山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

2010年西日本への旅 でこぼこ日記:第15日

2010-12-13 04:37:56 | くるま旅くらしの話

第15日<11月6日(土)>

 

【行 程】 三木SA → (山陽道・中国道・舞鶴若狭道) → 小浜西IC → (R27) → 若狭フィッシャーマンワーフ(福井県小浜市) → (R27) → 瓜割の滝・名水(福井県若狭町) → (R27・303) → 道の駅:若狭熊川宿(熊川宿散策)(福井県若狭町) → (R303・161・477・K11・R8・K55・K12) → 道の駅:こんぜの里りっとう(滋賀県栗東市) → (K12・55・R8) → 道の駅:アグリの郷りっとう(滋賀県栗東市) (泊)  <278km>

 

今日もいい天気のようだ。三木SAのある場所がどんな所なのか良くわからないのだけど、広い駐車場に一杯詰まった大型トラックの向うから太陽が昇る様は、自然界の海や山からの旭日とは又違った現代風朝ぼらけのムードがあった。昨夜は思ったよりも静かで、何日か前のような隣の車のエンジン音の迷惑を被ることはなかった。要するに隣人の心がけの問題なんだなと思った。大型トラックも半分以上はエンジンを止めていたように思う。

 

 さて、今日はいよいよ関西の本場(?)に向かう日である。神戸を通って大阪を抜けて奈良に行くのはどうも気が進まない。高速道の下の道やわけのわからないバイパスなどを幾つも通らねばならず、渋滞も予想されて気が進まないのである。地図を見ながらどうしたものかと考えている内に、そうだ、何も神戸経由で行かなくても、舞鶴経由で小浜の方から琵琶湖を経て奈良に行けばいいじゃないかと気がついた。来るときに通って来た道なので、考えの中に入っていなかったのである。ここからだと、一旦中国道に出て、少し反対方向に走った後、舞鶴若狭道に入れば良いのである。それに今日は土曜日なのだ。よし、これで行こうと決めたのだった。邦子どのが洗面に行っている間のことだった。このような突然の変更には馴れているので、彼女は驚きもせず、あ、そうといっただけだった。小浜を通れば、もう一度鯖寿司や鯖の串焼きにお目にかかれるという楽しみも増え、且つ瓜割名水の汲み場で、少なくなった水の補給も出来るのだ。我ながら良い思いつきだった。

 

 9時20分出発。一度来た道を走るのは少し安心感がある。とはいっても上りと下りとでは、周辺の景色は全く違う。実際は初めて走る道なのである。同じなのは、舞鶴若狭道という名称だけだ。往路の時から2週間ほどが経って、道の両側の山の景色は、わずかだけど紅葉の度が増している感じがした。2時間ほど走って、小浜のフィッシャーマンズワーフに到着。今回の旅でもう一度ここに来れるなんて、何という良い思いつきなのだろう。思わず自画自賛である。市場の中を歩き廻り、しっかり吟味の上、特大の鯖の串焼きを一本買う。邦子どのは寿司のようなものを買っているようだった。こんなときはいつも別行動で、自分の好きなものを買うのが我々の旅の仕方である。何はともあれ、気に入った串焼きを手に入れて大満足である。今から、早や今夕が楽しみである。

 

 小浜を出た後は、若狭町にある瓜割りの滝の名水を汲みに向かう。実は先に買った水は、邦子どのの話では臭いがあって使いたくはないのだとか。まだ数本が残っていたのだが、これらを全部捨てて新しく瓜割り名水に詰め替えることにした。水汲み場は、今日は平日とあってさほど混んではいなかった。SUN号の水槽も含めて水関係はすべて瓜割り名水で満たしたのだった。その後は、ここで昼食休憩とする。邦子どのは先ほど小浜でゲットした寿司、そして自分の方はジャガイモを蒸かして食す。この大幅な差には疑問を抱く方も居られるかも知れないけど、自分にとっては寿司よりもジャガイモの方がご馳走なのだから、仕方がない。ジャガイモ大好き人間なのだ。先日北海道の知人から送っていただいたジャガイモは、はっきり言って小浜の寿司よりもずっと美味いのだ。変な夫婦ではある。

 

     

瓜割の滝の傍にある名水汲み場の様子。若狭には名水が多い。初春の行事、奈良東大寺二月堂のお水取りの水は、若狭の神宮寺から送られるとか。瓜割りの名水は、通行手形を買って汲むことになっている。

 

 1時間ほど休憩の後出発して、すぐ近くの熊川宿に向かう。熊川宿というのは、その昔から京都と若狭とを結ぶ鯖街道と呼ばれた道の中にある宿場の一つで、現在でも往時の面影を多く残している場所だ。ここには道の駅もあり、何度か訪れているのだが、実はその宿場の様子をじっくりと見たことがなかった。道の駅に停まって、ほんの一部を覗く程度だったのである。それで、今回は時間に余裕もあるので、少し時間をかけて歩いてみようと思ったのである。

 

   

熊川宿の景観。往時を偲ばせる家並みが道の両側に1kmほどに亘って続いている。

 

 道の駅の手前の駐車場に車を置き、散策開始。宿場町は一本道の両側に宿屋や商売の店などが櫛比(しっぴ)しているが、鍵形の曲がりがあるのは、やはり戦国の時代の名残りなのであろう。熊川宿は、家の軒先を急流の小川が流れており、それが生活に役立っているようで、見たこともないイモ洗いらしい水車のようなものが回っている所があった。凡そ1kmほどの長さがあり、その先が道の駅とつながっている。邦子どのが往復して駐車場まで戻るのは厳しかろうと、途中で自分だけ引き返して駐車場に戻り、道の駅の方へ車を移動させる。その後、今度は道の駅側から邦子どのに会うまで歩くことにした。番所などを脇に見ながら少し歩くと、向うから重そうにカメラを抱えたその人がやって来た。

 

    

左は道路の側を走るかなり流れの早い清流に仕掛けられている芋などを洗うための水車。右は熊に注意の警告表示。

 

 熊川宿は馬篭や妻籠ほど特徴的な印象はなかったけど、一つだけ驚いたのは、「熊が目撃されています。熊に注意」という警告表示が出されていたことだった。熊川というくらいだから、この地は熊に縁があるのかもしれない。宿場町の裏奥の方には、かなり深い山が壁のように連なっているから、そこには何組かの熊君たちが住んでいるのかも知れない。ま、日中大勢の人間どもが歩き回っているときは出てはこないだろうけど。1時間ほど見物をしたあと、今日の宿を予定している道の駅:こんぜの里りっとうへ向かって出発。

 

 R303をしばらく走って、琵琶湖の湖畔近くに出て、今津でR167へ入り、琵琶湖大橋を目指す。新旭町も安曇川町も今では皆高島市となってしまった。近江商人の中では、湖西の高島商人は著名だから、元々この辺一体は高島というイメージがあり、このネーミングは納得できるような気がした。その高島市を通過し、今は大津市になった志賀町から湖西道路に入る。比良の山々が間近に見えるけど、まだそれほど目立った紅葉は見られないようだった。しばらく走って、真野ICから琵琶湖大橋につながるR477に入る。直ぐに大橋となり、200円也を払って、琵琶湖を横断する。そのまま真っ直ぐ行けばR8やR1に出られるのだが、少し時間に余裕があるので、この辺に来るといつも寄っている鮎家という近江近郊の名物などを商っている店に行って見ることにした。行ってみたけど、とりたたてて書くほどのこともない。行く度にだんだんと店の魅力が少なくなってゆくのを実感しただけだった。

 

 元の道に戻り、県道を通ってR8を目指す。途中、油価の安い店を発見し給油をする。その後は、R8、R1経由で再度県道に入り、道の駅:こんぜの里りっとうに着いたのは、16時半過ぎで、少し暗くなりかけていた。ここに泊るつもりでいたのだが、行ってみると駐車場がとんでもない坂ばかりなのである。坂の駐車場であっても、大概は何とかなるものなのだが、ここは全くいけません。寝るに適した角度の坂は全くない状況だった。単に車を止めておくだけなら、どんな坂でもさほど気にならないと思うけど、寝るとなると頭よりも足の方がずっと高いというのでは、これはもう話しにならない。この道の駅は、どこをどう選んでも眠るのに適した場所が見当たらないのである。これではどうしょうもないので、他に移ることにした。手元の資料では、栗東にはもう一つ道の駅があり、それは先ほど案内板を見て通り越してきた所なのである。アグリの郷りっとうというその道の駅は、街の賑やかな場所に位置しているので、静かな方をと選んだのだったが、こんな坂の状況では我慢がならないので、とにかくそこに戻ってお世話になることにする。

 

ところがその入口の案内板が不明確で、なかなか判らず間違えてしまった。その結果、とんでもない大渋滞に巻き込まれて、うんざりするほどの時間を食って、ようやく到着したのは、18時30分だった。あたりはもうすっかり日が暮れて暗くなっており、こんなに遅い到着は今回の旅では初めてのことだった。読み違えの恐さを改めて実感した次第である。ナビをつけておればこのような失敗はしないのかもしれない。でも、間違えるたびにそのエリアの状況に詳しくなるから、まあ、いいやと思っている。

 

この道の駅は思ったよりもメインのR8からは離れており、静かな雰囲気だった。但し、300mほど先を新幹線が走っており、それが通過する度にその音が伝わってくるので、ちょっと寝付くまでは気になるかもしれない。新幹線はトラックとは違い、深夜は走っていないので大丈夫だと思う。数台のキャンカーなどの旅車が泊るようだった。

コメント
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