yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

はんだ付け

2014-08-23 04:22:30 | 文化
かつて、ラジオ大好き少年であった私は、今もはんだ鏝を持っています。使う機会はあまりありませんが。
はんだ付けの技術は人類が金属を使い始めた青銅器時代にまで遡ることを聞き驚きました。紀元前3500年にはペルシャで銀製の置物がろう付けによって作られたそうです。また、メソポタミアの時代に食器である銅ボールに銀製の取手をはんだ付けされていた例があります。この例でははんだの組成が錫、銅、銀であったことがわかっています。この組成は、現代の鉛フリーはんだと同じです。この技術を5000年前に達成した人類の偉業に驚かされます。古代においては鉛が貴重品であり、実用に至っていなかったそうです。青銅器や銀、金などの装飾品には当然ながら多くの接続法が開発されており、ローマ時代の多数の作品が見つかっています。既に、共晶はんだ組成である錫、鉛組成のはんだも見つかっています。また、黄河文明、紀元前1000年の殷の遺跡から青銅器が出土しており、この時代にはすでに西方文明が東方に伝えられており、はんだ付けも行われていたと考えられます。日本では江戸時代の文献に「鑞付け」が記録されています。
 その後、ラジオ・テレビの時代が来ると、はんだ付けで電子回路を組み立てることが盛んに
なりました。私もその一人でした。この後、プリント基板を用いた電子実装の時代がきてはんだ鏝は過去の物となってしまいました。鉛が有害物質であることから鉛フリー化が進み、錫、銀、銅の合金系はんだが主流になってきました。

菅沼克昭 「はんだ付けの歴史」 電気学会誌 Vol.134 No.8


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