古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

南方にも領土問題

2012-05-11 | 経済と世相
10日の中日夕刊に「尖閣諸島購入問題の本質」と題する豊下楢彦学習院大学教授の寄稿が載っていた。
【石原都知事が、尖閣諸島のうち個人所有の3島を都として購入する方針を明らかにしたことで、議論百出である。
 石原氏は購入の対象として魚釣島、北小島、南小島の3島を挙げている。しかし、同じく個人所有の久場島については全く触れていない。なぜ久場島を購入対象から外すのであろうか。その答えは同島が、国有地の大正島と同じく米軍の管理下にあるからである。海上保安本部の公式文書によれば、これら二島は「射撃場」として米軍に提供され「米軍の許可」なしには日本人が立ち入れない区域になっているのである。
 それでは、これら二島で米軍の訓練は実施されているのであろうか。実は1979年以来30年以上にわたり全く使用されていないのである。にも関らず歴代政権は、久場島の返還を要求するどころか、高い賃料で借り上げて米軍に提供するという「無駄な行為」を繰り返してきたのである。ちなみに、一昨年9月に中国漁船が「領海侵犯」したのが、この久場島であった。それでは事件当時、同島を管轄する米軍はいかに対応したのであろうか。果たして、米軍の「抑止力」は機能していたのであろうか。
 より本質的な問題は、ほかならぬ米軍が尖閣諸島の帰属のありかについて「中立の立場」をとていることである。久場島と大正島の二島を訓練場として日本から提供されていながら、これほど無責任な話があるであろうか。なぜ日本政府は、かくも理不尽な米国の態度を黙認してきたのであろうか。日本政府は一貫して「尖閣諸島は日本固有の領土であり、領土問題は存在しない」と主張してきた。ところが、米国は、1971年に中国が公式に領有権を主張して以来、尖閣諸島について事実上「領土問題は存在する」との立場をとり続けてきたのである。
 日本がなすべき喫緊の課題は明白であろう。尖閣五島のうち二島を提供している米国に、帰属のありかについて明確な立場をとらせ、尖閣諸島が「日本固有の領土である」と内外に公言させること。これこそが、中国の攻勢に対処する場合の最重要課題である。】
 プーチン大統領の発言から、北方領土問題解決を期待する向きがあるようだが、南方にも領土問題があるようだ。


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