山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

2004年 九州・山陰の旅 ジジババ漫遊紀行(第14日)

2015-02-10 05:09:38 | くるま旅くらしの話

 

第14日:11月30日(火)

 <行程>

竹田市:河宇田湧水 →(県道)→ 白水ダム →(県道・R442)→ 道の駅:竹田 →(R442他)→ 黄牛(あめうし)の滝 →(県道)→ 直入町:ラムネ温泉 →(県道・R442・R502)→ 道の駅:原尻の滝〔泊〕 <94km>

 

昨夜の星空も素晴らしかった。関東の都市部とは大いに違って、この辺はまだまだ大気の汚れも少ないのかもしれない。ゆっくり食事をしたあと、目前の湧き水を汲む。といっても先日高森町で汲んできたばかりなので、ペットボトル2、3本に過ぎない。それでも何となく嬉しい。

さて、今日は第一の目的が隣の直入町にある長湯温泉に入ることである。旅に出る前から、必ず立寄る場所の一つにここを挙げていた。その理由は日本一の炭酸泉の温泉に是非とも入ってみたかったからである。それほど急いで行く必要もないので、先ずは昨日夫婦滝の谷野さんから聞いて、是非一見の価値ありという「白水ダム」という所へ行ってみることにした。案内図はちゃんと持っているのだが、これが何度見ても、どう見ても分からず迷いに迷って、本来ならば20分くらいで行ける所を1時間近くかかって、ようやくたどり着くことが出来た。しかも、後で知ったのだが、通常のルートではなく滝の下に着くという逆の細い道ばかりを辿って行ったのであった。離合に絡む車が殆ど走っていなかったので救われた訳であった。そういえば谷野さんは軽自動車で、と言ってたっけ。

苦労の甲斐があってダムの景観は実に素晴らしかった。規模はあまり大きくはないのだが、ダムから流れ落ちる水の勢いをコントロールするために、曲線の傾斜を持たせた壁を水が通るように造られており、真っ白い水の帯が実に美しい。人工の滝と言えば味気ないものが多いけど、このダムの滝は逸品である。充分にその景観を堪能して、出発。

道の駅:竹田に立寄って、野菜などの買い物をする。売店のレジの人と話していたら、近くに紅葉の名所があり、今でも未だ遅くはないということなので、そこへ行ってみることにした。歩いて10分ほど行くと城原八幡社というのがあり、その先の小高い丘に何本かの楓の樹があって、まさに紅葉真っ盛りだった。そこには万葉の歌碑があり、その昔この辺りのことが歌に詠まれているらしい。万葉の里という表示板もあったから、古い歴史のある場所なのであろう。丘の下は小学校。八幡社と丘の側に古い造り酒屋のような建物があったが、今はもう廃業したらしく侘しげな光景だった。

車に戻って出発。まだ時間に余裕がある。途中に「黄牛(あめうし)の滝」という案内板があったので、ちょっと立寄ることにした。そこへ行って道の駅で買った弁当でお昼にするつもり。駐車場から10分ほど歩いた所に滝があった。夫婦滝よりも少し規模が大きいが、大滝というほどではない。それでも瀑布のつくる空気を吸うのは気分が良い。車に戻って昼食休憩。

R442の坂道を登って久住町に入り、右折して県道30号を暫く走ると直入町である。長湯温泉は直ぐに分かったが、例によって温泉街は道が狭くて駐車スペースが殆どない。著名な温泉宿も何軒かあるのだが、近づけない状況で困った。ようやくラムネ温泉という、その名もズバリの温泉場を見つけた。川縁にある小屋掛けの素朴な浴場だ。料金は200円也。天然の本物の温泉だ。飲用のお湯が出ているので飲んでみたら、確かにサイダーの味である。但し温かいサイダーなので清涼感というわけにはゆかず、妙ちきりんな味である。

さっそく準備をして入る。少し温度の高い方には湯壷が2つと4人ぐらい入れる露天風呂が1つあり、あとは温度の低い本物の源泉の露天風呂があった。タクジイは本物志向なので、ぬるいというよりも冷たいという感じの源泉に入った。37~38℃くらいの、じっとしていれば温かさを感ずる程度の温度である。しかし入っていると、看板に書いてあったように、全身に細かな気泡がついて、何故か良い気分になってくる。泡を拭っても直ぐに又気泡に包まれる。ああ、これが本当の炭酸泉なのだなあと実感した。これほどのレベルの炭酸泉は、世界でもドイツに2箇所それに此処と全部で3箇所しかないということである。源泉に入る人は少なく、入ってきても直ぐに温かい湯壷の方へ逃げていってしまう。それをいいことにして、タクジイ一人が源泉の露天風呂を独り占めにした次第。仕上げに温かい湯壷に入って出た時は、1時間を越えていた。クニバアはそのあと10分くらい経ってから出てきたから、これには驚いてしまった。のぼせることがないので長湯となるのであろう。十二分に満足した。此処に泊ってもいいと思ったが、P泊にはやや条件が悪そうなので、少し足を伸ばして竹田市郊外の緒方町にある道の駅:原尻の滝という所に行くことにして出発。

途中、竹田市内で給油と食材それに酒などを買う。農協が経営母体のスーパーの、酒の販売コーナーには最低の人材が居座っていた。九州一、販売態度の悪いおばさんが店を仕切っているようで、二度とここで買ってはならないと思った。レシートを渡すのが不満らしく、レシートを要求したクニバアに、突き出したレシートを床に落として、お客の顔も見ずにそっぽを向いていた。さすがのクニバアも怒りを通り越して、驚き、呆れ返るばかりであった。酒を返却すべきであったが、めんどくさいので妥協したのだが、あのオバサン(ホンとはクソババアといってやりたいのだが、根が上品なので決してそのようなことばは使わない)には、そのようなお客の心理は全く分からないだろう。販売店のたった一人の不心得者の行為が、店だけでなく町全体の印象を悪くすることがあるということを、商売にかかわる人たちは知っている必要があるのではないか。今の時代に、このような人が住んでいるのかと思うと、岡城に代表される凛とした竹田の町の印象が少し翳ったようで残念だった。

あたりがすっかり暗くなったR502を暫く走って道の駅:原尻の滝に到着。本格的な夜を迎える。

【コメント】

◆この日の旅の内容は、くるま旅としては、ほぼ理想的なものでした。思いもかけない素晴らしい場所との出会いが幾つかあって、それらはバス旅行などでは決して得られないものだと思います。白水ダム、黄牛の滝、ラムネ温泉等などです。行程的にも100km以内でしたから上の部なのですが、泊りの原尻の滝に着くのが遅すぎた嫌いがあり、この日は道の駅:竹田に泊まる方がベターだったと思います。しかし、まだ体力に余裕があった時期であり、早や目に宿を決めて休むというのは、なかなか勇気のいることでもありました。

◆白水ダムは、正式には白水溜池堰堤というのだそうです。ダムというのは15m以上の堤高のものを呼ぶのだそうで、ここは13.9mしかないので、ちょっと高さが不足しているようです。しかし、水の流れ落ちる美しさは、他のどんなダムよりも優雅で芸術的なものでした。この時は未だコマーシャルなどには登場していなかった時なので、その出会いの印象は超感動的だったのを思い出します。

◆ラムネ温泉は、日本の数多い温泉の中でも、やはり特異な温泉だと思いました。ほぼ体温に近い温度の源泉で、温(ぬる)いというよりも寒いといった感じの入浴なのですが、全身に小さな気泡がびっしりと付いて、何とも言えない心地よさなのです。ここは冬ではない時期に入るのが一番かなと思いました。近くに住む人たちが実に羨ましい長湯温泉です。

◆少し長くなりますが、もう一つ買い物における販売店の対応について書きます。販売におけるレジの役割は、お客様との接点として最重要な働きを持っています。少し専門的に言うと、MOT(=Moment of Truth=真実の瞬間=お客様との最短・最重要接点)の中でも、最も大切なチャンスの一つなのです。つまり、レジでの顧客対応の良し悪しが、その店全体の評価に直結しているということです。どんな小さな店でも、或いは巨大なスーパーやデパートであっても、お金を払う場所としてのレジのあり方が、その店の総合評価につながっているのです。販売によらず、あらゆる事業のお客様との接点においては、このMOTの考えが周知されているかが重要です。この日のレジのおばさんの対応は、最低、最悪のものでした。今でもこの店が繁盛しているのか疑問です。オバサンが早目に引退して、後任者が評判を取り戻してくれていれば幸いです。

コメント
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