東京多摩借地借家人組合

アパート・賃貸マンション、店舗、事務所等の賃貸のトラブルのご相談を受付けます。

第一回セーフティ・ネットワーク実現チームが開かれました

2010年05月12日 | 国と東京都の住宅政策
5月11日、第一回セーフティ・ネットワーク実現チームが開かれた。趣旨は、「ワンストップ・サービス・デイ」の試行や年末年始の生活総合相談など昨年来の貧困・困窮者支援の取り組みをふまえて、「パーソナル・サポート(個別支援)」の導入や家賃補助も含めた「居住セーフティネット」の整備といったセーフティ・ネットワークの実現に取り組むというもの。主な検討項目は下記の通り。
●昨年来の「貧困・困窮者支援チーム」における取組の総括
●「通年対応」としての「パーソナル・サポート(個別支援)」の検討
・非正規就業や長期失業などで生活に困窮する人々を個別的・継続的に支える「パーソナル・サポート(個別支援)」のありかたの検討
●「居住セーフティネット」の検討
・一定の居所を定めず、仕事を求めて各地を転々とせざるをえない方々などに対する保護・支援について、自治体が、要支援者の集中に対する懸念を持つことなく、適切に実施責任を果たすことができるようにするための方策の検討。
・離職者・低所得者の「居住の権利」を支え、就労を促進するための住まい対策の検証とそのありかたの検討。

まず最初に、菅副総理が開会のあいさつ。細川主査のあいさつの後、この案件に取り組むために再び内閣府参与になった「もやい」事務局長の湯浅誠さんから提案。昨年来の取組からいろんな課題が見えてきたこと、困窮の手前の段階でより広い層に対応できるように、ということから今回の動きにいたったとのこと。
「パーソナル・サポーター」とは、湯浅さんの言葉を借りれば「専門知識をもつ友人」だ。これは、制度本位から人本位への転換を意味している。いままでの制度本位であれば、窓口に来た人に対し「あなたに合う制度はないですよ」といって目の前から消えてくれれば、窓口の業務は完了した。しかし、人本位に組み替えていけば、制度が当てはまらない人に対し、どうやってその人の暮らしをサポートしていくかに取り組む必要がでる。こうした個別的、継続的、制度横断的な対応をする寄り添い型・伴走型のサービスをやろうというものだ。
「こうしたパーソナル・サポーターをつくっても、周辺がバックアップしなければ活きない。官民含めた協力体制が必要だ」と湯浅さんは強く訴えた。

私も、居住の貧困が例えば子どもにとって大きな心の傷になる、と実体験をふまえて訴えた。私自身、子ども時代に親子4人で6畳一間に住んでいた経験があるからだ。居住の貧困は、大人だけではなく、子どももろとも転落していく状況になりうることは身につまされている。

当面のスケジュールは、5月中に取組の基本方針を中間的にとりまとめ、新成長戦略「雇用・人材戦略」に反映する。その後、「セーフティ・ネットワーク」の実現に向けて具体的な取組の検討を進めることになる、と事務局長の山野井政務官。
どれだけ当事者のきもちになってとりくんでいけるか、当事者の声をよく知っている人の声をどれだけすくえるか。血の通ったセーフティネットをつくれるかの勝負だ。しっかりやっていきたい。( 辻元清美ブログ 5月12日 )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

安心・安全ナビ:家賃の強引な取りたてや追い出しに遭ったら?

2010年05月12日 | 追い出し屋被害 家賃保証会社
 アパートやマンションなどの家賃が支払えない入居者を司法手続きを踏まずに強引に追い出したり、無断で私物を処分したりする「追い出し屋」の被害が深刻化している。不況や家主の事情など背景は重層的だが、法律の専門家は「一人で悩まずに相談してほしい」と呼び掛けている。

   *

 「お宅、家賃払っとらんだろ!」。今年2月、名古屋市の男性(50)が、アパートに来た家賃保証会社の従業員2人に怒鳴られた。男性は今年1月、不動産会社の仲介で家主と家賃月3万5800円の賃貸借契約を結び、保証会社と家賃保証の委託契約をした。しかし、生活保護を受けている男性は、知人への借金返済もあり、2月分の家賃が支払えなかった。

 男性は退去を迫られ、アパートを出た。野宿などをしながら、不動産会社にアパートに戻れるよう交渉し、2、3月分の家賃支払いを約束してアパートに戻った。ところが、部屋に戻ってみると、テレビや洗濯機などの家財道具がなくなっていた。男性は保証会社に対し、家財道具を無断で処分したとして、慰謝料などを求める訴えを名古屋地裁に起こし、係争中だ。

   *

 国民生活センター(東京)によると、同センターなどに寄せられた家賃保証をめぐる09年度の消費者トラブルなどの相談件数は600件余りで、5年前の10倍以上に達している。

 住人に無断で鍵を交換、深夜の督促……。こうした問題に対応しようと、全国の弁護士や司法書士の有志が09年2月、「全国追い出し屋対策会議」を結成。名古屋市の男性の提訴は、愛知県で発足した「対策会議あいち」が週1回開いている電話相談を利用したことがきっかけだった。

 同会議あいちによると、追い出し屋被害の背景には、▽賃貸経営が安定せず、家主の家賃未払いに対する耐久力がなくなった▽敷金や連帯保証人を準備できない顧客を確保するため、不動産会社などが保証会社と提携している--ことなどがあるという。

 強引な取り立てをめぐっては、保証会社や管理会社などを相手取った訴訟が全国で30件余り起こされている。また、姫路簡裁は09年12月、追い出し行為を直接していない家主に対しても、業務委託先の管理会社と同様に責任を認め、慰謝料支払いを命じている。国は、家賃債務保証業者の登録を義務付けたり、悪質な取り立てを規制したりする法案をまとめ、現在、国会で審議されている。

 対策会議あいち事務局長の小田典靖弁護士は「家賃を滞納したとしても、貸主との信頼関係が崩れるまでにいたっていない段階で脅迫的に追い出すことは、居住権を侵害しており違法だ。被害を受けたら、我慢することなく、法律の専門家などにすぐに相談してほしい」と話している。【高木香奈】

(毎日新聞 5月12日)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする