山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

西海道&西国の旅の記録から(その28)

2024-07-27 04:26:40 | くるま旅くらしの話

<出石城下町から城崎温泉へ>

兵庫県但馬の国の豊岡市には、私たちがこのエリアを通る時には必ず通る楽しみの場所が二カ所あります。それは一つは出石町であり、もう一つは城崎温泉です。この二つの町は、どうして豊岡市となったのか、これらの地を訪ねた最初の頃は良く判りませんでした。市町村の合併でそうなったのでしょうが、しばらくはピンと来ませんでした。豊岡といえばコウノトリが有名ですが、城崎や出石とはあまり係わりがあるとは思えず、どうしても豊岡と一緒というイメージが湧かないのです。ま、これはあくまでも個人的感慨です。

出石と書いて(いずし)と読む此処は、私には昔から親近感がある場所なのです。というのも時代小説を愛読して来ているのですが、この城下町を舞台に描かれている小説を幾つか読んでいたので、自然とこの町を知るようになり、実際に旅で行って見ると、なるほど時代小説の舞台にはぴったりだと納得できる、小じんまりとした城下町なのでした。出石と言えば、今は城(櫓)と振鼔楼(=時計台)と出石焼と皿そばということになります。何度か行っているうちに最近はやっぱり皿そばが一番となり出しています。今回の旅では、一つは出石焼の皿などを求め、皿そばを食べるのがメインの目的でしたが、家内は出石焼の湯のみなどを手に入れた様ですが、私は皿そばだけをしっかり味わって来ました。皿そばというのは、東北のわんこそばと同じようなもので、蕎麦を皿にのせて出てきたのを、何種類かのタレで食べるのですが、わんこそばのお椀よりは一皿分の盛りが多くて5皿が一人前となっているようです。今回は更に2皿を追加したのですが、腹いっぱいになってしまって、やや苦しい時間が長く続きました。次回は標準で止めるようにしたいと反省しました。

出石の町を出た後は、丸山川に沿った道を走り城崎町へ。勿論此処へ行く目的は温泉に入るためです。ここの温泉は文豪と言われる作家たちに愛されており、谷崎潤一郎の「城崎にて」は有名です。実際に行って見ると、熱海や箱根などとは違った落ち着いた雰囲気の温泉町の情緒を感ずる場所です。私たちは、出石の後はここを訪ねて温泉を楽しむことにしています。温泉の町は、どこも同じようで道が狭く建物が櫛比(しつぴ)していて、駐車場を見つけるのに苦労するのですが、私の旅車は少し車のサイズが大きいので特に苦労します。今回は幸いにも直ぐに空いていた駐車場を見つけることが出来てラッキーでした。今回も「一の湯」という古い公衆浴場に浸ってお湯を楽しみました。風呂から上がると、川端の柳の緑が風に揺られて清々しく、印象的でした。

 

 *忘却の時を刻むか振鼔楼(しんころう)出石の町は昔を残して

 

 *皿そばを食らいて嬉しこの町の味をしみじみ噛みしめており

 

 *名物の皿そば美味し出石来て音立てながら昔を啜る

 

*川端の柳の枝のうす緑出で湯の後の風の涼しさ

 

 *城崎の出で湯にしばし浸り来て旅の思いを一つ果たしぬ

 

 *川端の柳の緑城崎は昔も今も変わらぬ風情

コメント
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