古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

阿久悠と松本隆

2017-12-08 | 読書

12月3日。丸善に行き新書の棚を診ていたら、「阿久悠と松本隆」という本を見つけた。

「阿久悠が亡くなってもう10年になるな」と手に取ってみた。

パラパラのぞいていたら、「この本は、二人が交差した瞬間を求め、その前後7年を描く現代詩である」とあった。阿久悠は知っているが、松本隆は良く知らない。そういえば「冬のリヴィエラ」は松本隆作詞でなかったかな、「二人が並走していた1975年から1981年までに絞って書く」という。買い求めた。

「冬のリヴィエラ」、こんな歌だった。

「彼女(あいつ)によろしく伝えておくれ

今ならホテルで寝ている筈さ

泣いたら窓辺のラジオをつけて

陽気な歌でもきかせてやれよ」

これって、阿久悠の「ジョニーへの伝言」と似たとろあるじゃない。

「ジョニーが来たならつたえてよ。

2時間待ってたと

割に元気よくでていったよと

お酒のついでに話してよ」

「例えば一篇の小説、一本の映画、一回の演説、一周の遊園地、これと同じヴォリュームを4分間に盛ることは狩野ではないか」と阿久悠は語る。「冬のリヴィエラ」も「ジョニーへの伝言」も一片の小説の一場面みたいなフレーズだ。

「時代に正対していると、その時代に就く悠のものが見えてくる」と、阿久悠は、時代を語ることに熱心だが、松本隆はあまり「時代」を意識していない。

 松本隆は「冬のリヴィエラ」の他に何があったか、ネットで調べた。

「木綿のハンカチーフ」があった。大ヒット曲だ。

改めて見ると、この唄すごく凝ったつくりだ。

まず、男女のセリフが交互に出てくるのだけど、両方のセリフを男女でなく、一人の女性歌手に歌わせている。

「恋人よ僕は旅建つ 東へ向かう列車で

華やいだ街で 君への贈り物探すつもりだ

 

いいえあなた私はほしいものはないのよ

ただ都会の絵の具に染まらないで帰ってほしい

染まらないで帰ってほしい」

この唄どうして木綿のハンカチーフなの?

「おくりものねだるわ

ねえ 涙ふく木綿のハンカチーフください。」

最後で「木綿のハンカチーフ」が出てきた。

阿久悠も松本隆も、昔からの歌謡曲を脱皮した演歌を目指したらしい。