古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

脳はなにかと面白い(3)

2010-06-25 | 読書
自由意思はあるか

リペットという研究者の行った有名な実験があります。

被験者に「ボタンを好きなときに押してください」と言っておいて、、被験者ガボタンを押したときの脳の活動を調べました。当然、常識から考えれば、まず「押そう」という意思が生まれて、そして運動をプログラムする脳部位が活動して、そして手指にボタンを押せという指令が送られるのだろうと考えられます。

 ところが結果は違った。なんとボタンを押したくなるよりも前に(長いと1秒も前)脳の「運動前野」が既に準備を始めていることが分かった。つまり、最初に(手を動かす)脳の活動が生まれ、次に「押そう」という意思が生まれ、そして指示が出されて「手が動く」

 自分の意思でボタンをおしているような気がしているけれど、実は脳の(手を動かす)動きが先で、意識はずっと後だった。つまるところ人間に自由意思はあるか。科学的な見地からは、自由意思はおそらく“ない”

「押す」という意識が生まれたとき、脳は既に押す準備はしている。そのとき「押すことをやめる」ことも出来る。そこに自由がある。<自由意思>はないけれど<自由否定>はある。

 私の解釈:人間の運動を考えると、脳から手・指の筋肉に到る信号の伝達時間が遅いので、手・指を動かす準備を脳は先に準備する(それでないと、必要なタイミングで体を動かすことが出来ない。スポーツの場合を考えると分かりやすい)。その後、手・指を動かすという意思が脳に生まれる。

神経の中の電流の流れ方は、細胞の端まで流れると、隣の細胞と連結されていないので、先端で科学物質(神経伝達物質)を放出する。隣の細胞は化学物質を受け取ると、電気を発生し、端まで流す。つまり、電気現象だけでなく、化学反応と電気現象を組み合わせているから、時間がかかる。

脳の研究は、まったく面白い分野を解明しつつあるようです。

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