山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

本づくり

2010-02-05 03:59:57 | くるま旅くらしの話

昨日はちょっぴり疲れが出たのか、昼寝をしなかった所為なのか、21時過ぎに寝たのですが、ゴールデンタイム(私の場合は、0時から3時まで)にも目醒めず、気がついて時計を見た時は5時となっていました。6時半には所用があって出かけなければならず、ブログの掲載は諦めることにしました。何しろ寒い朝で、玄関を開けて外を見たら、車の屋根に3センチほど雪が積もっていました。雪を払い除けたりしているうちに時間不足となり、とても書いている時間が足りません。と言うわけでサボりとなったわけです。

昨日まで本づくりに追われました。本づくりというと、何か味噌とか酒を造るようなトーンがしますが、私の本づくりは真正正銘の本(=ブック)作りのことです。今日はちょっとそのことに触れて見たいと思います。

物を作るということに関しては、私は殆ど無力という感じで、旅車なども自分の手で修理をしたとか、何か新しいものを付加したなどということは殆どありません。辛うじてTVのアンテナを見よう見真似で取り付け、TVが見られるようにしたことと、車内で使う踏み台兼用の収納箱3個を木材で作った程度です。これらもその道に優れた方から見れば、まあ、かなり低いレベルの出来具合ではないかと思います。懸命に作っても、家内のコメントに「よく出来たわね」というのは一度もなく、「ここはもう少しこうしたら、ああしたら」というばかりです。したがって物づくりのやる気は益々減退の一途というわけなのです。といっても、家内の所為ではなくもともとアバウトをベースに生きてゆくのが最上と思っているところがあり、緻密な計算や正確性の求められる物づくりには向いていない種類の人間なのでありましょう。

そのような種類の人間なのですが、何故か物を書くということに関しては、苦手意識はなくそれを苦と思ったこともありません。物づくりも物書きも人間の持つ表現本能の現われの一つだと思いますが、物づくりはイメージなどではなく実体そのものを生み出すことですから、アバウトに生きる自分には到底できることではなく、その分それを具現している人を尊敬せずにはいられません。

ところで仕事をリタイアした後に、物書きを始めたのですが、これは最終的には本のようなものにまとめる必要があります。つまり実体が必要なのです。リッチであれば、その部分は専門家に頼めば良いのでしょうが、か細い経済の年金くらしでは、それは不可能です。それで見よう見まねで自分の書いたものを冊子にまとめることを始めたのでした。

これは物づくりの領域に入るものであり、それが苦手な自分にとっては、結構大変なのです。くるま旅の記録を冊子にまとめ出してから数年が経ち、この間に作成した冊子は20冊ほどになりました。しかし満足のゆく出来具合というわけにはゆかず、欠点ばかりの作品です。でもこれは記録として残すのが目的なのだから、体裁や多少の誤字・落丁があっても仕方ないと、まあ、これ又アバウトな考えで対処していたのでした。

ところが、今回は有料で頒布することを前提に自著を刊行しようと思い立ったわけで、これは単なる記録の作成レベルでは許されないものだろうという思いを強くしたのでした。しかし、本づくりのノウハウなど特に持っているわけでもなく、ネットで取り寄せた簡単な手づくり用の製本器(用紙を挟んで糊付けするだけの機能)しか頼りになるものはなく、あとは自分自身の不器用な手をどうなだめ、活かすかということしかありません。悪戦苦闘の時間を過ごしたのでした。

私の本づくり工程は、①用紙の選定(表紙、写真用紙、本紙など)②印刷(表紙、本紙、写真、その他)③印刷後の本体部分の糊付け④背表紙の貼り付け⑤表紙(表、裏)の貼り付けの5つの工程に大別されます。

先ず用紙の選定ですが、いつもならば普通のコピー用紙でそのまま気にもせず両面に印刷するのですが、今回はカラーコピーを入れるため、最初普通の用紙でやってみてこれは変更しなければダメだと思い、厚手の紙を探しました。しかし田舎のこの辺ではなかなか見つからず、都心の専門店に行かなければならないのかと思っていたところ、ようやく両面のカラー印刷に耐えるのが見つかり、まあ、何とかなったという次第です。(最初の版は、用紙のまだらの使用となっています)表紙は思いっきり厚手にしたかったのですが、これ又なかなか見つからず、次善と思えるもので妥協しました。

次は印刷ですが、これはパソコンの画面をプリンターでアウトするだけの話なのですが、本当は書籍の印刷物らしくするためには、左右のページを余白の大きさを変えて作成するのがベターなのですが、そのためには偶数と奇数ページの余白を変更しなけばならず、後工程の手間ヒマが大変なので、どのページも余白は左右同一として作ることにしました。印刷の方は、プリンター任せですが、印刷の仕方によっては、用紙の補給やインクの取替え作業などが面倒です。黒字の印刷をしているのに、他の色のインクまで消耗するのは、メーカーの陰謀に違いないと思いながらのアウトプットでした。

印刷が終わると、本の表紙を除いた本体部分の糊付けをします。この作業には製本器が活躍します。先ずは本体の用紙を揃えて、製本器に挟むのですが、今回の場合一度に出来るのはたった3冊分なのです。小さな器具なのでそれ以上は無理なのです。3冊分を製本器に挟んで、背の部分に鋸で数箇所の切込みを入れた後、背の部分全体を木工用のヤスリで削って平らにした後、木工用ボンドを背の部分全体に薄く塗ります。これで冊子としての核がしっかりしたものとなるのです。一度に3冊というのは、たった15冊作るのにも5回もの作業を繰り返さなければならず、結構忍耐の要る仕事です。

これが終ると、冊子の背を少し時間をかけて乾かし、その後に背表紙を付ける作業に入ります。先ずは本紙の背に近い部分をホッチキス止めします。今までは50枚くらいしか止められなかったホチキスだったのを、今回は思い切って150枚くらいまで止めることができるものを購入して、これからに備えました。この後が背表紙の糊付け作業なのですが、これが結構大変なのです。印刷した背表紙を決めた幅に切り揃え、これを予め折らなければなりません。背の印刷文字に沿って厚みのある狭い幅の紙を折るという作業はそうそう簡単ではありません。悪戦苦闘しながら織り込み、それらに糊を塗って背表紙を作りあげます。

その後は表表紙と裏表紙の貼り付け作業ですが、もうここまで来ると一挙に楽しみが膨らみます。一冊ずつ本が生まれるのを見ることが出来るからです。全部の作業が終了した後は、念のため重石をかけて本をしっかりしたものとなるようにします。これで作業は完了です。

このようにして20冊の本を作るのに20時間以上がかかることになります。1冊1時間もかかるというのは、何でも効率性を求められる今の世では、極めて珍しい仕事ぶりではないかと思っています。20時間も連続してそればっかりやっているわけにはゆきませんので、結局のところ3日くらいは振り回されることになります。

作りながら、やっぱりA4判というのは扱いにくいだろうなという思いが次第に強まって、何とかB5判に切り替えることにしました。それぞれに一長一短があるとは思いますが、よりコンパクトな方が扱いやすいだろうと、これからはB5判のものをベースとしてお頒けすることにしました。

これら一連の作業を通して今感じていますのは、折角手づくりなのだから、もう少し手づくりらしさを感じられる本にしたいということです。当初は旅の記録をベースにしていたものを、今度は一般の出版物を倣(なら)おうとしたわけですが、結局それでは一般の本に勝つのは愚か追いつくことも出来ず、手にされた方の満足を頂くには至らないような心配が残ってしまいます。もっと独自性のある本にしたいなと思います。本づくりの作業は、苦手ですが、今回初めてまともに取り組んでみて、課題が何かに気づいた感じがしています。次の版がいつになるのかは判りませんが、今度作るときには、今のものとは少し違ったものにしなければならないと思っています。最初にお求め頂いた方には申し訳ないのですが、本の内容そのものは勿論変わることはありませんので、これは本づくりの話なのだということでご理解を頂きたいと思います。

そう言うわけで昨日は少し疲れてこの記載をサボってしまったのでした。

 

「山本馬骨のくるま旅くらし読本」発行のご案内

この度、前著「くるま旅くらし心得帖」の続編として、自作による「山本馬骨のくるま旅くらし読本」を刊行しました。副題を「60歳からのくるま旅くらしの楽しみ方」として、くるま旅くらしの意義、考え方、楽しみ方の理屈や事例などを紹介することにしました。又付録として、くるま旅くらしに関する何でもQ&Aを付加しました。これからくるま旅くらしを始めようとされる方には、これ一冊で旅の要領の凡そがお解かり頂けると思います。手作りですので、初版は20冊です。1冊1000円(送料・振込手数料込み)でお頒けいたします。

ご希望の方は、メールpdl-taku.9930@themis.ocn.ne.jpにて〒、住所、氏名、冊数をご記入の上お申し込み下さい。お支払いは、同封の振込用紙にて最寄の郵便局にてお振込下さい。メールのPdll はLの小文字です。

※より詳しく内容をお知りになりたい方は、私のホームページ「山本馬骨のくるま旅くらし元帳」にアクセスしてご覧下さい。アクセスはこのブログの右側にあるブックマーク欄から出来ます。

 

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