晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

小惑星2008TC3

2008年10月08日 | 隕石・小惑星
その情報が跳び込んできたのは10月7日の午前11時頃…
「あと1時間以内に小惑星が地球に激突する!」
なんだって~!地球はどうなるの~!いったいどこに落ちるの~?

昨日、突然降ってきた小惑星地球衝突騒動…!?
いったい何が起きたのか?時系列にまとめてみました。

10月6日06時30分(世界時UT)←10月6日14時30分(日本時間)
地球に接近する小天体を観測しているカタリナ・スカイ・サーベイ
のアリゾナにあるレモン山望遠鏡が小惑星を発見する。

10月6日付のSpaceWeather.comのWhat's up in Spaceの記事…
「2008TC3と名付けられた小惑星が地球に向かっている。この小惑星が地球に衝突する確率は今のところ99.8%以上である。NASAのジェット推進研究所のスティーブ・チェスリーによると、この小惑星は10月7日02時46分(UT)、日本時間10月7日11時46分にスーダン北部から紅海付近で大気圏に突入する見込み。大きさは数メートルであるため、住民が被害を受けたり地域が破壊されることはない。しかし、TNT火薬数キロトンのエネルギーがあるため大気中で火球となって爆発、崩壊するだろう。このサイズの小惑星は数ヶ月に一度の頻度で地球に衝突しているが、衝突する前に発見されるのは人類史上初めてのことである。」

ふむふむ…少なくとも地球の終わりではないようですね。
さっそく世界中の天文台で観測が始まったようです…

イタリアのRemanzacco天文台
地球から17万kmまで接近した2008TC3の撮影に成功。10月6日20時30分(UT)

CAST天文台
地球から15万kmまで接近した2008TC3の撮影に成功。10月6日21時10分(UT)

カナダのキュベック
2008TC3の撮影に成功する。10月7日01時32分(UT)
この撮影者は撮影時間のわずか10分間の間に2008TC3のスピードと方向が
著しく変わったことに「Amazing!!」と叫んだようです。
なにしろ衝突の1時間前ですからね~、すごい光景だったことでしょう…。


このニュースが日本のネット上に配信されたのは10月7日午前11時40分…
衝突のわずか6分前です。

配信したwebはTechnobarnサイエンス…
以下その記事の抜粋。

「小惑星が地球との衝突コース入り、北アフリカに落下の見通し」
【Technobahn 2008/10/7 11:40】小惑星「2008 TC3」が地球との衝突コース入りをしたことが7日、ハーバード大学の発表により明らかとなった。
今回、地球に衝突することが明らかとなった「2008 TC3」は、直径が90~450cmの小型の小惑星で、米東部標準時で6日午後10時46分頃に北アフリカのスーダンの上空で地球の大気圏に突入する見通しだ。
ハーバード大学の観測グループでは、今のところ「2008 TC3」は小さすぎるため、大気圏で燃焼し、地上までは到達しないと見ている。
小惑星の地球と衝突コース入りをしたことが、事前に警告として発表されるというのは今回が初の出来事となる。

そして時刻は02時46分(UT)…

いかに情報社会といってもスーダンに落下した小惑星の情報はすぐには
入らない…。目撃情報はあったのか?隕石の落下はあったのか?

当日の様子は10月7日付のSpaceWeather.comのWhat's up in Spaceの記事にあった…
「小惑星2008TC3は今朝地球に到達。スーダン北部で大気圏に突入して爆発した。ケニヤの空震動観測所ではその衝撃波を記録していた。西オンタリオ大学のピーター・ブラウン教授の解析によると小惑星は02時43分(UT)大気圏に突入、そのエネルギーはTNT火薬1.1~2.1キロトン,幅3メートルの小惑星はそのほとんどが大気中で蒸発したが、数片が隕石となって地上に落下したと見られる。今のところ火球を撮影した情報はない。目撃情報はエールフランスのクルーから報告されている。クルーたちは02時46分ちょうどに、短い閃光を見たそうである。」

ふう~、何事もなかったから良かったものの、小惑星の大きさがこの10倍だったら
アリゾナのツーソンにあるクレーターと同じものができていたはずです…。

余談ですが、警戒レベルの小惑星は現在988個あるそうです。
その中に月までの距離(38万km)より近づくものはありませんが、
10月29日には116mの大きさの小惑星が4.1LD(1LD=380,000km)の
ところをかすめていくそうです。頻繁に地球近傍を通過しているとは驚きですね。


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