「 国際的批判の人質司法論証 角川氏 違憲訴訟起こす」の見出しで、6月28日付の「しんぶん赤旗 日刊紙」13面の記事。その上側には「人質司法の罠」──「認めろ」圧力 24時間──の見出しで、「白瀧町事件の奥田恭正さんの場合」の記事。さらに記事は、冤罪事件の「大川原化工機事件」や袴田巌さんの冤罪事件にもふれている。
出版大手KADOKAWAの角川歴彦会長(80歳)が6月27日、「身体拘束の中で自白の『半歩』手前のところまで追い詰められた」と、東京地裁に訴えた。また、同日、スイスのジュネーブにある「国連人権理事会恣意的拘禁ワーキンググループ」に通報した。角川氏は、東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件の贈賄容疑で、226日間勾留された。保釈を求めても、検察が反対し、5度目の保釈請求でようやく保釈。体重が9キロ減り、車イスで拘置所を出た。
角川氏と弁護団は、「この裁判は刑事裁判とは全く別の訴訟で、ここで無罪を主張する気はない。この裁判の目的は、国際的に批判を浴びている人質司法をつぶさに論証し、制度改善、運用改善を求めることが目的」と述べている。
角川氏は「こうした人権侵害に裁判が起こされてこなかったことが私には信じられない。何万人といるだろう人質司法の屈辱を受けた方々と経験を共有していきたい」と語ったことを記事が紹介している。
同日の新聞には、「変更 黒川氏のため」 大阪地裁判決、検事長定年延長で認定──の記事。安倍内閣が2020年1月に閣議決定した黒川弘務・元東京高検検事長の異例の定年延長をめぐり、法務省内で法解釈を変更した文書の開示と、何のために作られたかを問う訴訟の判決が27日、大阪地裁であった。原告の上脇博之・神戸学院大教授の主張を認めた。地裁判決は「解釈変更の理由は、黒川検事長の勤務延長を行うことしかあり得ない」と判断。当時の安倍内閣の意向で法律をねじ曲げた。上脇氏は「…国会での追及が必要だ」と話している。この黒川氏は「かけマージャン」が発覚し辞任している。
倉敷民商弾圧・冤罪事件では、禰屋町子さんは428日間も身柄を拘留され、家族とも面会させず、人権を踏みにじってきた。
「脱税ほう助」「税理士法違反」の冤罪事件。脱税をしたという肝心の建設会社の経営者は、起訴も拘留もされていない。この人質司法は憲法違反であり、人権を守る国際的な水準に法改正しなければならない。
また、安倍元首相・内閣の法律をねじ曲げた権力の違法行為も、今後、国会等で厳しく糾弾されなければならない。