2023年3月議会 本会議最終日 3月20日の私の反対討論の要旨
日本共産党市議団の松田達雄です。私は日本共産党会派を代表して本議会に上程された議案のうち、10議案に反対して討論を行います。
自公政権による大軍拡と増税、社会保障のさらなる削減など、市民の平和と自由、暮らしと福祉が大きく脅かされようとしています。権力による「学問の自由」の侵害、メディア・テレビ等の報道の自由への介入・圧力など、権力に都合の悪いものを抑圧・弾圧する危険な動き、まさに、「新しい戦前」、「戦時体制づくり」が進められようとしている情勢のもとでの、令和5年度予算案です。
憲法を暮らしに、市政に生かす、市政運営を求めて以下、「異議」ありの意見を述べます。
言うまでもなく、市民のくらし・福祉・教育を守り、ささえる諸施策や市民にプラスとなる政策予算には当然、賛成するものです。市民の願いに背を向ける施策や無駄遣い予算、国の制度設計により市民生活を困難にする問題のある関係予算などに反対するものです。
最初に、議案第1号 令和5年度玉野市一般会計予算です。コロナ禍と物価高騰など市民の暮らしと営業が厳しい状況にあるにも関わらず、その支援策に問題があります。子どもの医療費を18歳まで無料化することは評価するものですが、学校給食費の保護者負担を元に戻し、食材等の高騰分を値上げし、保護者負担を増やす予算です。多くの地方自治体が学校給食費の段階的な軽減策を実施するか、又は無償化に踏み切っています。本市でも軽減策に取り組み、子育て支援を充実するよう求めます。
また、政府による新自由主義政策の推進で、地方自治体の事業が市外企業の儲けに提供され、企業の儲けのために利用されるような異常な事態が進行しています。本市の場合では、競輪場施設整備とホテル兼選手宿舎建設、「どうみてもホテル事業の方は、見通しがない」との市民の声が多く、ホテル建設費用の埋め合わせなどのため、競輪事業の利益を何億円も市外企業に差し出す問題、また、学校給食センターのPFI方式による高くつく整備・運営方式。さらに渋川観光駐車場を通年有料化で、市外企業を指定管理者にして利益を提供し、地域内経済循環を壊すなど、余分な税金投入と無駄遣いのオンパレードと言わなければなりません。これを引き継ぐ本予算には反対します。
また、市民センター窓口業務の廃止問題は、一部見直しをされるものの不十分です。2千数百万円で窓口を全面復活できる予算を、行財政改革の成果が失われるといいつつ、来年度予算には費用対効果に疑問がある観光・呼び込み型予算が多く計上されています。いま住んでいる地域住民が安心して暮らせる地域をつくり、地域を活性化するためには、自民党政治が進める集約型・コンパクトシテイではなく、地域にある市民センターを少子高齢社会、人口減少社会を支える防災・福祉・社会教育、地域活性化の地域拠点施設として再生することこそ、重要です。
新たな「行財政改革大綱・実施計画」では、「渋川周辺の活性化」を項目に加えていますが、観光政策を「行革」方針に位置付けるなど、大きな間違いです。CCRC・「生涯活躍のまち」推進による無駄遣い、失敗の教訓を生かすべきです。また、過去のスペイン村開発、王子が岳の幽霊ホテルなど観光政策の失敗は、大型開発、箱物建設による失敗だけでなく、「住んでよし、訪れてよし」、住民・市民に支持される観光政策となっていなかったことです。観光客呼び込み型、目先の儲け優先の観光政策の失政から学ばなければなりません。競輪場のホテルや渋川観光駐車場の通年有料化が、多くの市民・住民から支持され、歓迎されているでしょうか。私は、同じ失敗を繰り返すことになるのではないかと危惧しています。
市民病院の地方独立行政法人化と新病院建設では、建設資材の高騰等で10億円近い追加負担が必要になります。日本共産党市議団が以前から提案していた、市民病院改革案、新病院建設方式を採用していれば、もっと早期に、安く建設できていたと考えます。さらに病床数の大幅削減は、国が進める地域医療構想を先取りするもので、地域医療の後退をまねき、医療難民をつくりかねない、大きな禍根を残すものではないでしょうか。
また、本市の場合、雇用と全中小企業を守り、地域産業を振興するための「中小企業・小規模企業振興基本条例」がなく、事業者の声を集め、戦略的・計画的に地元業者の振興を図る点で大きな立ち遅れがあります。条例制定を求めます。
ごみ処理の広域化問題、本庁舎建設など、玉野市政は多くの問題点、課題が山積していますが、これまでの予算・決算などの議案の反対討論で重要な点は繰り返し、指摘しておりますので、これらの理由から本予算に反対するものです。
次に、議案第2号国民健康保険事業特別会計予算、議案第6号介護保険事業特別会計予算、議案第7号後期高齢者医療事業特別会計予算、並びに議案第16号国民健康保険条例の一部を改正する条例の4議案について、これらは国が制度をつくり、地方自治体等が保険者となり運営されている制度です。いずれも政府の政策にもとづき、制度が改悪され、市民の保険料、医療費負担が年々重くなっています。地方自治体や住民から、国による財政支援の拡充、制度の抜本的改善を求める声が上がっています。しかし、政府は、軍事費は2倍化し、大企業・富裕層へは優遇税制を続けたまま、国民・市民負担を増やす方向で制度改悪を画策しています。また、本市においては、国保制度における均等割の軽減など、市民の負担軽減のための市独自の軽減策が不十分であり、市民の生存権を脅かす徴収行政にも問題があります。以上の理由からこれら4議案に反対します。
次に議案第3号玉野市競輪事業特別会計予算について、これまでも指摘していますが、包括業務委託した市外の民間事業者との不透明な契約関係など、まさに、民間企業の利益優先、地元競輪ファンや市民そっちのけの事業運営の在り方など、問題が多く反対です。本市が主導的に運営し、委託企業を適正に指導監督すること、委託契約の抜本的な見直し、市への繰入金を最大限に確保するなど、癒着構造が問われることがないよう公正な事業運営への改善を求め、本会計予算に反対します。
次に議案第9号下水道事業特別会計予算について、これまでも繰り返し述べていますが、過去の旧三井造船との下水道未接続問題は、市民に莫大な損失を与えているにも係わらず、この問題の清算・総括がされていません。時がたち、重要問題をうやむやにする行政体質は許されません。以上の理由から反対します。
次に、議案第10号玉野市総合計画の策定についてです。
「デジタル・トランスフォーメーションの推進」が掲げられ、「より一層強力に推進」するとしています。市民のためのデジタル化そのものに反対するものではありませんが、政府が進める自治体DXには、地方自治体がもつ市民の個人情報保護の観点から大きな問題があります。デジタル先進国では個人情報保護が強化されていますが、日本は大きく立ち遅れています。忘れられる権利やプロフィリングを拒否する権利など「自己情報コントロール権」を確立する法改正が必要です。
また、マイナンバーカード取得を何兆円もの莫大な費用を投入して、アメとムチで、カード交付率を高め、カード取得を強制化することに反対します。市民の個人情報を民間企業の儲けのタネに利用する、また、IT産業との癒着問題など、大企業の利益優先の新自由主義的なデジタル化となっています。この国のすすめる自治体DXを無批判的に強力に推進するのではなく、真に市民の個人情報を保護し、「誰一人取り残さない」、市民参加のデジタル化に抜本的に改善するよう求めるものです。
また、総合計画には、「玉野市協働のまちづくり基本条例」が明記する、市民の知る権利、市政への参画の権利、「市民が主役」の視点が弱く、賛成できません。
また、カーボンニュートラル・地球温暖化対策についても、その実行が先延ばしされている感があります。2030年までに実効ある対策が講じられる、もっと意欲的な取り組みとなるよう求めます。
次に議案第11号 岡山市及び玉野市における連携中枢都市圏形成に係る連携協約の変更に関する協議についてです。こうした圏域形成は、やがて中心地・特に岡山市に福祉、医療、教育などの行政サービスや公共施設、地域経済と雇用などを集約化し、周辺となる市町村における行政サービスが低下し、公共施設の統廃合が進められます。周辺住民の声は中心市に届きにくく、住民自治の後退も危惧されます。新たな広域連携を持ち出している政府の狙いは、財界が究極の構造改革と位置づける道州制導入への道を開こうとするものです。よって、本議案に反対いたします。
最後に、議案第18号 負担付き寄附の受入れについては、市にはまったくメリットがなく、グランピング事業者を利するだけの寄附の受入れです。何故なら、国から約2千万円も補助を受け、総額で約8千万円を投入しての施設整備です。市が寄附を受ける道理はありません。事業者にとっては毎年の固定資産税負担がなくなり、事業廃止、撤退の際には基本的構造物等の施設撤去の必要性もなく、他の事業者への事業継続を依頼する必要も、責任もなくなります。
本来、事業者との当初の契約において、事業廃止、撤退の際の条件をつけ、他事業者への事業継続の努力、構造物の撤去、原状復帰義務、さらに、場合によればグランピング施設の市への無償譲渡など、市にとって有利な条件での契約にしていてれば問題はなく、さらに言えば、現時点で、事業者との契約を見直せば済む話です。活性化を口実に市外企業の儲けに奉仕するような、本市にとって不利となる、道理のないこのような負担付き寄附の受入には反対します。
以上で私の反対討論を終わります。
日本共産党市議団の松田達雄です。私は日本共産党会派を代表して本議会に上程された議案のうち、10議案に反対して討論を行います。
自公政権による大軍拡と増税、社会保障のさらなる削減など、市民の平和と自由、暮らしと福祉が大きく脅かされようとしています。権力による「学問の自由」の侵害、メディア・テレビ等の報道の自由への介入・圧力など、権力に都合の悪いものを抑圧・弾圧する危険な動き、まさに、「新しい戦前」、「戦時体制づくり」が進められようとしている情勢のもとでの、令和5年度予算案です。
憲法を暮らしに、市政に生かす、市政運営を求めて以下、「異議」ありの意見を述べます。
言うまでもなく、市民のくらし・福祉・教育を守り、ささえる諸施策や市民にプラスとなる政策予算には当然、賛成するものです。市民の願いに背を向ける施策や無駄遣い予算、国の制度設計により市民生活を困難にする問題のある関係予算などに反対するものです。
最初に、議案第1号 令和5年度玉野市一般会計予算です。コロナ禍と物価高騰など市民の暮らしと営業が厳しい状況にあるにも関わらず、その支援策に問題があります。子どもの医療費を18歳まで無料化することは評価するものですが、学校給食費の保護者負担を元に戻し、食材等の高騰分を値上げし、保護者負担を増やす予算です。多くの地方自治体が学校給食費の段階的な軽減策を実施するか、又は無償化に踏み切っています。本市でも軽減策に取り組み、子育て支援を充実するよう求めます。
また、政府による新自由主義政策の推進で、地方自治体の事業が市外企業の儲けに提供され、企業の儲けのために利用されるような異常な事態が進行しています。本市の場合では、競輪場施設整備とホテル兼選手宿舎建設、「どうみてもホテル事業の方は、見通しがない」との市民の声が多く、ホテル建設費用の埋め合わせなどのため、競輪事業の利益を何億円も市外企業に差し出す問題、また、学校給食センターのPFI方式による高くつく整備・運営方式。さらに渋川観光駐車場を通年有料化で、市外企業を指定管理者にして利益を提供し、地域内経済循環を壊すなど、余分な税金投入と無駄遣いのオンパレードと言わなければなりません。これを引き継ぐ本予算には反対します。
また、市民センター窓口業務の廃止問題は、一部見直しをされるものの不十分です。2千数百万円で窓口を全面復活できる予算を、行財政改革の成果が失われるといいつつ、来年度予算には費用対効果に疑問がある観光・呼び込み型予算が多く計上されています。いま住んでいる地域住民が安心して暮らせる地域をつくり、地域を活性化するためには、自民党政治が進める集約型・コンパクトシテイではなく、地域にある市民センターを少子高齢社会、人口減少社会を支える防災・福祉・社会教育、地域活性化の地域拠点施設として再生することこそ、重要です。
新たな「行財政改革大綱・実施計画」では、「渋川周辺の活性化」を項目に加えていますが、観光政策を「行革」方針に位置付けるなど、大きな間違いです。CCRC・「生涯活躍のまち」推進による無駄遣い、失敗の教訓を生かすべきです。また、過去のスペイン村開発、王子が岳の幽霊ホテルなど観光政策の失敗は、大型開発、箱物建設による失敗だけでなく、「住んでよし、訪れてよし」、住民・市民に支持される観光政策となっていなかったことです。観光客呼び込み型、目先の儲け優先の観光政策の失政から学ばなければなりません。競輪場のホテルや渋川観光駐車場の通年有料化が、多くの市民・住民から支持され、歓迎されているでしょうか。私は、同じ失敗を繰り返すことになるのではないかと危惧しています。
市民病院の地方独立行政法人化と新病院建設では、建設資材の高騰等で10億円近い追加負担が必要になります。日本共産党市議団が以前から提案していた、市民病院改革案、新病院建設方式を採用していれば、もっと早期に、安く建設できていたと考えます。さらに病床数の大幅削減は、国が進める地域医療構想を先取りするもので、地域医療の後退をまねき、医療難民をつくりかねない、大きな禍根を残すものではないでしょうか。
また、本市の場合、雇用と全中小企業を守り、地域産業を振興するための「中小企業・小規模企業振興基本条例」がなく、事業者の声を集め、戦略的・計画的に地元業者の振興を図る点で大きな立ち遅れがあります。条例制定を求めます。
ごみ処理の広域化問題、本庁舎建設など、玉野市政は多くの問題点、課題が山積していますが、これまでの予算・決算などの議案の反対討論で重要な点は繰り返し、指摘しておりますので、これらの理由から本予算に反対するものです。
次に、議案第2号国民健康保険事業特別会計予算、議案第6号介護保険事業特別会計予算、議案第7号後期高齢者医療事業特別会計予算、並びに議案第16号国民健康保険条例の一部を改正する条例の4議案について、これらは国が制度をつくり、地方自治体等が保険者となり運営されている制度です。いずれも政府の政策にもとづき、制度が改悪され、市民の保険料、医療費負担が年々重くなっています。地方自治体や住民から、国による財政支援の拡充、制度の抜本的改善を求める声が上がっています。しかし、政府は、軍事費は2倍化し、大企業・富裕層へは優遇税制を続けたまま、国民・市民負担を増やす方向で制度改悪を画策しています。また、本市においては、国保制度における均等割の軽減など、市民の負担軽減のための市独自の軽減策が不十分であり、市民の生存権を脅かす徴収行政にも問題があります。以上の理由からこれら4議案に反対します。
次に議案第3号玉野市競輪事業特別会計予算について、これまでも指摘していますが、包括業務委託した市外の民間事業者との不透明な契約関係など、まさに、民間企業の利益優先、地元競輪ファンや市民そっちのけの事業運営の在り方など、問題が多く反対です。本市が主導的に運営し、委託企業を適正に指導監督すること、委託契約の抜本的な見直し、市への繰入金を最大限に確保するなど、癒着構造が問われることがないよう公正な事業運営への改善を求め、本会計予算に反対します。
次に議案第9号下水道事業特別会計予算について、これまでも繰り返し述べていますが、過去の旧三井造船との下水道未接続問題は、市民に莫大な損失を与えているにも係わらず、この問題の清算・総括がされていません。時がたち、重要問題をうやむやにする行政体質は許されません。以上の理由から反対します。
次に、議案第10号玉野市総合計画の策定についてです。
「デジタル・トランスフォーメーションの推進」が掲げられ、「より一層強力に推進」するとしています。市民のためのデジタル化そのものに反対するものではありませんが、政府が進める自治体DXには、地方自治体がもつ市民の個人情報保護の観点から大きな問題があります。デジタル先進国では個人情報保護が強化されていますが、日本は大きく立ち遅れています。忘れられる権利やプロフィリングを拒否する権利など「自己情報コントロール権」を確立する法改正が必要です。
また、マイナンバーカード取得を何兆円もの莫大な費用を投入して、アメとムチで、カード交付率を高め、カード取得を強制化することに反対します。市民の個人情報を民間企業の儲けのタネに利用する、また、IT産業との癒着問題など、大企業の利益優先の新自由主義的なデジタル化となっています。この国のすすめる自治体DXを無批判的に強力に推進するのではなく、真に市民の個人情報を保護し、「誰一人取り残さない」、市民参加のデジタル化に抜本的に改善するよう求めるものです。
また、総合計画には、「玉野市協働のまちづくり基本条例」が明記する、市民の知る権利、市政への参画の権利、「市民が主役」の視点が弱く、賛成できません。
また、カーボンニュートラル・地球温暖化対策についても、その実行が先延ばしされている感があります。2030年までに実効ある対策が講じられる、もっと意欲的な取り組みとなるよう求めます。
次に議案第11号 岡山市及び玉野市における連携中枢都市圏形成に係る連携協約の変更に関する協議についてです。こうした圏域形成は、やがて中心地・特に岡山市に福祉、医療、教育などの行政サービスや公共施設、地域経済と雇用などを集約化し、周辺となる市町村における行政サービスが低下し、公共施設の統廃合が進められます。周辺住民の声は中心市に届きにくく、住民自治の後退も危惧されます。新たな広域連携を持ち出している政府の狙いは、財界が究極の構造改革と位置づける道州制導入への道を開こうとするものです。よって、本議案に反対いたします。
最後に、議案第18号 負担付き寄附の受入れについては、市にはまったくメリットがなく、グランピング事業者を利するだけの寄附の受入れです。何故なら、国から約2千万円も補助を受け、総額で約8千万円を投入しての施設整備です。市が寄附を受ける道理はありません。事業者にとっては毎年の固定資産税負担がなくなり、事業廃止、撤退の際には基本的構造物等の施設撤去の必要性もなく、他の事業者への事業継続を依頼する必要も、責任もなくなります。
本来、事業者との当初の契約において、事業廃止、撤退の際の条件をつけ、他事業者への事業継続の努力、構造物の撤去、原状復帰義務、さらに、場合によればグランピング施設の市への無償譲渡など、市にとって有利な条件での契約にしていてれば問題はなく、さらに言えば、現時点で、事業者との契約を見直せば済む話です。活性化を口実に市外企業の儲けに奉仕するような、本市にとって不利となる、道理のないこのような負担付き寄附の受入には反対します。
以上で私の反対討論を終わります。