山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

花の殺戮者を許すな!

2008-04-20 00:45:28 | 宵宵妄話

気が狂っているとしか言いようが無い。今日(4/19)の朝日新聞の社会面を見ていたら、群馬県の前橋市でのチューリップ荒らしの他、別の地域でも同様の事件が何箇所かで起きていることが報じられていた。まったく、何たることか。

落花狼藉(らっかろうぜき)ということばがある。文字通り、花を踏みしだいて散乱させている状況を表わすことばだが、一般的には比較的軽い意味で使われていることが多いようだ。現在頻発しているという、花を切ったり、踏みにじったりする行為は、落花狼藉ということばのレベルをはるかに超えた悪質極まりないものだと断言したい。ちょっとした悪戯(ふざ)けなどとは、本質的に異なっている。

花盗人は罰せず、というような考え方もあるが、この場合の盗人には幾分かの風流を許すという世間の目がある。花を盗るというのは、犯罪には違いないけれど、ほんの少し、一枝くらいならまあいいじゃないかという認識である。しかし、これが大量となれば、もはや許せるものではなく、明らかに罰しなければならない犯罪となる。

今起こっているチューリップ荒らしは、風流などとは全く無関係のいわば、花の殺戮(さつりく)行為であり、善意の人間を踏みにじる劣悪な犯罪行為である。反社会的な、思い上がりの行為であり、断じてこのような振舞いを許してはならない。

一体どのような奴が、これほど酷い行為を行っているのだろうか。それは犯人を捕まえて、厳しく糾弾しなければ解らないことではあるが、私として思うのは、この種の犯罪は一種の社会病理現象なのではないかということである。

このような行為を行う者には、大別すると2種類あると思う。その一つは、世間知らずの無知な者によるもので、一人というよりも集団で大した罪悪感など感ぜずに、半ば面白半分で悪さをしている場合である。その多くは年齢の若い者だと思う。いい加減な親といい加減な仲間たちに取り囲まれて育ち、世の中のことなどは「関係ねえ」などと抜かして、嘯(うそぶ)いている若者は、掃いて捨てるほど居る。或いは一見真面目に働いているようで、仲間と一緒になると平気で悪さを悪さとも思わなくなる奴も結構多いのではないか。皆で一杯やった後で、ちょっといい気になって、咲いている花を蹴飛ばしたり、ぶった切ったりするような行為である。これらはいずれも世の中を解っていない。無知な、未熟さのなせる行為なのではないか。成人には達していても、社会との関わりを安易な自己中心の発想でしか見ることが出来ない、この種の無知な人間は、今の世に溢れている。

もう一つは、欲求不満を膨らませた陰湿な代償行為である。一種の八つ当たり行為なのだが、今の世の中、欲求不満のない者など居るはずが無い。不満耐性の無い人間は、己の不満の捌()け口として、自分よりも弱いと思うものを虐(いじ)めるのである。チューリップを刃物でスパッと切ることで憂さが晴れるのであろう。2000本近くも切るというのは、度を越えた陰湿な企みというしかない。目立つ行為をすることによって、名を上げようなどというのも、欲求不満のなせる業なのかも知れない。

これらの行為は、今の世が病んでいることの表われではないか。社会病理現象というのは、そのことを意味している。大変に根の深い問題だと思う。その根っ子が何なのかを明らかにして取り組まない限り、この種の問題行為はこの後も様々な形で現れてくるのではないか。

その解決法について提言する力は無いけど、とりあえずの要望としては、このような行為に対しては、厳しく処断して貰いたい。最近の日本は、法治国家としてのタガが緩(ゆる)んでいるのではないか。多発する犯罪に対する警察の対応が遅れるのは、法律が甘すぎるからではないか。法務大臣が死刑執行に印鑑を押し過ぎるとの批判があるようだが、冤罪の疑いの余地の無い犯罪に対しては、早過ぎるなどという評価は全く成り立たないと思う。死刑廃止論をバカにはしないけど、そもそも生きた人間の人権をぶち壊した奴の生命の尊厳などという発想は、人権が何かということを知らない奴の戯言(たわごと)としか思えない。

少し脱線しかけたが、今回の花荒らし行為に対しては、単なる器物損壊罪などということでお茶を濁さぬように、厳しくその罪を問うて貰いたい。2000本のチューリップを切った奴には、刑務所の中で2000本のチューリップを育てさせるというような裁きをして貰いたいものである。既存の法律と首っ引きでしか裁きができない今の世は、この後益々末世のカオスの中に向かって速度を増してゆくのではないか。

ガッカリするやら、腹が立つやら。家にくすぶっていると、心は少しも豊かにならず、痩せて苛立つばかりである。旅に出たい。

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