ある歌人が講義の中で詩歌を詠む心得を「論語」を引用して述べました。「論語」の「為政篇」に「子曰ク、詩三百、一言以ツテ之ヲ蔽フ、曰ク思ヒ邪無シ」とありますが、これは「詩経の三百篇をただ一言で包みこめば思いに邪(よこしま)がないこと」を意味します。即ち「純な心で詠む大切さ」を作歌の心得とするようにと教えたそうです。
紀元前に中国で書かれた「詩経」「論語」を含む四書五経は後世に伝わり、朝鮮、日本など中国周辺の国家の倫理道徳の形成に多大な影響を与えました。このように、中国三千年の倫理道徳の古典が、今なお私共の心に受け継がれているのです。経済的に超大国となった中国の指導者層は、これらの尊い文化遺産の価値を深く認識し、誇りを持って、邪な思いの無い大国としての役割を果して欲しいものと思います。
紀元前に中国で書かれた「詩経」「論語」を含む四書五経は後世に伝わり、朝鮮、日本など中国周辺の国家の倫理道徳の形成に多大な影響を与えました。このように、中国三千年の倫理道徳の古典が、今なお私共の心に受け継がれているのです。経済的に超大国となった中国の指導者層は、これらの尊い文化遺産の価値を深く認識し、誇りを持って、邪な思いの無い大国としての役割を果して欲しいものと思います。