6月29日は株主総会の集中日。10年余前の株主総会と比べると隔世の感があります。
D社の株主総会に出席しました。以下、その顛末。
市バスに乗り、会場の名古屋銀行協会の大ホールには、9時20分ごろ着きました。頂いたジュースを飲みながら資料を見ていました。顔なじみの方々が見えます。D社総会の特徴はOB(元従業員)株主が圧倒的に多いことです。現従業員も含めると7割ぐらい?
定刻10時に始まる。
事業報告の始まる前に、会長以下取締役と監査役が全員立ち上がり、頭を下げた。今期、赤字で配当を無配にしたお詫びです。
質問の時間、冒頭はこのところ恒例になっている小生の質問。
「インターネットからダウンロードした決算短信によると、地域別にみた収益が、欧州では6億円余の赤字、前年度で4億円余、つまり2年間で10億円の損失になっている。今後の欧州市場の見通しはどうなのか?」
社長が、欧州では市場開拓の先行投資がかさんで赤字になっているが、来年度以降収益は改善されると言う。会長が「今回フォルクス・ワーゲンから受注できることになりました」と補足説明。
この辺りまでは静かだったが、次に爆弾質問が出た。
「過去5年間の収益を見ると、累計で、146億円の利益を上げている。ところが、この5年間の特別損失がなんと170億円になる。ほとんどが、北米の子会社の失敗による。これは、国内で懸命に働いている従業員や管理職の所為ではない。経営者の判断の誤りによるものだ。その責任をどう考えるか?」
質問者の発言は事実認識としては全く正しい。今回の無配転落も海外事業の失敗によるものだ。会長が、北米進出当時の事情について説明をしたが、経営者は結果責任を問われる存在だから、批判されて止むを得ない。
稼いでも稼いでも、米国に吸い取られる日本の縮図みたいな会社だ!
さらに質問者は「これだけ赤字を出しているのに、法人税を払っている。会長は税務署から表彰状をもらったのか?」と、続ける。
財務担当の役員が「税法と会計法の違いで、子会社の評価損が税法上損金扱いを認められないのです」と、懸命に説明した。
次々に批判の発言。「役員報酬が高すぎる。赤字なのだから、役員報酬をゼロにすれば、1株3円の配当が出来るのでは?」
「役員の枠が8人なのだから、現在の5人から増やせる。若い人を昇格させて、経営層に新しい血を入れるべき」(この発言をしたのがOBではなく、中年の女性なのでびっくりした)
結局、質疑は延々2時間半に及んだが、発言する方も元従業員で、答える役員の元同僚や先輩だから「この辺で勘弁しようか」と、審議事項の役員選任などは、あっさり承認された。それでも、「こういう時期、会長の他社社外取締役は辞任すべきでは」と厳しい意見が出たが)
昔の株主総会は、従業員株主を動員して、議長の前に陣取らせ、「異議なし」を連呼。発現株主を威圧するみたいだった。時代は変わったのだ。
総会終了後、株主懇談会に移る前の休憩。ロビーに出ると、ソファーに執行役員のM君とU君。
『みんな元気にやってる?』と聞くと
M「元気ですよ。 NOZUEさんほど元気じゃないけど」(これって、嫌味かな?)
U「まだ走ってみえるのですか?」
『あぁ、今年の2月には熊本県の玉名市でハーフを走った』。熊本出身のU君は「へぇー」という顔
懇談会の冒頭、司会者「昨年の総会は2時間4分で、名古屋地区の総会で長い時間の第四位。今年は2時間31分ですから、3位以内確実と思います。」
これは、遅くなったことのお詫びかな?それとも嫌味?
会長の今年度の経営方針と質問に対する社長の回答を聞いて、その後の予定があったので、1時45分失礼することにした。
以上、現代株主総会の記です。
D社の株主総会に出席しました。以下、その顛末。
市バスに乗り、会場の名古屋銀行協会の大ホールには、9時20分ごろ着きました。頂いたジュースを飲みながら資料を見ていました。顔なじみの方々が見えます。D社総会の特徴はOB(元従業員)株主が圧倒的に多いことです。現従業員も含めると7割ぐらい?
定刻10時に始まる。
事業報告の始まる前に、会長以下取締役と監査役が全員立ち上がり、頭を下げた。今期、赤字で配当を無配にしたお詫びです。
質問の時間、冒頭はこのところ恒例になっている小生の質問。
「インターネットからダウンロードした決算短信によると、地域別にみた収益が、欧州では6億円余の赤字、前年度で4億円余、つまり2年間で10億円の損失になっている。今後の欧州市場の見通しはどうなのか?」
社長が、欧州では市場開拓の先行投資がかさんで赤字になっているが、来年度以降収益は改善されると言う。会長が「今回フォルクス・ワーゲンから受注できることになりました」と補足説明。
この辺りまでは静かだったが、次に爆弾質問が出た。
「過去5年間の収益を見ると、累計で、146億円の利益を上げている。ところが、この5年間の特別損失がなんと170億円になる。ほとんどが、北米の子会社の失敗による。これは、国内で懸命に働いている従業員や管理職の所為ではない。経営者の判断の誤りによるものだ。その責任をどう考えるか?」
質問者の発言は事実認識としては全く正しい。今回の無配転落も海外事業の失敗によるものだ。会長が、北米進出当時の事情について説明をしたが、経営者は結果責任を問われる存在だから、批判されて止むを得ない。
稼いでも稼いでも、米国に吸い取られる日本の縮図みたいな会社だ!
さらに質問者は「これだけ赤字を出しているのに、法人税を払っている。会長は税務署から表彰状をもらったのか?」と、続ける。
財務担当の役員が「税法と会計法の違いで、子会社の評価損が税法上損金扱いを認められないのです」と、懸命に説明した。
次々に批判の発言。「役員報酬が高すぎる。赤字なのだから、役員報酬をゼロにすれば、1株3円の配当が出来るのでは?」
「役員の枠が8人なのだから、現在の5人から増やせる。若い人を昇格させて、経営層に新しい血を入れるべき」(この発言をしたのがOBではなく、中年の女性なのでびっくりした)
結局、質疑は延々2時間半に及んだが、発言する方も元従業員で、答える役員の元同僚や先輩だから「この辺で勘弁しようか」と、審議事項の役員選任などは、あっさり承認された。それでも、「こういう時期、会長の他社社外取締役は辞任すべきでは」と厳しい意見が出たが)
昔の株主総会は、従業員株主を動員して、議長の前に陣取らせ、「異議なし」を連呼。発現株主を威圧するみたいだった。時代は変わったのだ。
総会終了後、株主懇談会に移る前の休憩。ロビーに出ると、ソファーに執行役員のM君とU君。
『みんな元気にやってる?』と聞くと
M「元気ですよ。 NOZUEさんほど元気じゃないけど」(これって、嫌味かな?)
U「まだ走ってみえるのですか?」
『あぁ、今年の2月には熊本県の玉名市でハーフを走った』。熊本出身のU君は「へぇー」という顔
懇談会の冒頭、司会者「昨年の総会は2時間4分で、名古屋地区の総会で長い時間の第四位。今年は2時間31分ですから、3位以内確実と思います。」
これは、遅くなったことのお詫びかな?それとも嫌味?
会長の今年度の経営方針と質問に対する社長の回答を聞いて、その後の予定があったので、1時45分失礼することにした。
以上、現代株主総会の記です。