goo blog サービス終了のお知らせ 

晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

波照間島、石垣島の火球騒動

2010年10月03日 | 隕石・小惑星
2010年10月1日20:15分頃、石垣島、宮古島、鳩島、波照間島
などの広い範囲で大きな火球が目撃されたようです。

この第一報が入ったのは10月2日(土)02時19分、
日本火球ネットワークの掲示版に次のような報告が寄せられた。

「極軌道の人口衛星墜落か?
2010年10月1日20:15分過ぎ、波照間上空で火球が飛んだとの情報を得た。
今現在私の確認できた人数を報告する。3人の大人と2人の児童が波照間島の
北村で同時に見ている。学校の近くで2人大人が同時に見ている。単独で見て
いる物が3人。音のみ聞いた者でも私を含めて6人はいる。」

この話題は地方紙にも記事として載っています。

この写真は石垣島観光WEBサイトの「管理人のつぶやき
Twitter」に載っています。→WEB

この火球は台湾でも目撃され大きなニュースになっています。

台湾の元記事はこちら→東台神秘火球

この記事にもあるようにこの火球の正体は10月1日18時59分
(日本時間19時59分)に中国が打ち上げたロケットの1段目、
または2段目が落下したものと思われます。

Image credit: CCTV
このロケットは中国の健康記念日である10月1日に打ち上げられた
長征三号丙(CZ-3C)で、中には月周回探査機「嫦娥2号」が搭載
されています。

石垣島天文台のスカイモニターカメラは打ち上げ時の閃光を
捉えていました。→石垣島天文台

この写真も石垣島観光WEBサイトの「管理人のつぶやきTwitter」
に載っています。

それにしても物騒な話ですね。特に台湾ではまさに真上を通過
しているので、トラブルがあれば巻き込まれる可能性大です。

安全性は確立されていると思いますが、長征三号は過去に
重大な事故を起こしたことがあります。

1996年2月14日の初飛行のとき、ロケットは飛行前2秒に誘導の
失敗を被りピッチオーバーし、打ち上げ後22秒で村に墜落して、
インテルサット708衛星が失われ、多数の村人が死亡したという
痛ましい過去があります。

また、2009年に長征3Bが第3段の異常で打ち上げに部分失敗し、
Palapa-Dを計画より低い軌道に投入することになったが、衛星
本体のロケットを噴射して予定の軌道に到達することができた
そうです。しかし、燃料を大幅に使用したため運用期間が予定
より大幅に短くなったということです。

今回、石垣島などで目撃された落下は予定通りのシークエンス
だったのか、燃焼異常が起きて予定より手前の海域に落下したの
かは分からないが、そもそもロケットの射場が海岸ではなく内陸に
あることが問題ですね。


*中国のロケット発射場

中国で人工衛星の打ち上げをしている発射場は甘粛省の
酒泉衛星発射センター、山西省の太原衛星発射センター、
そして四川省の西昌衛星発射センターの3カ所である。

これらの中で静止軌道への打ち上げを行っているのは
西昌のみである。西昌は酒泉や太原より低緯度で、
静止軌道への打ち上げに適した北緯28度に位置している。

西昌衛星発射センターは、西昌市から北西に約60キロ離れた
峡谷の中にあって、海抜約1,500メートルと高地に位置している。

西昌衛星発射センターのある西昌市の位置(赤)

Santander fireball

2010年09月25日 | 隕石・小惑星
中南米コロンビアで大火球が目撃されたのは
9月5日の日曜日、現地時間の午後3時15分頃…、

多くの人がこの大火球の目撃者となった。

現地ニュース映像はこちら→news

現地の情報をまとめると
当初、この火球は隕石の落下ではなく8月31日にISSから
アンドックしたロシアのプログレス貨物船M0-6の大気圏突入では
ないかと思われた。

また、飛行機の墜落という可能性も否定できないため
翌日、1000人を超す調査員と警察によるヘリコプター
捜索をしたが、飛行機等の墜落現場及び隕石の落下地点
等は確認できなかった。

翌日、この火球は人工衛星の落下や飛行機の墜落ではなく
隕石の落下による大火球だと結論づけられた。

〈補足説明〉
この火球の目撃者は多く、大きな衝撃音も聞いているため
隕石の落下に間違いはないと思います。

人工衛星の落下が昼間目撃されることはきわめてまれで、
ソ連のミールが落下した時のビデオの映像でも分かるように
衛星の落下は必ず分解して粉々に砕けるため、今回の写真
を見ても明らかに衛星落下ではないことが分かります。

もし、この写真が本物だとしたら隕石落下を伴う大火球で
あった可能性がかなり高いと思われます。しかし、隕石を
見つけるためには軌道を正確に特定する必要があるので
発見はかなりむずかしいでしょう。

秋は火球目撃情報が増える時期です。そろそろ日本でも
隕石落下の報告があってもいいのですがね~。

New Mexico Fireball

2010年09月24日 | 隕石・小惑星
9月21日の夜(09:01pm MDT)ニューメキシコ州からテキサス州の西部にかけて
長経路の火球が目撃されたようです。

以下9月22日付spaceweather.com の記事より

昨夜、午後9時01分、ニューメキシコ州からテキサス州西部にかけて
大きな火球が空を横切る様子が目撃された。

「我々は、―たぶんその火球が流れた時間だと思うが―、突如
アナウンスルームの電話が鳴り続けたため、その対応に追われる羽目に
なった。」とアルパカーキのKOAT.TVのピーターは述べています。

サンタフェにある屋外全天カメラはその一部始終を捉えていました。
火球の動画はこちら→New Mexico Fireball

「その火球は満月とほぼ同じ明るさで、なんと23秒かけて空を
横切っていきました。」カメラのオペレーターであるトーマス・アッシュクラフトは
さらにこう述べています。「この火球は大きな衝撃音を伴っていました。
それは雷鳴と聞き間違えるほどの音で、多分、家の中にいてもはっきり
聞こえるほどの音だったと思います。」

この火球のもととなった小惑星は、どうやらツインズだったようです。
アマリロ在住のマシューさんは目撃した様子を次のように報告しています。

「午後10時05分CDT、私と妻は西の空から近づいてくる動きの遅い
火球を目撃しました。」その数分後2番目の火球が現れたようです。

「最初の火球を目撃してから7分~8分後、私たちはアマリロ上空で
ほぼ同じ経路に流れる火球を目撃しました。それはまぶしい白色で、
スパークを散らしながら落ちていきました。」

米国宇宙軍はこの時間、衛星の落下及びスペースデブリの落下は
なかったと報告しています。この火球はごくふつうの隕石(2個)が
大気圏中で崩壊した現象だったと思われます。


〈補足説明〉
たしかにビデオを見ると尋常でない長さの火球と言えます。
地球の大気をかすめるグレージングに近い角度での進入だったのかも
しれません。衝撃音が聞こえたことから隕石の落下も考えられます。
今後の続報を待ちましょう。

速報:コロンビアでは真っ昼間に大火球が目撃されたようです。

その詳細は次回のブログで…

Near Earth Asteroids

2010年09月09日 | 隕石・小惑星
9月8日、直径9mと直径16mの小惑星が
地球のすぐそばを相次いで通り過ぎた。

小惑星が月軌道の内側を通過することは特にめずらしいこと
ではないが、短時間の間に相次いで地球近傍を通過する
小惑星が発見されるのは、めずらしいことである。

小惑星「2010RF12」の最接近距離は地球から79,000kmの地点、
小惑星「2010RX30」は248,000kmの地点であった。


2010RF12は下図の軌道で分かるように南半球側から近づき南極大陸
の上空79,000kmの地点をかすめて北半球側へフライバイして行った。

2010RX30は北半球側を直線的に通過し、日本の南海上空、
248,000kmの地点を9月8日18時51分(日本時間)に通過した。

アメリカ空軍の偵察衛星によると10m級の小惑星は平均すると
1.5ヶ月に1回の割合で地球に衝突しているそうです。なにしろ
10m級の小惑星は月軌道の内側を毎日通過しているらしいので…。

10m級の小惑星の絶対等級は27等級前後なので、大型の望遠鏡を
使ってもそう簡単には見つかりません。地球近傍を通過直後に発見
されることは多いが、今回のように通過前に見つかるのは希なこと
のようです。

毎年、9月から11月にかけて小惑星が地球に近づく傾向があります。
隕石落下や大火球の目撃も多くなる時期ですの要チェックですね。


~資料~

最近月軌道の内側を通過した小惑星
2008VM 2008.11.03. 4m. 38,000km
2009CC2 2009.02.02. 12m. 190,000km
2009DD45 2009.03.02. 35m. 72,000km
2009EW 2009.03.06. 23m. 342,000km
2009FH 2009.03.18. 21m. 76,000km
2009KR21 2009.06.01. 21m. 266,000km
2009TM8 2009.10.17. 17m. 342,000km
2008UM1 2009.10.22. 2m. 76,000km
2009VA 2009.11.06. 6m. 14,000km
2010RF12 2010.09.08. 9m. 79,000km
2010RX30 2010.09.08. 16m 248,000km

最近地球に衝突した小惑星
2008TC3 2008.10.07. 推定直径3m(TNT 1.1-2.1kt) 5-10/Year 
Alberta大火球 2008.11.20. 推定直径1m(TNT 0.1-0.3kt) mass10t 
Sulawesi大火球  2009.10.08. 推定直径10m(TNT 50kt) 0.1/Year 

関連ブログ→地球をかすめる小惑星

宇宙が隕石で地球を攻撃?

2010年05月03日 | 隕石・小惑星
4月29日、ジャカルタで隕石の落下により突然家が爆発し、両隣の
家まで壊れるという事件が発生し、現地で話題になっています。

当初ガス爆発が原因と思われていたが、辺りが突然明るくなり隕石が落下した
という目撃報告があったことから、専門家の調査が入ることになったようです。

この一報が入ったのは4月30日、

Jakalta Globeが伝えています。

「隕石の落下と信じられている東ジャカルタでの爆破」
(Blast in East Jakarta Believed to Be Meteorite)
ニュース記事はこちら→news
要約すると
「警察と天文学者が隕石による破壊を受けたと思われる3軒の家を調査。
1軒の家は大破、2軒は小破の状態。ガス爆発による破壊の可能性を否定。
隕石はまだ発見されていない、床下にクレーターがあること、熔けた物質が
あることなどを報告…。」

調査の結果この破壊は隕石によるものと確認されたようです。

4月30日付の「Ukrainian Globalist」記事
「宇宙が隕石で地球を攻撃?:Space attacked the Earth by meteorite」

インドネシアの首都ジャカルタで隕石が落下し家を直撃しました。
この宇宙からの飛来物は屋根を突き抜け2カ所の床を破壊して地球に達しました。
その結果、この直撃された家は破壊されてしまいました。隕石は落下と同時に爆発し
さらに2軒の家にダメージを与えました。幸い、家は留守だったため一人の犠牲者も
けが人もありませんでした。

インドネシアNational Instituteの宇宙航空学専門家は落下した隕石の大きさが
フットボールほどだったため、地球に到達するまで見えなかったと説明しています。
科学者はこれは非常に希なケースだと説明しています。なぜなら、このような
小さな隕石は多くが大気中で燃え尽きるため地上に届くことはないからです。

Maria Velikanova
2010-04-30 17:06, Society.
元記事→Web


ふむふむ、落下と同時に爆発したとありますね~。
隕石の大きさはフットボールほど…ですか。

5月1日付の「BERITAJAKARTA.COM」でも
「AeronauticsとSpace(LAPAN)のInstituteは、木曜日(4/29)にDurensawit、
東ジャカルタの3軒の家を破壊した爆発が岩石型の流星によって引き起こされたと
確認しました。 爆破は少し灰色の色にほこりを預けるだけでした。」
と報道されていました。

しか~し、何か腑に落ちません!
これが隕石によるものだとしたら、その隕石はふつうではないように感じます。

なぜなら、こちらのニュース映像をご覧下さい。家の破壊が尋常ではありません。

現地ニュース映像→NEWS

こちらは家の中を撮影したニュース映像→NEWS

これじゃ隕石の破片があったとしても見つかりませんね。屋根に開いた
穴も、隕石の落下によるもなのか、爆発によるもかの確認は難しいのでは
ないでしょうか。疑問点は「フットボールほどの隕石ならば自由落下で家に
到達するので激しい爆発は起こさない」ということです。もし爆発するほど
のスピードを維持していたらこの程度の破壊ではすまされないはずです。

島根県の美保関隕石はまさにフットボールほどの大きさでしたが
屋根と床に穴を開けて床下に転がっていました。

これが本当に宇宙からの落下物だとしたら、ただの隕石ではなく
燃料が残っていたロケット・デブリか、ツングースカに落ちた物と
同じような性質のミニ隕石か?…、謎が深まります。

実は隕石がガスボンベを直撃した…ということも考えられますね。

米国中西部の大火球

2010年04月16日 | 隕石・小惑星
米国中西部のウィスコンシン州で大火球が目撃されました。
以下、4月16日付のSpaceweather.comより

「MIDWESTERN FIREBALL(米国中西部の大火球)
午後10時5分頃(米中部時間)ミネソタ、ウィスコンシン、アイオワ、
イリノイ、ミズーリの各地で緑色の火の玉が目撃されました。

大火球は小惑星が大気圏に突入することによって引き起こされます。
超低周波音の測定値からこの火球のエネルギーはTNT火薬20トン
(0.02Kton)と見積もられています。」

火球の動画→movie
ニュース映像→news

NASAの気象環境学者のビル・クックはこう述べています。
「この隕石の大きさは幅が1メートルほどで重量は約1,260kg、
火球としては、ごく一般的な大きさと言えます。このサイズの
火球は1ヶ月に平均して14個も地球に落下します。その多くは
海や人が住んでいないところに落下するため目撃されません。」

「この火球による隕石の落下があったのか?と言う質問に対する
答えはYESです。かなりの落下があったと思われます。」

〈管理人補足説明〉
ビル・クックさんは一般的と言ってますが、かなり大きな
火球だったようです。目撃報告によると…

「初めに緑色の明るい流星が見えて、空が数秒間青く光り、
直後にいくつかの断片に分裂して流星は消えたそうです。
火球が消える瞬間に空がオレンジになって、辺り一面が
昼間のように明るくなったそうです。見えていた時間は
10-15秒間ほどだったそうです。」

この写真はウィスコンシン州のダウンタウン、マジソンにあるAOSSビルの
屋上のWEBカメラが捉えた火球落下の様子です。

火球が爆発する瞬間の光が飛行機雲を明るく照らしています。
飛行機のコックピットからも見えたのではないでしょうか。

さて、この火球…、すでに隕石が発見されたそうです。わぉ!

隕石ハンターが集結しているそうなので、さらに発見されることでしょう。

アメリカでは落下隕石がオークションに出品されることあるので、落札さえできれば
意外と簡単に購入することができます。


昼間の火球としてニュースになったテキサス州オースチン火球→blog
この時もたくさんの隕石が発見されて話題になりました。

アメリカのe-bayオークションにこの隕石が出品されていたので、
試しに入札したら、手頃な値段で落札できてしまいました。

ニュース映像に映っている昼間の火球が今、手元にあるのですから
すごい時代になりましたね。

ハンガリーの大火球

2010年03月07日 | 隕石・小惑星
ハンガリーで大火球が目撃されたようです。

2010年2月28日23時25分頃(現地時間)ハンガリー共和国で辺りを
真昼のように照らす大火球が空を横切り、多数の人に目撃されました。

この火球はポーランド南部とスロバキアからも見えたそうです。

動画はこちら→VIDEO1
夜空がフラッシュする動画→VIDEO2

元記事→index
地元テレビニュース→NEWS

落下地点はハンガリーとスロバキアの国境付近と考えられています。


かなり高い確率で隕石が落下していると思われます。

その後の情報を待ちましょう。

2010AL30

2010年01月13日 | 隕石・小惑星
大荒れになるかと思った天気は…、日没とともに回復して、
ふ~む、意外にも満天の星空となりました。驚きです。

ということで、2010AL30の撮影に挑戦してみました。

まず、ステラナビに軌道要素を入力して2010AL30の位置を
表示します。2010AL30は移動速度がとにかく速いので、
焦点距離1000mmの望遠鏡では4分弱で視野から外れます。

追尾は不可能なので、今回の作戦はずばり「まちぶせ作戦」
です。(いや~、原始的な方法で、お恥ずかしい限りです)

ターゲットは最接近して明るくなる時刻21時16分、おひつじ座の
2つ並んだ星(8等星)の間です。ここを通過するはずです。

上の図は21時16分30秒の位置です。2010AL30は2つの星の
間をすり抜けて、右ななめ下に向かって移動します。

余裕を見て、3分前から撮影開始です。20cm反射望遠鏡、
焦点距離は1000mm、F5です。カメラはISO3200まで
感度を上げて、20秒露出で連続撮影です。うまくいけば
その中の1枚に写るはずです。

果たして、結果は…

写っていません!

14枚ほど撮影したのですが、どこにも写っていません…
やはり14~15等の小惑星はCCDでなければ写らないのでしょうか。

今回は接近距離が13万kmなので観測地の設定を正確にしないと
小惑星の位置は正しく出ません。そのため視野から外れてしまった
可能性も十分あります。

いや~、2010AL30を見ることも撮影することもできなかったけど、
実に楽しい時間でした。22時以降は娘とM42やリゲル、すばる、
もうすぐ爆発するベテルギウス、明るくなった火星などを見て楽しみました。

250倍で見た火星は北極冠がはっきり見えてとてもきれいでした。
今日は模様があまり見えない日ですが、気流が意外と良かったので
眼視でかすかに模様を確認することができました。めでたし、めでたし…

地球をかすめる奇妙な小惑星

2010年01月12日 | 隕石・小惑星
奇妙な小惑星が地球をかすめるようです。

以下spaceweather.com(January 12, 2010)の記事より

「地球をかすめる奇妙な小惑星:
奇妙な物体(小惑星?)が地球から僅か13万kmの地点を通過しようと
しています。これは月-地球間の1/3にあたる距離です。

直径が10mクラスと予測されているこの小惑星(2010AL30)の公転周期は、
ほぼ1年と計算されています。このことから、この物体は小惑星ではなく
過去に打ち上げられたロケットの破片である可能性が浮上しています。

1月13日の最接近では14等級の明るさで、オリオン座からおうし座、うお座へ
とものすごいスピードで移動していきます。 経験豊富なアマチュア天文家は
ぜひこのフライバイをモニターしてください。


〈管理人補足説明〉
またしても小惑星が月軌道の内側に入り込んで地球をかすめます。
今回の距離は130,000kmですので、驚くほど近いというわけでは
ありません。Blog→地球をかすめる小惑星

しかし、今回の物体は小惑星ではないかもしれないという予測がされて
います。正体は過去に地球から打ち上げられたロケットの破片では…、
と言うのだが、この物体の大きさは11m-25m、速度が9.94km/secである。
破片と言うには物体が大きすぎます。サターンⅤの三段目(全長17m)
という可能性はあるかもしれませんが…

この小惑星が地球に最接近するのは1月13日12時48分(UT)、距離は
0.00086AU(129,060km)、明るさは14等級である。最接近の時刻は
日本時間で、21時48分となり日本は観測できる好条件にある。


上図のように19時~20時頃おうし座付近、21時頃くじら座付近、22時頃
うお座付近とものすごいスピードで駆け抜けていく。光度は14等級なので
条件が良ければ中型望遠鏡で十分撮影できる明るさだ。問題は天気である。
あまり良くない予報である。

詳しい位置推算はこちら→IAU Minor Planet Center

南アフリカ・ハウテン州の大火球

2009年12月02日 | 隕石・小惑星
2009年11月21日22時52分頃、南アフリカ共和国の
ハウテン州で大火球が目撃されました。

飛行コースは南方向から北進。南アフリカ共和国上空を通過し、
ボツワナ共和国とジンバブエ共和国の国境付近で落下したもよう。

火球の動画はこちら→movie1movie2
夜空が昼のように明るくなる動画はこちら→movie3

movie1の動画はあたかも火球が地面に到達しているかのように見えますが、
実際はどうだったのでしょうか。

その後の報告はまだありませんが、突入速度を維持したまま地面に激突して
クレーターを作ることはなかったように思われます。

隕石は大気圏に突入すると減速され、やがて自由落下運動を始めます。
自由落下運動になる高度を減速点と言いますが、その高度は隕石の重量で
決まります。

0.1t~1000tの隕石が地球に対して垂直に突入したとすると、その速度は
秒速40kmになります。その場合1t未満の隕石は減速点が16km~8kmとなります。

隕石の重さが10tになると、地表面付近で完全に減速されます。そして
100t級になると秒速20kmを維持したまま地面に突入しクレーターを作ります。
1000t級では秒速26kmで突入することになり、より大きなクレーターを生成します。

アリゾナ州キャニオンディアブロの隕石孔のような直径1200mのクレーター
を作るには、10万トンの鉄隕石が落下しなければならないようです。

そのようなクレーターを作る規模の巨大隕石落下を人類はまだ見ていません。
(もっとも、そのような隕石落下を見た時は人類最後の時かもしれませんが…)

今回の隕石は見た感じ10t程度と思われます。これはカナダのアルバータ隕石と
ほぼ同じ規模になります。→blog1 blog2

隕石が落下したことは確実ですが、現地の情報は今のところ何も入っていません。
続報を待ちましょう。