山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

菅首相の退陣宣言に思う

2021-09-07 18:39:37 | くるま旅くらしの話

 菅総理が、次期の自民党総裁選に立候補しないことを表明した。さもあろう。国民の多くは、当然であるかのように納得するに違いない。思えば菅という方もコロナ対応などという想定をはるかに超える事態に、総理として四苦八苦させられるなどという、とんでもない貧乏くじを引いてしまったものだ。コロナさえなかったら、まだまだ政権を維持できたものをと、少し気の毒な気もする。

 しかし、この方は本当はラッキーな人だったのだ。阿部前総理の突然の引退表明で、思ってもみなかった総理の座が突然転がり込んで来た。本人も含めて誰も予想していなかったのに。運命のめぐりあわせなのか、恐らく長い官房長官の時の実績が買われたのであろう。この人には総理もできるのではないかという期待が党内で膨らんで、本人も何とかなるだろと受けてしまった。

 最初の頃は何とかなっていたのだけれど、コロナの感染が予想以上に長引いて、結局新しい手も打てず、同じような施策の繰り返しを行ってきた。総理としての力量の限界が来てしまったということなのだと思う。

 この人は確かに一所懸命にコロナ対策に取組んだのだと思う。繰り返して言う「国民の生命を守るために」という言葉には、それなりの容易ならぬ覚悟が潜んではいたのだと思う。しかし、同じ言葉を繰り返すだけでは、その気持ちは国民ひとり一人には伝わらない。何か新しい対策を打ち出すか、新しい方法で国民にアピールすることが必要だった。

 新しい対策はあったのだろうか。ワクチンの接種以外に決め手となるような対策はないのである。ワクチンは予防薬に過ぎず、その他の治療薬は、今のところ見当たらない誠に困ったものである。だから同じことを言うしかなかった、ということだったのであろう。この点に関しては、他のどなたが総理をやろうと、批判ばかりに終始している野党の人が総理をやろうと同じなのだと思う。

 しかし、そこで思うのは、国民に対するアピールである。これについては、菅という人は、真に下手くそというか、無策というか、同じ言葉、しかも具体性のない「国民の命を守る」などというのを繰り返すばかりだった。尤も他の担当している閣僚なども又、終始同じことばを繰り返すばかりだし、それは東京都知事だって、他の首長だって同じことなのかもしれない。彼ら為政者の代表として、首相が槍玉に上げられたということなのかもしれない。

 では、どうすれば国民にその気持ちが届いたのだろうか。いろいろ考えられるが、自分は次のように思うのである。

 この厄介な感染症は、治療面で決め手になる対策はない。しかし、防ぐ方法はある。国民の大半はそれを知っており、三密を避け、マスクをかけ手洗いをする等の予防策を実施している。それなのに感染拡大は一向に収まらない。クラスタ―も発生している。何故なのか、その根本原因は、まだまだ国民一人ひとりに、これら予防策を厳守行動することの重要性が分かっていないからなのだと思う。つまり、この感染症の根本対策は、国民一人の自覚に基づく予防対策行動の実践しかないのである。油断して甘く考えて行動している人が感染し、知らないままに他者への感染を広げている。これを如何に無くするかが最重要なのだと思う。

 なのに、現実は、もうそんなことは言わなくても国民は分かっているはずだと考えているのか、為政者は誰一人国民にアピールすることを怠り、特定の職業やイベントなどの制限などにばかり目を向け、それこそが施策の要だと思っている。これは、必要なことには違いないけど、対策の核に置くべきものではなく、あくまでも二次的、三次的な対策に過ぎないのだと思う。しかもこれらの規制は、対象者に犠牲を強いるものであり、その見返りとしてのコストも膨大なものとなる。

 為政者は、何故もっともっと、国民一人ひとりに、一人ひとりが予防の為の基本対策を厳守することが不可欠なのだということをアピールしないのか。TVやネット他アピールする手段は幾らでもあるのに、行われていても極めて断片的だ。これでは国民一人ひとりに為政者の思いが届くわけがない。

 例えば、毎日必ずどこかのTV等に総理が顔を出し、熱意を込めて、一人ひとりが予防策を厳守行動することの大切さを生の声で、声をからしてアピールする。これを365日続けたら、誰も首相の熱意の本気なのを疑う者はいないだろう。時々記者会見等で決まり文句を言うだけでは、新聞やTVがどんなに上手にそれを伝えても、国民は、又か、と思うだけである。

 とにかく、期待はずれのままに菅総理は総裁選に出馬しないことを決め、これからはコロナ対策に専心されるという。しかし、残念ながら求心力を失ったあとでは、何の効果も期待できない。もういいから、ゆっくり静養して、それこそコロナなどに取り付かれないうにして欲しい。そして、新しい総理には、その思いと熱意が、国民一人ひとりに届くような政治を期待したい。

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