高麗橋桜花 徒然日記ー料理人はどこまでできるのか ー

「高麗橋桜花」店主・「大阪食文化研究所」主宰森田龍彦のブログです。どうぞご贔屓にお願い申し上ます。

あこがれの「天神坂 上野」

2005-10-21 | 農業・食育・食文化について
 私にとっては夢のような話ですが、日本料理の御大 上野修三先生のご自宅に招かれました。
 場所は大阪の一心寺の近くにあり、今はお辞めになられましたが「天神坂 上野」として多くのお客様に愛されたお店兼自宅です。今となっては伝説的な話ですが多くても一日8人、しかも一見様お断りのお店。閉店が決まると全国からの予約が殺到し、閉店数ヶ月前には予約でいっぱいになったそうです。そして、もうお店としてお客様をお迎えすることは無いのです。
 今回お呼びいただいたのは、上野先生の勉強会に参加していることや浪速魚菜の活動を行ってい、これからどのようにしてこの活動を続けていくかを話合いました。緊張の面持ちで玄関をくぐるとそこには上野先生の他に浪速魚菜の会代表の笹井さんや流通部の松本さんなどがすでにおられ、いろいろと大阪の野菜などについてお話されておりました。上野先生の奥様が初対面の私に「森田さん」と名前で読んで頂いたことで少しほっとしましたが、上野先生の隣の席に案内されたのではやり緊張します。

  上野先生や笹井さんの思いはやはり浪速でこだわりを持ってつくる生産者さんやその野菜達を守っていきいということです。その品質を守っていき、食べてもらいたいということです。
  その中で上野先生や笹井さんとの話を少し味気ないですが、箇条書きにまとめてみました。
  ◇【食】「くいだおれ」の大阪の誇るべき文化である食文化を守り続け、それを支える生産者さんも育てていきたい。
  ◇浪速野菜‐まずは安全に作られていることが大切。その上で味に優れたものを作り、広めていく。
  ◇こだわりの野菜の味の違いをわかってもらいように、味覚を育てていかないといけない。そのためには食育が大切になってくる。
  ◇今のままだとブロイラーのように、餌を作り栄養をとるだけの食事になってしまう。
  ◇人間はいろいろと進化し続ける一方で、逆に後退しているのではないか。便利に隠れた、不伝承。例えば、柔らかい鶏肉が多くなったため、固くても味のある鶏肉をうまく調理する料理法が残らなくなってしまう。
  ◇人生の幸せを収入や金銭欲だけで測るのではなく、もう少しやりがいや社会貢献に幸せの価値をみいだせればもう少し生きやすい世の中になるのではないだろうか。

  夕方に始まった会でしたが、日が沈む頃には上野先生が腕によりをかけた食事やお酒を振るまってくださいました。
  まだまだ若輩者の私が招かれて、しかもこのようにもてなして頂いたこと、本当に感激に1日でした。まだまだ課題はおおくありますが、今のような活動に間違いはなかったのかなと少し自信がもてました。

  この日振舞って頂いた料理などのご紹介は後日にさせて頂きます。
  

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

美味しいチョコは好きですか

2005-10-20 | 筆者の徒然なるままに

  今日は営業終了後、若いパテシエのスタッフと一緒に居残りでデザートの試作を行いました。
 私も蕨餅や水羊羹、簡単なプリンや焼き菓子などは作りますが、本格的なデザートはまだまだ経験不足。実際の作業はしませんが、横からいろいろと質問攻め。いろいろ勉強させて頂きました。
 若いスタッフの子を見てると料理人になったばかりの時の居残りや試作したことを思い出すな。その時は無我夢中でしたし、周りのスタッフとも切磋琢磨の毎日でした。今から思うとこのときの仲間や頑張れたことが今の私の支えの1つになっています。
 そんなこんなでとても美味しそうなフォンダンショコラの出来上がり。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フードマイレージと地産地消

2005-10-19 | 農業・食育・食文化について
 フードマイレージという言葉、ご存知ですか。
 簡単に説明すると輸入食糧の総重量と輸送距離を掛け合わせたものです。食料の生産地から食卓までの距離が長いほど、輸送にかかる燃料や二酸化炭素の排出量が多くなるため、フードマイレージの高い国ほど、食料の消費が環境に対して大きな負荷を与えていることになります。
 農林水産政策研究の試算によると、2000年の日本の食料輸入量は約5,300万トンで、輸送距離を掛けたフードマイレージは約5,000億トン・キロメートルとなるそうです。これは、韓国の約3.4倍、米国の約3.7倍になるという。また、日本人1人あたりのフードマイレージは約4,000トン・キロメートルで、1人あたりの食料輸入量の約420キログラムで割ると平均輸送距離は10,000キロメートル弱になります。これは直線距離にして、ほぼ東京から米国シカゴまでの距離に相当します。
 食料自給率が40%ほどと低いのですからある意味当然の結果なのかもしれません。また、国内に目を向けても地方から都市に運ばれてくる運送にも同じことが言えるかもしれませんね。
 私が住んでる大阪にも能勢や河内などのように良質の農作物がとれるところがあります。
 自然のためにもからだのためにも新鮮な野菜をなるべく身近に感じてもらえる環境に近づいていきたいです。


コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

有機なさつまいも

2005-10-18 | 料理日記

 先日有機で作られたサツマイモを入手したので、勤め先に持っていきスタッフの夜食にしました。
 忙しい合間をぬっての調理なのでとてもシンプルに。
 作り方はサツマイモを適当な輪切りにして、水から茹でて途中で塩を加えて柔らかくなるまで煮ます。ザルにあげた後、無塩バターとフルール・ド・セル(岩塩)とミミョネット(細かく砕いた黒胡椒)と和えて出来上がり。芋は焼いた方が美味しいですが、この食べ方も簡単だしかなり美味です。 
 フレンチに勤めて、今まで知らなかったことや発見がいっぱいです。今回の岩塩とミミョネットもそうで、風味もそうなのですが、食感がとても楽しいです。そして、よい意味で味にバラつきやアクセントができて食べていてもあきません。お子様には向きませんが、いつもと少し変わった食になりますよ。 
 是非、お試しあれ!!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

昨日作ったまかない料理

2005-10-17 | 料理日記

 料理人が働いていて凄く気を使ったり悩んだりすることの1つにまかない料理があります。
 今でこそそんなに悩まずに作れるようになりましたが、料理人になりたてのころは本当に苦労しました。NHKの「きょうの料理」や「オレンジページ」も参考にしましたね。
 今、私が勤めているのはフレンチのお店ですが、従業員はすべて日本人です。フレンチに未経験の私は勤務中は勉強することばかりですが、今までのキャリアを発揮できる場がまかない当番になってます。(勿論、それだけじゃないですよ(^_^;)) できるだけ、美味しい和食を食べてもらいたいと毎回いろいろと考えてまかないを作ってます。。
 そんな私が作った今回のまかないが栗御飯と豚の生姜焼き、ミニにゅう麺とサラダです。
 豚の生姜焼き‐とても簡単で御飯が進みます。濃口醤油1.5:味醂1:お酒0.5:おろし生姜:砂糖少々を合わせて、この中に豚肉を漬けて焼くだけ。具は玉葱があればOKです。(このときはシメジも加えましたが) この簡単な料理の大きなポイントは豚肉にあります。お肉は部位によって大きく味が異なるなのですが、豚バラだけでは油っぽくなってしまいます。そこで、豚バラスライス1:豚ももスライスを2の割合で混ぜて使ってみてください。凄くバランスがよくなりますよ。

 栗御飯ー今回の栗は冷凍の剥き栗を使用。前日に栗を昆布水に漬けて解凍。それとそのまま鍋に移してお酒を加えて、栗をボイルします。ザルでこして、この煮汁に塩味つけて栗御飯を炊きます。炊き込みご飯を作る時に醤油を多く使うと、醤油で御飯がしまってします。なので、このときは炊き上がって蒸らし終わった時に薄口醤油を少し加えてよく混ぜて味を整えます。醤油を加えた出汁を使うときは餅米を加えるとパサパサにならずに美味しいですよ。

 サラダにはマカロニに水菜やちきり葉をくわえて、マヨネーズなどで味付け。しょうが焼きにマヨネーズがとても合うのですよ。

  食欲の秋、それは胃酸が多く分泌されるからだそうです。なので、この時期は胃腸の調子を崩すことが多いので気をつけたいですね。ただ、肥えるのは馬だけで充分ですが・・、あしからず。

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする