古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

政府の原子力スタッフ

2012-03-22 | 経済と世相
今朝(21日)の日経オンラインで、3.11について菅前首相が語っていた。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20120316/229865/?mlp
菅さんの3.11対応についていろいろ批判はあるが、ここに述べられていることは、概ね妥当だと私は思います。
 問題は、政府の原子力スタッフがまったくダメだったことだ(だからと言って、菅総理に責任がなかったとはいえない。どんな場合でも、首相は結果責任を負うべきだから)。
 不思議でならないのは、これだけの大事故を起こしても、原子力安全委員も、安全保安院の委員も誰一人責任を取って辞任する人がいないことです。
 本人たちが辞任しなければ、政府が解任すべきなのに、民主党政権は解任のカの字の発言もない。
 大飯原発再稼動が問題になっているが、こんなに無能な原子力安全委員や保安院が再稼動可否を判断して大丈夫だろうか。
3月20日の中日朝刊が、原子力安全委員会の委員長について記述している。

『客観的であることと傍観することを履き違え、なんら恥じるところがない』と 原子力安全委員会の斑目春樹委員長。無責任な発言をくり返し「デタラメ」とやゆされた東大OBだ。
 事故直後の対応を聞かれた国会の原発事故調で「1週間寝ていないので記憶が飛んでいる。(官邸に)どんな助言をしたか覚えていない」と、当事者とは思えない言い訳をして、周囲を唖然とさせた。
「原発に反対し続けた京大原子炉実験所助教の小出裕章さんが、講演のたび『原子力にかかわってきた者として謝罪したい』と繰り返しているのに比べると、驚くばかりの傍観者ぶりだ」

この仁、原子力業界から寄付金を受けていることがばれても「寄付金を受けることで、安全委員会での私の発言・判断が影響を受けたことはありません」と平然としていた。

 がれき問題もそうです。瓦礫を全国の自治体に運搬して、放射能汚染は大丈夫だろうか。安全委員会は何も発言していない。まったく無責任です。
 勿論、全部の瓦礫が危ないとは私も思わない。原発から遠い地域なら多分大丈夫でしょう。政府はどこの瓦礫の放射能が危険かの基準を示さないといけない。(福島県の瓦礫だけは持ち出さないと言うらしいが、そんな単純な区分でいいはずがない。水素爆発した時の風向きを調べてどの地域にどんな放射能物質が飛んだかを調査する必要があると思う)
 一番安全なのは、現地近くに大規模な瓦礫処理工場を政府の金で建設して、現地で処理すること。金は原子力予算を凍結すればいくらでも出せる。
 事故から1年が過ぎたのに、安全委員会は何も発言しないし、政府はなんの行動もしない。政権と、政権の原子力スタッフの無能力には唖然としています。