日頃、畏敬しております作家の早乙女貢さんがさる12月23日に82歳で他界されました。心よりお悔やみ申し上げます。<o:p></o:p>
早乙女貢さんは大正15年1月1日に旧満州ハルピンで生まれ、帰国の後、日本ペンクラブの理事を勤めつつ著作活動を続け、昭和43年には「倭人の檻」で直木賞を受賞しました。「北条早雲」「おけい」「沖田総司」「竜馬を斬った男」「明治の兄妹」など数多くの歴史小説を著作されました。また曾祖父が会津藩士として戊辰戦争を戦った事を背景に、帰苔泣血(きたいきゅうけつ)の文学として結実させたのが、ライフワークであった「會津士魂」幕末編13巻および明治編8巻でした。彼はここに官製の正史に対する疑念を強烈に提示し、戊辰戦争の敗者の視点に立って日本の近代化の歴史の再検証を試みました。その「會津士魂」を私は何度も読み、ブログに書き続けているテーマのいくつかは、この本から着想を得たものです。早乙女さんは寡黙でいつも和服を着用し、筋の通った生き方を貫いた古武士のような方でした。<o:p></o:p>
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