山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

2004年 九州・山陰の旅 ジジババ漫遊紀行(第17日)

2015-02-14 05:11:27 | くるま旅くらしの話

<註:この記事は、10年前の旅の記録をリライトし、コメントを付したものです> 

第17日:12月3日(金)

 <行程>

道の駅:原鶴 → 付近のコインランドリー (R386)→ 甘木ジャスコ →(R322)→ 甘木市:秋月城址探訪 →(R322・R500)→ 道の駅:小石原〔泊〕  <48km>

 

二日続けての同宿だった。駐車場の中の位置でも、やっぱり同じ場所に車を停めたがる。人間にはそれぞれ固有の落ち着き場所というものがあるのかもしれないと、我ながら不思議な可笑しさを覚えたりした原鶴の道の駅だった。

旅も今日で17日目、予定の半分は過ぎた。洗濯物がかなり溜まったので、何処か近くにコインランドリーでもないかとバサロのレジの人に訊くと、すぐ近くにあるという。それでは今日は洗濯日に充てようと、バサロで買い物をした後、そこへ出向く。無人の大型コインランドリーがあった。実はこのような所を利用するのは今回が初めてなのである。洗濯機の使い方のガイドに従って、洗濯開始。何と一度に20kgもの洗濯ができるという。乾燥機の能力は、我が家のそれとは比較にならない強大さである。少し料金が高いが、2時間で乾燥まで含めての全作業が完了できるのはありがたいと思った。洗濯している間は暇なので、すぐそばの筑後川の堰堤を散策。白花タンポポが咲いていたので、持ち帰ろうと採取する。関東には白花タンポポは少ないが、九州には結構多い。

洗濯が終わり、今日はこれから甘木の秋月城址を訪ね、その後に陶芸の里小石原に行き、そこの道の駅に泊るつもりで出発する。途中、甘木市内のジャスコに立寄り、キャリアボックスを買う。今回は自転車を持ってきていないので、この箱をサイクルキャリアに取り付けて使うことにした。今まで車の収納庫にしまっていたツワブキや先ほど採った白花タンポポなどをその中に移し入れる。皇帝ダリアは丈が長過ぎて入らなかった。これで若し帰り道に、山陰の大栄の道の駅に、まだイチゴの苗があったら買って運べる。先のことまで密かに考えた対策である

一時間足らずで秋月に到着。ここは福岡藩黒田家から別れた秋月藩があった所であり、福岡在勤時代には何度も訪ねたことがある。城跡は中学校になっているが、その付近には武家屋敷や城門などが残っていて、小規模ながら城下町のたたずまいが残っている。以前は、城址の城郭の道端に沿って農産物の市が並んでいて、晩秋なのに黒竹とかいう竹の筍や篠栗などをおばあちゃんが売っているのを買うのが楽しみだった。さて、今頃はどうなっているのだろうか。懐かしさに期待は膨らむ。

しかし、着いて見て先ず驚いたのは、観光客が多いということ。駐車場はほぼ満杯で、観光バスなども多い。城址の方を散策したが、昔のおばあちゃん市の雰囲気はなく、何処かへ行ってしまったようだ。天国なのか?若しそうなら天国でこの繁栄を悲しんでおられるのかもしれないなと思った。このように書くとひどい状況と思われるかもしれないが、感じているのは昔と比べているタクジイだけであって、観光客の殆どの方々は、城下町の雰囲気を味わってそれなりに満足しているに違いない。

それにしても日曜でもないのにどうしてこんなにたくさんの人が来るようになったのだろうか。歩いている人の殆どは我々と略同世代か、それ以上の歳の人が多い。とすると、定年を終えた人たちが、ちょっとした時間つぶしに、観光業者のパック旅行などの掛け声に乗って、やってきているのだろうか。そのような失礼な詮索はどうでも良いのだが、タクジイとしては、昔の良さが遠くなってしまうのがやはり気になるのである。

黒門の近くには、楓の木が最後の鮮やかな紅葉の彩りを見せていた。その右脇下にある茶店で山菜蕎麦を食べた。そのあと15時近くまで街中をぶらぶらと散策し尽くして車に戻って出発。

R500を小石原に向かう。かなりの山道である。途中江川ダムなどがあり、人工の湖だけどなかなか景観のよい場所である。しかし国道も三桁台の4百を超えると、村道のような感じとなるものが多い。このR500も例外ではなく、広くて運転し易いなと喜んでいると、突然道幅が狭くなって、離合が大丈夫かと不安に突き落とされるような状況になる。40分ほどの行程だったがかなり疲れた。

まだ陽があるうちに着いたので、道の駅に車を置いて、たくさんある陶芸の店などを覗いて見ることにした。クニバアは何か買う予定があるらしい。タクジイは、持参するのを忘れた、酒の燗をするための徳利を1個買うつもり。温かい酒が飲みたい。

小石原は福岡藩の御用窯として発展した所である。焼物の詳しいことはタクジイにはさっぱりだが、現在ここには50を越える窯元なるものがあるというから、かなり人気のある場所なのであろう。販売所もたくさんあって、どこへ行っても同じようなものが数多く陳列されている。皆結構な値段で、徳利1本でもバカにならない。ようやく形も値段も気に入ったものが見つかり買い入れる。今夜は、これで熱燗で一杯やって、風邪を吹き飛ばすぞ!と密かに思うタクジイであった。

クニバアは何やらいう窯元の店で気に入ったものが見つかり、そこの奥さんと思しき人と話しこんでいた。妹たちからの新築祝いのお返しにするとかで、茶碗などを幾つか買ったようである。この窯元の方は、棟方志功先生と知己だったとかで、手提げ袋は志功先生の版画が描かれたものだった。いい感じの方だった。

車に戻り夕食。思い通りに熱燗で一杯やって早めに寝たのだが、夜中の咳は止まらず、寝不足の一夜となったのは残念。

【コメント】

◆この日の行程には無理がなく、上出来だったと言えると思います。偶々、以前からよく知っているエリアだったので、もう一度じっくりと訪ねてみようという考えがあったからなのだと思います。秋月は何度も訪ねている場所ですが、いつの間にかすっかり有名になって、観光巡りのスポットに組み入れられてしまっているようです。このような、昔の残っている場所が、何かのきっかけで大勢の人が来訪するようになるのは、地元から見ればありがたいことになるのかもしれませんが、自分的には少し心配になります。秋月も重伝建の一つですが、昔が失われないような、継続保存を願いたいものです。

◆旅の際に通行する道路のことですが、国道であっても番号の大きな場合は要注意です。特に400番台以上で、山間部を走る道は、国道であっても離合が困難な箇所が幾つもあるという様なものが多いので、可能な限り利用しないことが肝要のような気がします。小石原の場合は、この道しかないので致し方無かったのですが、山間地区では、安易に近道を通るのは避けるべきでしょう。特にキャブコンなど躯体の大きい車の場合は要注意です。四国の八十八カ所巡礼の旅をしたことがありますが、この時は本当に何度も難儀しました。ご参考までに。

 

コメント
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