山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

‘15年 佐渡一国を味わう旅 レポート <第14回>

2015-06-14 05:52:40 | くるま旅くらしの話

【今日(6/14)の予定】 

  道の駅:芸能とトキの里 → 金井能楽堂(狂言&文弥人形上演鑑賞) → 道の駅:芸能とトキの里(泊)

 

【昨日(6/13)のレポート】     

<行程>

 道の駅:芸能とトキの里 → (日中は牛尾神社の例祭の神事見物などで過ごす)→ 道の駅:芸能とトキの里(泊)

<レポート>

天気は回復して、目覚めて外を見ると既に青空が広がりつつあった。昨夜は寝るのが遅かったせいか、珍しく5時半過ぎの起床だった。ブログの投稿が、相棒のいつもの朝ドラを見始める7時15分までに終わらず、食時の後となってしまった。ま、偶には遅い投稿があってもいいのではないか。あまりにもクソ真面目に早朝からの投稿をやり過ぎているような気分に時々陥ることがある。

さて、今日は特に為すこともなく基本的には静養日とすることにしている。午前中、昨夜に引き続いて牛尾神社の神事があるので、それを見学することにしている。社殿での儀式が終わったら、午後は寝て暮らすというのが、旅の恵みということになるのだろうか。長期の旅の中にはこのような日が必要なことを、老人度を増すにつれて思うようになって来ている。朝食後は何時ものように給排水やトイレの処理をして、神事の始まる9時少し前に近くの牛尾神社に向かう。

今日の神事は例祭の行事に加えて何やら新しく権禰宜となられた方の就任式のようなものも入っているらしく、創設1,223年を迎えて同じ1,223回目の例祭を迎えることになるという、宮司の方の挨拶、紹介があった。今までこのような神事をきちんと見たことがなく、いつも途中で止めている自分なので、今日は少しでも長く見聞しようと思っての来訪だった。本殿には既に氏子の役員の皆さん始め、集落の方たちも着席しており、自分たちは外来の野次馬と言った立場である。宮司さんの挨拶の後、儀式の式次第に沿って神事が進行されていった。それぞれ意味があるのだろうけど、自分にはよく解らず、ただ敬虔な気持でその進行を見守るだけだった。所々に神楽が織り込まれており、巫女さん二人が鈴を鳴らし扇をかざしながら舞う姿は印象的だった。1時間ほど見学し、写真や動画を撮っていたら電池が切れ出して、それらの作業ができなくなっていしまった。神事はまだ1時間くらいは残っているらしい。しかし、その見学は相棒に任せて自分一人車に戻ることにした。というのも、10時40分から女子のW杯の対カメルーン戦の実況があるので、それを見たいという算段があるからでもあった。

  

牛尾神社例祭神事の中で奉納されている巫女による神楽の1シーン。この舞の所作の中に1,223年の神への思いが籠められている。

11時少し前、道の駅の車に戻る。早速TVのスイッチを入れる。丁度ゲームが開始される直前だった。今日はいい天気でソーラーは存分に活躍してくれているので、電源の心配は全くない。カメラのバッテリーも充電をすることにして、その後はずっとTV観戦を続ける。前半早目に2点が入ったのだけど、その後は加点することなく前半が終了した。やがて相棒も戻って来て、昼食を摂りながらの観戦となったのだが、後半は良い所はさっぱりなくなって、相手チームの体力に圧倒され続ける試合内容となった。これじゃあ危ないなと思いながらの観戦だったが、終盤の土壇場近くになってついに点を入れられてしまい、ロスタイムも冷や冷やのし通しだった。辛勝という意味では、前回の対スイス戦と同じ感じがした。この状況からは、2連覇は超困難だろうなと思った。とにかく先に進めたのは良かった。次のゲームを楽しみたい。ご苦労さんでした。

その後は午睡を楽しむ。目覚めたのは14時半。まだかなり暑い。寝ぼけを覚まそうとして外に出たら、近くで太鼓の音が大きく聞こえて来た。昨日の宮司さんの説明では、昨夜奉納された鬼太鼓が、今日は氏子さんたちの家々を回る「家入」という神事があるとのことだったが、どうやらそれがこの近くまでやってきたらしい。すぐ傍の食品工場の事務所辺りで奉納の踊りが行われていた。出掛けて行った写真を撮ったりした。二匹の鬼が昨夜と同じように丁寧に踊りを披歴していたが、200軒以上の氏子さんの所を今日中に回るというのは大変だろうなと、関係者の方たちのご苦労を思った。

  

家入で、氏子の各家々や事業所等で披歴奉納される鬼太鼓の情景。

  

道の駅での家入奉納が終わって、鬼太鼓の一行は2台の車に分乗して次の家に向かっていった。太鼓本体と白鬼は軽トラで。微笑ましい情景である。

鬼太鼓にすっかり目を覚ました後は、近くのAコープへ買い物に行き、そのあと新穂潟上温泉に。Aコープの買い物は楽しくない。超高価なのである。しかし品質は価格に見合わない。佐渡の地元の人たちは日本国の他の世界の価格を知らないのか、或いは知っていても諦めているのか、何だか気の毒な気がした。このような状態では、一度佐渡を離れた若者たちは、なかなかUターンする気持にはなれないだろうなと思った。それにしてもJAという組織は、農業者に対して極めて不親切であり、Aコープもその一環ならば、安価良質への努力が不足しているなと改めて思った。自分はJAに対して不信感を抱くこと甚だしきものである。日本の農業や農業者のことを本気で考えているとは到底思えないのである。止めておこう。

それでも仕方なく買い物を済ませ、潟上温泉へ。これで自分は4度目、相棒は3度目の入浴である。旧新穂村のこの辺りは放鳥されたトキの棲み処が近くにあるらしく、最初に来た時に大空を飛ぶトキのつがいを見て興奮したのだが、その後田んぼを見てもトキの姿を見かけることはなかった。北海道の別海町などでは牧場の中に飛来して来ているタンチョウたちを時々みかけることができるのだけど、佐渡の場合は、自然復帰とはいえまだまだなのだなと思った。佐渡は「トキと共生する佐渡の里山」として、 2011年6月に国連食糧農業機関(FAO)が認定する世界農業遺産(GIAHS=Globally Important Agricultural Heritage System)に、日本で初めての場所となったと市政要覧の中にあったけど、この新穂一帯もその中に含まれているのだろう。その世界農業遺産というのがいったいどういう農法なのか、その結果どのような成果がもたらされ、それが我々の所にどのような形で届くのか。その具体的な内容を知りたいのだが、そのような説明は何処にもなく、一般的な美しい言葉ばかりが述べられていて、現地の田んぼを覗いても何がどうなのかはさっぱり判らないのが残念である。佐渡には「朱鷺の郷米」とかいう名での米が販売されているけど、もしこれが世界農業遺産に認定された農法で作られているとしたら、たとえばJAなどはもっともっと力を入れて日本国中に宣伝すべきではないか、そう思った。地元のスーパーに他の米と一緒にやや高い価格で並べているだけでは、世界遺産農業に取り組む農家の人たちの努力に報いることはできないのではないか。何かが抜けているなと思うばかりである。

入浴の後は、今日も宿は道の駅であり、そこに戻る。20,21日にこの潟上温泉でほたる祭りというのが催される予定であり、農薬を使わない自然農法の成果を是非確認してから佐渡を離れたいと考えている。温泉の後は定番のビールで乾杯して、眠りの夜を迎える。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする