山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

ウトロの海難事故遭難者を悼む

2022-04-26 01:00:13 | くるま旅くらしの話

 とんでもないことが起こったと、そのニュースに驚いた。26名も乗った知床の遊覧船が海難事故でその行方を捜査中だという。そしてその後11名が発見され、残りの方は見つからないという。今頃の彼の地の海はまだ冬が収まっておらず、寒く冷たかろうに。はるばると憧れの知床観光に胸を弾ませて各地からやって来た人たちは、恐らく思いもよらぬ出来事に、理由(わけ)も分からぬままに一瞬にして天国から地獄へと突き落されたに違いない。真に悼ましい、心痛む出来事に、ただ只ご冥福を祈るのみである。

 舟が出発したウトロの港は、傍に道の駅があり何度も訪ねたことがあり、港の中にはオロンコ岩やゴジラ岩などの巨岩・奇岩があり、カモメの鳴き声と共に印象に残る場所で、オロンコ岩には、ウトロに行く度にそのてっぺんに上り岩の上の僅かな平地に尚生き残っている何種類かの植物たちのを観るのが楽しみだった。時にはその中にトリカブトの紫の花を見つけて驚いたこともあった。そこから見下ろす観光船の発着場所はちんまりとしていて、ああ、あそこから知床岬の方への観光船が出て行くのだなあと思ったものだった。

岩を降りてゴジラ岩の傍を通って、観光船の乗り場まで行ったこともあるのだが、自分は船という奴が苦手で、幾ら知床の岬へ行けば熊やクジラが見られるのだといってもそれに乗る勇気はなく、大勢で乗りこむ人たちに敬意を表したものだった。

 ウトロは知床観光の基地とも言える場所だが、自分たちは船に乗ることを考えたことは一度も無く、いつも少し上の方にあるネイチャーセンターを訪ね、その先のフレぺの滝近くまで往復して野草たちの花を愛でるだけだった。この後もそれで充分なのだと思っている。

 それにしてもこの度の海難事故は何と言うことなのだろう。数々の疑問が浮かぶ。未だ船の所在も判らず、行方不明の方も多いのだから何とも言えないけど、この事件は様々な意味での警鐘を鳴らしている感じがしてならない。徹底的にその真因を究明し、全国の同様の観光地で、このような事件が起こらないよう再発防止を図らなければならないと思う。今回の事故の最大の要因は船の運航管理のあり方にあることは自明だが、問題はそれだけでは済まされないもっと多面的なものではないか。そのように思わずにはいられない。

 何はともあれ、船や行方の知れない方々が一日も早く見つかり、事件の真相が明らかになることを願わずにはいられない。そして冷たい海に命を奪われた方々のご冥福を心から祈念したい。コロナ禍などでもう3年以上もウトロをご無沙汰しているのだが、今回懐かしい土地の名をとんでもない痛ましい事件で思い出すことになるなんて、悲しく残念なことだ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 桜満開となる  | トップ | マルベリー街道を独り占め »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

くるま旅くらしの話」カテゴリの最新記事