東京多摩借地借家人組合

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公団自治協が「公共住宅の住まいを守る大学習会」を開催

2019年11月20日 | 最新情報
 全国公団住宅自治会協議会は、「公共住宅の住まいを守る大学習会」を10月4日午後、千代田区の日本教育会館で開催しました。

 講師は東京大学大学院准教授の祐成保志氏と東京大学社会科学研究所・所長の佐藤岩夫氏よりそれぞれ講演がありました。

 祐成氏は「福祉社会の基盤としての居住保障」と題して、最近のイギリスの住宅事情、イギリスの住宅政策の特徴、日本の住宅政策は何を学ぶべきか等について報告がありました。最近の住宅事情では、住宅価格の上昇と教育費負担の増大で若年層の持ち家率が減少する一方、ロンドンの中心地に居住していたが家賃が払えなくなり、オフィスビルを住居に転用した「人間倉庫」に住んでいたり、子供のいる家族がコンテナで暮らすなど住宅問題が深刻化しています。

 公営住宅が減少する一方で公的支援を受けた民間の住宅協会が低家賃の社会住宅を供給しています。ロンドンの選手村も半分は住宅協会に売却され、市場家賃の半分程度で供給しています。イギリスの住宅政策の公的住宅手当は375万が受け、イギリス人の生活には欠かせない制度になっているとの指摘がありました。

 佐藤氏は「民法改正と居住権保護~ドイツと日本の比較」と題して、日本とドイツの民法改正を比較する形で、居住の保障に関する法制度の在り方について報告がありました。

 日本の民法改正では、賃借人の居住保障(生活保障)に関わる存続保護(正当事由制度)や家賃規制(相当家賃制度)は、依然として民法の特別法(借地借家法)の問題とされ、一般法である民法典の中に取り入れられませんでした。ドイツでは2つの民法改正を経て、賃貸借法は特別法から民法典の中に統合され、住居賃貸借が賃貸借法の中心となり、賃借人の居住保障が恒久的な制度と位置付けられたことなどが強調されました。


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