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おやじねこのテレスコ日記

ー八ヶ岳の登山口に住んでいる、テレスコ工作工房の店長のおやじねこが日々の出来事などをタイムリーに伝えています

特注リングの製作

2011-09-02 18:59:35 | その他の天体用改造製作

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以前にもご依頼をいただいた方からの再度のご依頼で画像のオフアキシスガイダーとマイクロフォーカサーを繋ぐアダプターリングをお作りいたしました。一部テーパー状になっていたりネジ切りが複数あったために通常の加工より倍以上の手間がかかりましたが、何とか無事に納品いたしました。現物を送っていただいたりとご依頼者様にはお手間をかけますが、その分きっちりとしたものをお作りするのでご理解はいただいているかと思います。


このご依頼者様のように上級者ともなると、メーカー品ではどうしても満足できない部分が出てきてしまうのは当然のことです。これは上級者に限らずのことで、天文趣味に限らずある程度やっていると必然的に欲が出てきてしまうもので、それをメーカー品では補えない場合には、どこかでカスタマイズしてもらうことになります。しかし、それも簡単ではありません。そんな時には最大限当方でお手伝いができるでしょう。何なりとご相談ください。


アストロLN赤道儀-ビクセンGP三脚アダプター

2011-06-24 09:40:12 | その他の天体用改造製作

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往年の名機とは言い難いかもしれませんが、ご依頼者様には思い出深い大切な「アストロLN赤道儀」をGP三脚に取り付けるための加工を行いました。画像を送っていただきましたので、ご紹介いたします。

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先にも書いたように、どんな機材であっても人それぞれ思い出があるものです。今は自動導入望遠鏡が安価に買えるようになり、より高精度の機材が身近になってきました。しかし、私もそうですが、2~30年以上前とかになると、光学機器が高価で誰もが買える時代ではありませんでした。その時には6cmの屈折赤道儀や10cm反射赤道儀などが市販品としては良く出ていたもので、私も最初に買ったものが、ミザールの6cm屈折赤道儀です。

その6cmで見た木星やM42の姿は、脳裏にくっきりと残っています。最近は海外遠征をして南天の素晴らしい星空や大口径反射で木星を見ても、その当時の感動には及ばないと感じています。私に限らず、中高年以上の年代の方々にも同様な思いを持った方々はおられるでしょう。また同じような加工ご依頼があれば、喜んでお手伝いをさせていただきます。何なりとご相談ください。

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こちらも今回のご依頼者様からお借りした画像ですが、三脚の開き止めです。ご自分でステンレスを使ってお作りになられたそうです。大変良くできています。最近は、ボール盤やバンドソーなどを購入されて、ご自分で思い通りの改造をされる方が増えてきたようです。人様に加工を依頼されるとお金はかかりますが、簡単にできます。しかし、手間はかかっても自分の手で作ることも大切なことです。

もし、場所と環境が良ければ、ボール盤、バンドソー、グラインダー、工具類が揃っていれば、割合多くの加工ができるものです。それだけでは作りえないような旋盤加工が必要なパーツについては、円盤部品だけをご依頼されて、穴あけタップ加工はご自分でされれば少しはお安くなります。最近は、オークションなどで中古品が安価に買えるようになりました。それらを上手に利用して楽しみながら自分だけのオリジナル機材を作ってください。


MAXVISION-BORG変換アダプター

2011-06-16 18:27:32 | その他の天体用改造製作

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最近人気が出てきた「MAXVISION」に先日ご紹介したBORGマイクロフォーカサーを装着するためのアダプターリングを製作しました。先日のNJP回転架台同様に少しお待ちいただきましたが、もうじき納品いたします。こういった他社同士のジョイントは良く見かけます。海外品に限らず、光学系は優秀なのに、接眼部が良くない・・・というのは案外あります。V社さんの鏡筒は私も愛用しており好きなのですが・・・、30万円も5万円も同じような接眼部になっているのが正直好きでありません。値段相応のビジュアルバックにして欲しいと願うのは私だけではないでしょう。


これを言うならT社さんもそうです。海外メーカーはいろいろ見ていると接眼部には光学系同様に気を使った製品づくりをしていると感じます。今やクレイフォード、マイクロフォーカサー、回転装置付きは当たり前に付いており、僅か300ドル程度の短焦点屈折にも装備されています。海外品と同じ土俵で物づくりを考えるには無茶があるかもしれませんが・・・、今や日本が誇るT社、V社は世界に市場を持っています。そういう意味に於いては、今後の物づくりを日本だけでなく、世界に眼を向けた戦略として考えてもらいたいところです。


40cmミラーが戻ってきましたが・・・

2010-12-02 17:50:54 | その他の天体用改造製作

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本日、ヨシカワ光器さんに依頼していた40cmミラー2枚と斜鏡等が戻ってきました。正確な焦点距離を出してもらうことと、斜鏡の貼り付けなどをお願いしておりましたものですが・・・、この2枚のうち1枚は私個人の所有物です。斜鏡の貼り付けは自分でやろうと思えばできることなのですが・・・、ご依頼者様により安心して使っていただけるように、主鏡の焦点出しも含めて正確さを期すために依頼したものです。それは問題ないのですが、お預かりしているもう1枚を装填しているセルに問題があることが分かりました。

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フーコーテストの際に主鏡をささえている3箇所のコルクスペーサーがミラーを圧迫して面状態に悪影響を及ぼしていることが分かりました。ライトブリッジと笠井さんから購入したセルは共に製作工場が同じで、サイズも全く同じなのですが・・・、ミラーのサイズがわずか1mm違うことで、セルにきっちきっちになっているためにサイドからミラーを過剰に圧迫しているそうです。これについてはご依頼者様は全く知りえませんので、何とかしないといけません。このままではせっかくの良ミラーが能力限界まで性能を発揮しきれません。

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このコルクはセル周囲3箇所に貼ってあり、厚さは1.5mmありますので、この厚さを1mmにすればいいのですが、1mmのコルクが上手い具合に手に入ればいいですが、そうでない場合には代用するものを考えないといけません。試しにコルクを剥がしてミラーを入れてみましたら、ガサガサと動くくらい余裕がありますので、必要最小限度にミラーを支えるように考えてみるつもりです。当初周囲を機械加工で削ることも考えましたが、そこまでせずともいけそうなので、明日から考えてやってみます。これができないと次の工程に進めません。


セルに無事に収まったら、次にセル押さえ金具の製作をします。その次にやっと本来の筒の延長作業に入れます。これができれば実質の加工作業は終了です。後は最後に調整作業を行って、「40cm改造ライトブリッジ」が完成します。ご依頼者様には9月からお待ちいただいておりますので、何とか年内にお引渡しをすべくピッチを上げていきます。これが終わればやっと自分の「40cmトラベルドブ」にとりかかれます。来年3月のニュージーランド遠征までに完成させる予定です。ちょっと気が長いですが・・・。


Nikon 顕微鏡双眼装置のアダプター製作

2010-11-08 09:11:56 | その他の天体用改造製作

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出張前の最後の仕事がこの双眼装置のアダプター製作です。良くオークションで見かける顕微鏡用の双眼装置ですが、これを天体用に改造して使用されておられる方が割合多くいらっしゃいます。元々高価な学術用、医学用に開発されているNikon、オリンパスなどの顕微鏡に使われているものなので、安価な天体用双眼装置より作りはしっかりしています。基本構造は天体用も同様ですので、望遠鏡へ取り付けることができて、且つアメリカンサイズのアイピースが使えるようにすれば天体用に使えるようになります。

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この双眼装置を天体用に使えるようにするには3点ほどのパーツを製作する必要があります。接眼側を31.7mmにするアダプター2点、望遠鏡接眼部挿入側に1点ですが、当然ながら機械加工が必要です。割合小さなパーツですので、細かい作業です。このご依頼者様は先端に2倍バーローレンズを取り付けるように依頼されましたので、それを付けるためのP0.5の細かいネジを切っています。切削時ははまっても冷えてしまうと入らなくなるような始末で、調整しながら加工しました。バーローレンズを使わない場合も考えて異なるネジも切っています。


この方からは何度かご依頼を受けておりますが、きちんと図面を書かれる方で、尚且つ現物も送っていただけるので作業は楽なほうです。ほとんどの方は図面が無いなかでお受けしておりますので、考えたり図面を書く時間が必要になってきます。それについてはいずれでも問題はないのですが、間違いの無いものを製作するにはご依頼者の考えが伝わるものが必要です。図面を提出できない方はできるだけ第三者に作りたいものが伝わるようにデーター等を御知らせいただくことが大切です。