玉野市の競輪場はミッドナイト競輪、ナイター競輪の実施により競輪事業は好調で、
この3年間、毎年6億円近い純利益を上げている。
この競輪事業をこともあろうに2020年度から市外の民間企業に包括委託する。
さらに、この民間企業に設計から建設まですべて丸投げで、
20億円も投入して競輪場施設整備を本格的に実施するというのだ。
12月議会に提出された議案では、債務負担行為補正として競輪場再編整備経費として
20億円が計上され、「競輪事業の包括業務委託に要する経費」として、
「令和2年度から令和21年度まで」の限度額として、
「管理運営に要する費用(競輪事業実施を通じて得た収入から、競輪事業実施に伴い
市が負担することとされている経費及び契約に基づく収益保証の額を控除した額)」と記載。
なんと、玉野競輪場を今後20年間にわたり、事実上、民間企業の儲けに提供し、
玉野市は大損する羽目になることは間違いない。こんな長期にわたる契約(債務負担行為)自体が
異常というか、他市ではあり得ないことで、競輪事業委託では多くのところが5年程度である。
収益保証額は、年間3億円という情報もあるが、市民や議会全体が知らないところで、
まさに、密室協議に近いかたちで事を、性急に進めている。
「民間に任せたら経費が約1億円程度削減できる。
このミッドナイト・ナイター競輪の売上好調は、今後も続くと見込んでいる。」という。
だとすれば、単年度実質収支・純利益は、通常の場合年5億円超を見込むことができ、
さらに、民間企業運営で約1億円の経費削減ができるなら、単純に計算しても、
6億円の競輪利益が当分の間見込めるのである。それを、
民間企業から毎年3億円を収益保証として、玉野市の収入としてもらい、
残り3億円は民間企業の儲けに譲り渡す、
無茶苦茶な、みすみす玉野市と玉野市民が大損するような契約だとすれば・・・。
あり得ないことを、いま、この12月議会で提案しようとしている。
「財政が厳しい」と市民に説明し、市民センター等の行政サービスを
切り捨てようとしている、一方で
こんな、民間企業にはおいしい話し(契約)を提供し、
玉野市の競輪場をただ同然で明け渡し、3億円もの利益を民間に渡してしまうとしたら、
こんな市政と、これを容認する議会だとすれば・・・。
いずれにしても、この競輪事業の情報が市民にほとんど知らされていないことが大問題である。
黒田市政の市民そっちのけ、トップダウン市政が、
ここまでひどくなったのか、と思わざるを得ない。