年01月15日 | 隕石・小惑星
1月11日にミシシッピー州で隕石落下を伴うと思われる大火球が目撃されました。
以下1月15日付spaceweather.com の記事より

「ミシシッピー州で目撃された大火球」
1月11日午後8時45分(中部標準時間)何かがものすごいスピードで
空を横切り爆発する様子をアメリカ南東部の多くの住人が目撃しました。

爆発で発生した低周波音は遠くカナダでも検出されました。
西オンタリオ大学のモニタリング・ステーションのデータから
この爆発は自然現象であることが明らかとなっています。
「これは1メートルサイズの重さにして1トン以上の大きさの大火球です。
爆発の威力はTNT火薬40~80トン分あると思われます。」NASA気象環境
オフィスのビルクックは述べます。「この火球は1つの大きな岩石で構成
されていると思われますます。隕石となって地上に落下した可能性は高い
と言えます。」

目撃者の分析を行った隕石ハンターのロブ・マトソンによると
隕石はミシシッピー州中部のジャクソン市付近に落下した可能性
があるそうです。該当地域に住んでいる方は足下の石を注意して
見てください。
現地のニュース映像はこちら→KATC News Video of Meteor Flash of Light 1 11 11

〈補足説明〉
今回目撃された緑色の火球はミシシッピー州だけでなくアーカンソー州、
ルイジアナ州、アラバマ州、フロリダ州でも目撃されています。

監視カメラの映像を見るとその様子から隕石落下を伴う規模で
あることは容易に想像できます。米国中西部の大火球とほぼ
同じ規模だと思われます。
今後の続報を待ちましょう。