山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

秋空に映える花と実

2011-11-14 05:52:43 | その他

  数日前、ようやく我が家の皇帝ダリアが咲き出しました。この花が咲き出すと秋が一段と深まったのを実感します。皇帝ダリアは別名木立ちダリアとも呼ばれるメキシコ原産の花です。背丈が3mほどですが、条件が良ければそれを超える高さとなり秋になるとダリアの良く似た花をたくさん咲かせます。その数は半端ではなく、最盛期には毎日20個以上の大輪の花で青空を飾るのです。

 

   

咲き始めた皇帝ダリア。今年は旅に行っている間の台風で折れてしまったので、一度は諦めていたのだが、気を取り直して花を咲かせてくれたのが嬉しい。

 

 我が家では、何年か前に九州への旅をしました。宮崎県日南市の飫肥を訪ねた時に、飫肥城近くの武家屋敷と思しき家々の庭にこの花がたくさん咲いていて、初めてそれを見たものですから、どうしても欲しくなりました。どこか近くのホームセンターなどにあるのではないかとそれから後随分と探したのですが、なかなか見つけることが出来ませんでした。旅の半ば近くになって、大分県の大野町(現豊後大野市)のマーケットのような所で、半ば枯れかかっていた苗木をようやく見つけた時は、それでも、いやあ嬉しかったです。巧く根付いてくれるかと心配しながら持ち帰ったのでした。間もなく冬という季節でしたので、植えても直ぐに地上部分は枯れてしまい、後は来春の芽吹きに期待するだけでした。

 春先になって、もうそのようなことはすっかり忘れていたのでしたが、ある日見たこともない大きな芽が土を捲(めく)って顔を出しているのを見つけ、首を傾(かし)げながら思い出を辿って、ようやく昨年の晩秋に植えた皇帝ダリアだと気づいたのでした。その年は順調に育って3mを超える大木のような草丈となり、たくさんの花を咲かせてくれて、ご近所の方々が見物に来るほどの珍しさだったのです。この辺ではその頃はまだ皇帝ダリアを見るのは珍しく、苗木なども販売されていなかったのです。

翌年はこれを増やして兄弟たちにも配ったりしました。増やすのは簡単で、花が咲き終わった後で幹の部分を、節を2カほど入れて裁断し、それを30cmほどの深さの穴の中に埋め、土を被せて置くだけです。すると春先になって埋めた幹の節の部分から芽が出てくるのです。それを好きな場所に移植すれば、秋には立派な花が咲くというわけです。

皇帝ダリアの幹は直径が10cmほどになる場合もありますが、何しろ草なものですから、風などの外圧には弱いため、1mくらいに生長した頃から支柱をしてやらないと、自重で身が持たずに転倒してしまうのです。初めの頃はこれを知らなかったため、転倒してから助け起こして支柱をしたりして大変でした。

我が家ではそれなりの歴史のある皇帝ダリアなのですが、秋の深まりと併せて、秋の終わり即ち冬の到来を厳しく教えてくれる花でもあります。というのもこの花は亜熱帯性のものなのか、寒さにはめっぽう弱くて、冷え込みな厳しくなって霜が降りるのと同時に一挙に生命を終わらせるのです。昨日まで毎朝空を勢い良く飾ってくれていたのに、たった一晩の霜で全滅してしまうのです。水戸の北部に住んでいる妹の家では、花が咲き始めてたった3日で終わってしまった年もありました。恐らく茨城県北部辺りが北限の植物なのではないかと思います。

今頃のもう一つの楽しみは、ソヨゴの実です。ソヨゴの他にクロガネモチやナンテン、それにマンリョウ等の赤い実がありますが、私にとっては何といってもソヨゴが一番なのです。どうしてかというと、ソヨゴの実は他の赤い実と比べて何とも言えない透明感のある赤なのです。風にそよぐ葉のささやきよりも、私のソヨゴはその実の透明感溢れた赤に最高の魅力を感じます。清潔な赤というような表現があるのかどうかわかりませんが、濁りのない澄んだ赤い実は、しばらくの間ヒヨドリたちには啄ばむのを遠慮して貰いたいと思います。

 

   

  

 

眩しいほどに赤い実を輝かせているソヨゴ。今年は今までの障害のようなものを乗り越えてくれたらしく、一段とその輝きを増してくれている。

   

皇帝ダリアとソヨゴの赤い実を心行くまで眺めながら、今年も秋が終わりに近づいているのを感じています。次回から漫遊記を掲載する予定でしたが、明日から1週間ほど湯湯治に行くことにしましたので、少し延ばします。このところ糖尿君に厳しく叱責を受けており、なかなか手足の指先のしびれなどがとれないものですから、栃木県の喜連川温泉で湯湯治をしながら、自己流の業をして来ようと思っています。予告などしておきながら裏切ってしまい、申し訳もございません。

 

 

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