山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

‘13年 北陸・関西・東海ほか回遊の旅レポート <第5回>

2013-05-27 05:13:07 | その他

【今日(5/27)の予定】 

  道の駅:くみはまSANKAIKAN →(R178他)→ 城崎温泉 → 出石町散策(詳細未定)

 【昨日(5月26日)のレポート】  

<行程>

道の駅:シルクのまちかや →(R176・R175・R9)→ 道の駅:農匠の郷やくの →(R9・R175・R176)→ 道の駅:シルクのまちかや →(R176・R178)→ 伊根町・遊覧船乗り場 → 道の駅:舟屋の里伊根 →(R178)→ 道の駅:てんきてんき丹後 →(R178)→ くみはまSANKAIKAN(泊)   

 <レポート>

リフレかやの里の一夜は、静かで真に快適だった。自分たち以外には誰もいなかったようで、夜間の騒音も皆無で、何の不満もない。相棒の寝息や鼾(?)を耳にする前に、昨夜に引き続いての昇天を迎えて、前後不覚の快眠となった。このような眠りのときには、3時間も眠れば充分だと体験的に思っているのだけど、このごろは5時間以上眠ってもまだ足りなさを覚えたりしているのは、やはり老化のせいなのであろう。3時過ぎに目覚めて、少し我慢して4時前に起き出す。ブログ記事の作成なのだが、まだなかなか本調子になれず、昨日書きかけた続きをどうつなぐかに手間取ったりした。今頃の日の出は何時なのだろうか。5時前にはお天道様はもう上っているのではないか。5時を過ぎると灯りは不要となっているようだ。しかし、意外と消し忘れて無駄遣いをしている。要注意である。

今日の朝食は、小さなロールパン一個に玉ねぎとルッコラを押しこんだものとインスタントみそ汁1杯のそれだけ。味噌汁には先日小松の道の駅で買った、すぐり菜というのを思いっきり入れて食す。まるで山羊やウサギのような食べっぷりである。相棒は呆れてノーコメントなので、自分で解説したりしている。勿論これは自分だけの話で、相棒の方はヨーグルトなども食して上品である。お皿にチョンというレベルの野菜では、パワーが出るはずもなく、せめてウサギちゃんくらいのレベルの量は必要だと思っている。今朝で玉ねぎが無くなったので、新しいのを買い入れる必要がある。鯖も食べるけど、メインはやはりベジタリアンでなければならないと思っている。

さて、今日の予定だけど、いよいよ京都北部の丹後半島や若狭湾に到達してのぶらぶら旅の開始である。まずは、昨夜の温泉で相棒が見つけてきた「やくの高原市」というのへ行ってみることにしている。もらってきたパンフによれば、手作りの商品を持ち寄った人たちを集めて開かれる市で、場所は夜久野町(現福知山市内)にある道の駅:農匠の郷やくのだとのこと。この道の駅には何度か泊ったことがあり、この加悦町からは1時間弱の距離にある。相棒はこのような催しが好きなようで、手作り作品の中に何か掘り出し物や、或いは自分自身の制作のヒントなどを得ようとしているのかもしれない。そしてもっと期待しているのは、気にいった人との会話を楽しむということなのであろう。デクノボーの自分には、さっぱり興味の湧かない世界である。

この市を見た後は、時間があればもう一度丹後半島の海沿いに戻って、伊根町の舟屋の観光をしようかと考えている。伊根は何回か訪れているけど、肝心の舟屋というのをまだ一度も見たことがない。特に相棒は以前からこの舟屋なる建物に大いなる関心があるようで、今回は是非とも船に乗って海側からそれらの建物をカメラに収めたいと考えているようである。自分としても一度くらいは見ておきたいとは思っており、船にも乗るつもりでいる。時間が間に合わないときは明日に延期することにしている。ただ、天気が下り坂になるようなので、それが少し心配ではある。舟屋などの観光船の情報はネットで調べ済みである。

夜久野には少し早目に行った方がよかろうと、10時からの開催なのだが8時過ぎに出発する。ここからは1時間ほどの距離だ。加悦(かや)の道の駅を出てからは、しばらく上り坂が続く。このR176は、酒吞童子(しゅてんどうじ)伝説のある大江山の裾野を巻いて福知山の盆地につながる道である。酒吞童子の鬼退治の話にちなんで、「鬼」と名のつく広告看板などが多く見られた。鬼というのは、多くの場合はその昔のアウトロー達や、外人などが異端視され、恐怖されて悪者となって話として残っていることが多いようである。本物の鬼などいるはずもなく、鬼もまた同じ人間であり、且つ又おのれ自身の中に常に潜在しているに違いない。この年になると、物事の真実が少しは覗かれるようになった気がしている。

急坂を登り終えてトンネルに入り、そこを出てからはしばらく長い下り坂となった。その終りの頃に由良川の脇を走るR175に出てそこでこの道は終わる。R175を福知山の方に少し行って、山陰のメインロードのR9に出て、これを20分ほど走ると目的地の久野町の道の駅に着いた。この道の駅には何度かお世話になっているけど、いつもはR9脇のドライブインの方に寄っているだけで、道の駅の本体の方に来たのは今日が初めてだった。これは今日来てみて初めて気付いたことだった。道の駅のすぐそばにロータリーがあり、初めてだったのでうっかりそこを一回りしてから駐車場に入ることとなった。イベントは「やくの高原手づくり市」という名称である。10時からの開催というのだけど、既にかなりの店がオープンしており、駐車場も7割方埋まっていた。出入りのやり易い場所を探して車を停める。9時を少し過ぎたばかりの時刻である。天気は今日も上々でかなり蒸し暑い。この分だと30度を超すのは間違いないだろう。

車を置いてからの行動は完全に別々である。午前中一杯はここで過ごすことにしている。相棒は、さっそく飛び出していった。自分も少し後から、とにかくどんなものがあるのか一回りして見ようと車を出た。駅舎の周りやその向こうのグランドのような場所にびっしりと店が出されていた。200以上のブースがあったのではないか。開店準備中の店も多くあり、手づくりとはいえ、なんだか骨董市のような雰囲気を感じた。さまざまなものが売られていた。木工工芸品、衣類、装飾品、帽子類、ガラス製品や陶器、とんぼ玉、それに食品などあらゆるものが並んでいる感じがした。皆手づくりであるという。これなら相棒は、終日ここにいても退屈しないだろうなと思った。しかし、自分にはどれもこれも同じように見えて、ほとんど興味を惹くものはない。というよりも何も欲しいものがないのである。珍しい酒だとか、食べ物だとかなら、ぐっと惹きつけられるのだけど、今のところそれ以外は満たされていると思っている。15分ほどでぐるっと一回りして、最後に道の駅の売店の所で、鯖寿司を見つけて大いにそそられたのだが、買うのは止めて一人車に戻った。暑くて、このままうろついていたらたちまち熱中症になってしまうという危険を覚えるほどだった。相棒は大丈夫なのだろうかと思った。

   

やくの高原手づくり市の景観。これは駅舎の裏のグランドの様子だが、この他にも駅舎を取り巻いて、さまざまな種類の販売ブースが数多く設けられていた。開店時刻には駐車場は満車となっていた。年に一度開催で、近郊では次第に名をなし始めているらしい。

車に戻り、その後はネットで調べものをしたり、物書きの時間を過ごしたりしている内に、気づくと12時近くになっていた。道理で腹が空くはずである。相棒は大丈夫なのかと改めて心配になったが、このような環境では神がかり的にパワーを発揮する人なので、暑さなど忘れ果てて誰かを捕まえて話し込んでいるのかもしれない。そんなことを思っていると、ドアの方がごそごそして、何やら袋を抱えたその人が戻ってきた。コロッケを買ってきたとか。暑さは大丈夫なのかと訊けば、かなりの時間は室内のブースで過ごしたとか。さもあろう、いくら神がかりでも、ずっと外にいたら我慢が出来なくはずである。とにかく昼飯時なので、そのコロッケやらを食べることにした。どういうわけか3個しか買ってこない。一人1個半ずつでは腹を満たすのは無理である。そこで、先ほどの鯖寿司がパッと眼前に拡大してよみがえり、すぐに買いに出かける。地元の方の手づくりの様で、竹の皮に包んで、ずっしりとした重さを感じるものだった。期待して開けてみると、鯖寿司と紅ショウガが入っていた。紅ショウガをつまむと、これはまあ、何というしょっぱさであろう。塩辛いのである。ショウガの辛味も吹き飛んでいる感じがした。鯖寿司の方は、まあまあというところか。何しろ1本千円という値段なのだから、それ相応の期待に止めなければならない。普通はこの倍か或いはそれ以上の価格なのだから、そのことを勘案しなければならない。それでも自分としては大満足だった。何といっても、思わぬところで、これを食べられたのだから。しかも昨日に引き続いてなのである。

食事の後の相棒との話で、ここは区切りをつけて、この後は伊根の舟屋の観光遊覧船に乗ることにしようと決める。明日の天気のことを考えると、早めに行った方がいいのではないかという判断である。一休みの後出発となる。12時40分出発。来た道を戻って、ここから伊根までは1時間半ほどであろうか。遊覧船は最終便が16時出航ということなので、十分に間に合う時間である。R9からR175・R176と進み、昨日泊った加悦の道の駅にちょっと立ち寄る。地元産の玉ねぎはないかなと探したのだが、あるにはあったけどまだ葉玉ねぎの状態で、スライスして食べるには小さすぎるものしかなかった。諦めて少し先の宮津市郊外のスーパーで手に入れる。宮津からは、R178に入り、天橋立を右手横に見たりしながら伊根の方向へ向かう。この暑さでは、天橋立の砂嘴を歩くのは諦めるしかない。元伊勢神社の籠(この)神社の脇を通りながら、やはりここを歩くのはもっと寒さのある時期の方がいいなと思った。今回はお伊勢さんにもお参りする予定だけど、伊勢神宮は元々はこの丹後の宮津のここに鎮座していたという。それが籠神社なのだとか。最初にその話を聞いた時には神様も転勤のようなものがあるのかと驚いたものである。今日は素通りとなった。

30分ほど走って伊根の観光遊覧船の発着所のある日出駅に到着。今日は土曜日なので、かなり混んでいて駐車できないかと心配していたのだが、これは杞憂だった。観光バスも止まっていたが、普通車のスペースも何台か空いていて、苦労せずに駐車することができ安堵した。観光船は毎正時と30分に出発するということで、我々は14時30分の便に乗れることになった。50人ほどの乗船客だった。100人くらい乗れる船なのでかなり余裕があった。海は穏やかで伊根湾は池の様にさざ波が光っていた。船はゆっくりと進んでいった。船内のアナウンスで伊根の歴史や現在の様子などを聞きながら、甲板での撮影に時を忘れた。特に相棒は長年の念願が叶って、感動一入だったようである。定置網や生け簀などの並ぶ湾内を少し回ると、海岸には舟屋の家々が並んでいた。ここも国の伝統的建物群保存地区の一つに指定されている。舟屋というのは、いかにも海の暮らしをものにしている人たちの住まいであるというのを実感させる景観である。何枚もの写真を撮った。しかし、このカメラでは大丈夫なのか少し心配だった。船に乗っている観光客の大勢がカモメに餌を投げるのに熱中していて、肝心の舟屋のことなどにはさっぱり関心がないように見えた。カモメだとか、トンビだとか、人間にまとわりつく奴はうっとうしい。自分は彼らのことを可愛いなどとは到底思えないのだが、喜んでいる人が多いのを見ると自分の方が変わっているということなのであろう。ま、普通の観光というのは、カモメと遊ぶというのが本道なのであろう。30分弱で船は元の桟橋に戻り、これで伊根の舟屋観光は終わりとなる。

   

伊根の舟屋の景観。湾の海岸線に密集しての家屋が並んでいる。それぞれの家には、1階部分に船を引き入れ係留する船溜まりが作られている。この景観は、海側から見てみないとなかなか味わえない。

車に戻り、とりあえず近くにある道の駅:舟屋の里伊根に寄ることにした。先ほどの観光船からも見えた施設である。伊根湾を見下ろす山の中腹の高台に造られている。10分ほどで到着。時刻は15時丁度。これから先どうするか。検討の結果泊りは久美浜という所に昨年オープンした道の駅にしようと決める。ここからは2時間ほどの距離だろうか。途中にある道の駅などにも寄りながら、丹後半島の海岸線を走るR178を辿ることにした。伊根の道の駅では、イカ(=剣先イカ)の生干しを焼いたのを売っており、この匂いにつられてつい一袋を買い求めることになった。こうなると今夜も酒が味わえることになる。いやはや。

伊根の道の駅を出発してから後の道程は大変だった。丹後半島の海岸線は砂浜などは皆無で、断崖絶壁ばかりなのである。高所恐怖症気味のある自分には、好ましいコースとは到底思えない、冷や汗の道のりだった。幸い崖は右側にあり、車は山側寄りを走るので、なるべく海の方を見ないようにしての走行だった。以前佐渡を一周した時も同じような景観に冷や汗を掻いた経験があるけど、ここはそれ以上に長い時間冷や汗をかく道が続いていた。10年以上前に一度ここを通っているのだけど、その時のことはほとんど覚えておらず、これほどの難所だったとは!地形の厳しさを思い知らされた感じがした。R178は豊岡市の方へ向かっているのだが、途中でいきなり細道になったり、立派になったり、猿が何匹も道脇で遊んでいたりして、何ともはや変化の大きな道ではある。

途中道の駅:てんきてんき丹後という所に寄り、一息入れる。相棒によれば、この辺りはタイザ蟹と呼ばれる特別の松葉ガニが獲れるところだとか。タイザとは漢字で「間人」と書くのだそうだ。蟹のことになると彼女は詳しい。自分が酒や焼酎に詳しい以上に、その詳しさは本物のようだ。しかしそのタイザ蟹を手に入れ、食するのは至難のことの様で、勿論今の時期は無理なのだが、蟹の季節がやってきても1匹3万円もするのでは、これはもう諦めて頂くしかない。道の駅を出た後、小さな集落に入ったのだが、どうやらそこが間人という地名の場所らしく、いたるところに間人という漢字が書かれているのに気づいた。それにしても、人間の反対の間人と書いて「たいざ」と読むとは!地元の人以外は特別な経験を持たない限り、まずこれを読める人はいないのではないか。

引き続きR178を走り、途中で道を間違えたりして、目的の久美浜の道の駅に着いたのは、17時半丁度だった。まだ日が残っており、暑さも変わらない。車を停めて駅舎の方に行ってみたが、既に営業は終了していた。昨年できた新しい道の駅の割には古い感じだなと思ったら、駅舎の入口に「新しく道の駅になりました」と書かれていた。以前からあった施設が道の駅に認定されたようである。海を遠望できる丘の中腹にあり、なかなか良い場所である。明日は8時開店ということだから、地元でどんなものが売られているのか楽しみである。車に戻り、BSの方のアンテナの設定をしたのだが、なかなか合わず諦めて地デジに変更する。ほんとは両方とも設定すべきなのだけど、日替わりで泊る場所が変更になるので、一々面倒なのである。居座る時以外はどちらか一方で済ませるようにしている。

今夜ここに泊る車は皆無のようだ。今の季節、くるま旅の人はさほど多くはないと思う。居られても大抵の方は名のある場所や温泉付きの様な場所を求めることが多いので、我々のような泊り方は異端ということになるのかもしれない。しかし、ここはトラックの出入りもなさそうで、静かな安眠を得られる場所であることは間違いない。穴場といってもいいように思えた。夕食は、今回の旅で初めてのご飯を炊いた。明日の朝のパンを買い忘れていたので、その分も含めての炊飯だった。しかし食べたのは軽く1杯だけで、その他は野菜類と白山堅豆腐と先ほど買った剣先イカで一杯やって、それで終わりである。どうも禁酒は今回は破るために掲げた目標の様である。20時過ぎ寝床に入る。

コメント (1)
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