今朝新聞を見ていたら、地方版に守谷関係の記事があり、その見出しに「見渡す限りポピーの花」とありました。守谷は茨城県一面積の狭い市ですから、いつも町中を歩いている私としては、そのようなポピー畑があるなど知らなかったというのは、恥ずかしいことでもあるのです。それで、早速そこへ行ってみることにしました。
そのエリアの小学校の傍の農家の人たちが景観対策として7カ所計3.7ヘクタールに昨秋タネを播き手入れをしてきたとのことです。とりあえずその小学校近くへ行けば畑は見つかるだろうと自転車で出かけました。本来なら歩いて行くべき距離なのですが、直ぐに畑が見つかる可能性が低いような気がして、自転車で行くことにしたのです。というのもその小学校の近くを何度も歩いているのに、ついぞそのような花畑があることなど知らなかったからでした
守谷という所は、関東平野のど真ん中近くに位置し、利根川、鬼怒川、小貝川に囲まれた平均海抜が27mに過ぎない平地の多い場所です。それでも「守谷」と呼ばれているのは、その昔ヤマトタケルが蝦夷征伐か何かで此処を通った時に、樹木が見事に茂っているのを見て「森哉!」と叫んだという伝説?に由来しているのだそうで、今でも残されている緑は多く、私としては大木を見るたびに嬉しさを味わっているのです。
その小学校のエリアは、利根川の堤防下に広がる田んぼから10m近い高台に開けた集落の中にあり、そこには休耕地などあまり見当たらなく、その場所を探すのは結構難しそうでした。どうせヒマなので、片っ端から見て回れば見つかるはずだと、近くに屯(たむろ)して世間話に熱中しているおばさん集団に訊くこともせず、走り回りました。やっぱり集落の中には見当たらないので、見渡す限りなどという広がりは、もしかしたら田んぼの方なのかと、台地を下りて利根川に向う小道を行くことにしました。
田んぼとの境の崖にはケヤキやクヌギやエノキなどの大木がかなり残っており、その森の中にはウグイス君たちがたくさん住んでいるらしくて、賑やかに喉を競っていました。「ホケキョケ」はいないようでしたが、「ホキョケ」と鳴く奴などもいて、ウグイスというのは、皆同じではなく、結構個性を主張した鳴き方があるのだなと思いました。
坂を下りて少し行くと正面近くに赤やピンクの絨毯のような景色が目に飛び込んで来ました。や、あれに違いない!と心が弾みました。なるほど、なるほど、なかなかの見事さでした。北海道の花畑の広さには及びませんが、この町では最大の花畑には違いないと思いました。ポピーは8分咲きというところでしょうか。初めて植えられたことに少し驚いているような感じで、ポピー独特の派手さが少し控えめになってやや幼さを覚えさせる咲き方のように思いました。来年も続けて頂ければ、本来のポピーの華やかさが濃くなるに違いありません。自転車を停め、しばらく虞美人草の艶やかさを鑑賞しました。
守谷市郊外のポピー畑。艶やかな花の広がりは、ひと時心を和ませてくれる
ポピーといえば、昨年は下妻市郊外、小貝川の河川敷のポピー畑に栽培を禁じられているものが混ざっていたという報道があり、私たちもすっ飛んで見にいったのでしたが、野次馬としての足が一つ遅くて、既に刈りとられた後でした。毒のある花ほど妖艶というか濃艶という感じがするのは、ポピーだけではなくトリカブトなども同じような気がします。北海道へ行くと、原生花園の藪の中に時々その濃艶な花を見かけることがあります。
花を植えるというアイデアは、素晴らしいと思います。休耕田や休耕地に植えられるものとして、コスモスが多いような気がしますが、ポピーもいいものだなと思いました。このアイデアを実行された皆さんに大いなるエールを送りたいと思います。明日は歩いて見に行くつもりでいます。片道4kmくらいではないかと思いますが、明日の朝が楽しみです。