「もう限界」と、9月議会で玉野市民病院を指定管理制度による民営化や民間移譲の方向を表明した黒田市長。
確かにこの数年の市民病院経営はきびしい状況にあるが、だからと言って、民間に投げ出さなければならないほど、
ギブアップしなければならないほど、市民病院の経営は行き詰まっているとは思えない。
また、市民からの救急受け入れや患者への接遇などに一部不満の声を聴くが、改善できない問題ではない。
平成22年12月に森田 潔当時の岡大病院院長を委員長とした「玉野市民病院改革検討委員会」が「提言書」を発表し、
これを受けて翌年の平成23年3月に市民病院経営改善委員会が「経営改善計画」を策定し、
平成27年度末までの具体的改善計画を実施している。個々の具体的計画は一定改善されているものの
医療収益において入院収益の落ち込みなど、改善成果があがっていないことは確かである。
しかし、経営改善委員会の責任者・委員長は副市長であり、最高責任者は市長ということになる。
平成23年度から25年度にかけて経営改善が思うように進んていない原因をいち早く察知し、
その対策を病院の事業管理者などの幹部と協議し、経営改善委員会が適切な改善策を講じる必要があったと思うが、
病院任せで、十分な手立てを講じなかったことは、まさに設置者である市長に大きな責任がある。
9月議会の私の質問で、14人の勤務医師それぞれと、経営改善についての話し合が十分にできていないことが明らかになった。
「
また、平成24年4月に策定した28年度までの「玉野市後期基本計画」でも、「公立病院として良質で信頼される医療を
安定的に提供する」として、「経営改善の着実な実施」を明記しているが、
市長が自ら決めて公表した重要な計画をわずか2年ほどで、反故にしてギブアップするなど、
あまりにも場当たり的な、無責任な市政運営といわなければならない。
笠岡市民病院、井原市民病院など、県下の自治体病院は医師不足等のきびしい経営のもとでも、
一般会計からの財政支援、繰入金を投入し、公立病院を維持している。
医師団と市長・行政当局が相互理解、相互信頼関係を築き、経営改善に今一歩努力すれば
経営の立て直しは十分にできると考えている。
この時点での市民病院の民間丸投げ方針は、「先に民間移譲あり」では・・・。