将棋のプロ棋士とコンピューターの戦を将棋電王戦といいます。過去の経過は次の通りです。
第1回 2012年 米長永世棋聖対 コンピューター: コンピューター 勝ち
第2回 2013年 プロ5人対 コンピューター: 3対1(1持将棋)コンピューター 勝ち
第3回 2014年 プロ5人対 コンピューター: 4対1 コンピューター 勝ち
最終 2015年 プロ5人対 コンピューター: 3対2 プロ 勝
最終戦の第5局が去る4月11日に行われました。勝負が始まってから僅か49分、21手で
コンピューター・ソフト「AWAKE」が投了し、阿久津主税八段が勝ちました。この日の正午のNHKのテレビの全国放送でこの結果が報じられました。見ていた私は、何が起きたのかわかりませんでした。この棋戦では、プロの戦績が5勝10敗1引き分けであり、コンピューターがプロ棋士を圧倒していました。米長邦雄永世棋聖、三浦弘行八段、森下卓九段、屋敷伸之九段も負けています。
阿久津八段にすれば、プロ棋士の面目にかけてなんとしても勝ちたかった、結果を出した
かったと思われます。今回の電王戦・finalの詳細が決まった時、ルールにより、棋士に
コンピューター・ソフトが貸し出されました。一方、「貸し出しの後、本番までソフトの修正
は認められない」というルールもありました。阿久津八段は、ある特定の局面(下図)に誘導するとソフトは悪手、「2八角打」と指す事を発見していました。この角は数手先に、取られる運命にあるので、人間は指さない手です。阿久津八段にすれば、「勝利を目指すための最善手だったと思うが、やや邪道な戦術をとったことについて葛藤があった」ことを明かにしました。もっともなことです。
相撲にたとえると、大関が苦手の相手と対戦する時に立ち合いで変化して、はたきこみで破るのを連想します。はたきこみで敗れる力士が未熟なのですが、観戦している者には物足りない感じが残ります。今回の将棋の勝負もこれと似たところがあるように思われます。
プロが勝ちに拘るのは当然のことです。研究を積んで、勝ち筋を見つけて実行する、何も
問題はありません。大横綱、白鵬にしても、対戦相手をよく研究した上で勝ち、勝ち星を
積み重ねてきました。
第1回 2012年 米長永世棋聖対 コンピューター: コンピューター 勝ち
第2回 2013年 プロ5人対 コンピューター: 3対1(1持将棋)コンピューター 勝ち
第3回 2014年 プロ5人対 コンピューター: 4対1 コンピューター 勝ち
最終 2015年 プロ5人対 コンピューター: 3対2 プロ 勝
最終戦の第5局が去る4月11日に行われました。勝負が始まってから僅か49分、21手で
コンピューター・ソフト「AWAKE」が投了し、阿久津主税八段が勝ちました。この日の正午のNHKのテレビの全国放送でこの結果が報じられました。見ていた私は、何が起きたのかわかりませんでした。この棋戦では、プロの戦績が5勝10敗1引き分けであり、コンピューターがプロ棋士を圧倒していました。米長邦雄永世棋聖、三浦弘行八段、森下卓九段、屋敷伸之九段も負けています。
阿久津八段にすれば、プロ棋士の面目にかけてなんとしても勝ちたかった、結果を出した
かったと思われます。今回の電王戦・finalの詳細が決まった時、ルールにより、棋士に
コンピューター・ソフトが貸し出されました。一方、「貸し出しの後、本番までソフトの修正
は認められない」というルールもありました。阿久津八段は、ある特定の局面(下図)に誘導するとソフトは悪手、「2八角打」と指す事を発見していました。この角は数手先に、取られる運命にあるので、人間は指さない手です。阿久津八段にすれば、「勝利を目指すための最善手だったと思うが、やや邪道な戦術をとったことについて葛藤があった」ことを明かにしました。もっともなことです。
相撲にたとえると、大関が苦手の相手と対戦する時に立ち合いで変化して、はたきこみで破るのを連想します。はたきこみで敗れる力士が未熟なのですが、観戦している者には物足りない感じが残ります。今回の将棋の勝負もこれと似たところがあるように思われます。
プロが勝ちに拘るのは当然のことです。研究を積んで、勝ち筋を見つけて実行する、何も
問題はありません。大横綱、白鵬にしても、対戦相手をよく研究した上で勝ち、勝ち星を
積み重ねてきました。