
もうご存知の方はいらっしゃるとは思いますが、7月14日に発売となった新型の「SDレデューサーHDキット」を昨夜早速使ってみました。画像はその作例です。ED103SとEOS 6D IR改造カメラで3分露出です。ISO 6400で撮りました。赤道儀は、いつものPENTAX MS-4です。オートガイダーなど全く使わずに赤道儀の追尾精度に依存して撮っています。

このHDキットには「SDレデューサー」、「SDフラットナー」、「EXチューブ66、「スペーサーリングSD81」が入っていますが、この撮影ではレデューサーとフラットナーしか使っておりません。レデューサーとフラットナーは、必ずしもセットで使う必要はありませんが、せっかくあるので使っています。

EOS 6Dに取付けると、こんな感じです。フラットナーがレデューサーの前に付いていますが、ドローチューブにねじ込むとフラットナーは中に入り込んで外からは見えなくなります。

EOS 6Dとの接続には直焦ワイドアダプター60DXを使っておりますが、これが無いとカメラの回転が全くできないので、一般的なカメラマウントから考えるとお高いですが、回転装置を兼ねているので仕方ありません。しかしガタツキなど生じないようにきっちり作られています。ただ一つ面倒なのが固定用ネジが多過ぎることです。

このED103Sについては、Solar Maxの件で良く登場しておりますが、最近購入したもので、復刻版的な商品です。価格的にタカハシの100mmクラスのフローライトが買えそうですが、鏡筒ホルダーからアリガタ、暗視野照明付きファインダーも付いているので割安感はあります。仮にSDレデューサーセットを一緒に買っても20万円でおつりがくるくらいですので、この性能を考えたらお得だとは思います。

それで本当にお得かどうかは、この画像を見て判断していただければと思いますが、フルサイズで撮っても周辺像が流れたり肥大したりしていないので、優秀な商品であることは分かります。APS-Cサイズで使われる方も多いと思いますが、それでは逆にもったいないので、ぜひフルサイズで使っていただきたいと思います。画像だと露出をかけすぎて良く分からない部分もありますが、肥大したり伸びたりする星像は露出時間に関わらず出るものは出ますので、これで分からないことはないと思います。
ED103Sは、焦点距離が800mm弱あり、レデューサーを使うことでそれが200mmほど短くなってF6.1になります。北アメリカ星雲の全体像を捉えるにはレデューサーを使わないと無理ですし、逆に面積の小さな星雲などを狙うにはレデューサーを使わずにセンターにフラットナーだけにして対象を置いて撮影すれば周辺像もそれほど気にすることもないでしょう。つまりこのSDレデューサーセットを使えば鏡筒を二通りの使い方ができるようになります。実売価格6万弱と決してお安いものではありませんが、トータルで考えればお得な商品ではあると思います。
まだこの先天候が良ければ他の組み合わせなども考えて使ってみようと思っています。昨日は好天に恵まれておりましたが、空の透明度が今ひとつ良くありませんでした。最高の機材は、最高の環境と使い手の技術があってこそ活きるものだと思います。残念ながら私にはその技術が伴っておりませんので、この程度でご容赦ください。後はご自身の眼でしっかり確認されてください。