古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

定額給付金のはなし

2008-11-15 | 経済と世相
 「定額給付金」の内容が決まったそうです。でも、不思議なことがあります。

先日、D社のOBの旅行会に行ったときです。O先輩と話しました。

「あんなもの当てにしてはいかんのだけど、給付金を当てにしてるの」

「一人1万5千円でしょう」と小生。

「いや、一人1万二千円に子どもと65歳以上は1万円加算されるそうよ」

と、先輩は言いました。

 与党の決着内容だと、「一人1万2千円に、子供と65歳以上8千円加算」です。

 加算額が1万円と8千円の違いだけで、O先輩の言ったとおり。一体どうして、O先輩に給付金の配分が、2週間前に分かったのでしょう。

 以下は小生の推論です。推論ですから当っているかどうかは保証しません。

 O先輩は、創価学会員ではないけれど、近くに創価学会の会員がいて、「今度、公明党が頑張って、給付金が国民に配られることになりましたよ。ひとり1万二千円で、子どもと65歳以上は1万円加算して給付されます。総選挙では公明党をよろしく」

(これって国費による選挙の買収じゃないの?)

 もともと、この「定額給付金」は公明党が「定額減税」を自民党に要求したことから始まりました。自民党は、「減税」などもっての外と思っていましたが、総選挙は公明党の応援が無ければ勝てない。やむなく受け入れることにしたが、1年だけの例外措置にしたい。「税制の改革でなく、一時金にしてくれないか」と、公明党と折衝。公明党が受け入れた。この時点で、公明党は、給付一時金の配分案を決めて、それが創価学会の会員に流れた。

 政治折衝で妥協した給付金ですから、その目的は「生活支援なのか、景気回復なのか」、自民党に聞いても「そんなことは、公明党に聞いてくれ」。

 給付金の性格が分かってないから、与謝野大臣が「何千万円も収入のある人にも支給するのはおかしい」と言い出すと、論理的な説明が出来ない。減税なら、どんな高所得者も対象になるのですが、・・・ 

 私は、定額減税なら大賛成です。というのは、ここ10年来、税制は(社会保障負担も含めて)低所得者に厳しく、高所得者に有利な制度改正ばかりやってきました。ですから、この辺で低所得者に有利な税制に舵を切りなおさないといけないと思っているのです。

 税制には、高所得者から低所得者に所得移転をすることで、所得配分の平準化を図るという機能もある筈です。

 ところが、1年だけの一時金にしたのでは何の意味も無い(と言っても、支給されれば、遠慮なく受け取りますけど)。景気回復に役立つような金額でもないし、生活支援なら、もっと他に手があるでしょう。たとえば、4月だけ実施したガソリン税を下げるとか。

 それにしても、所得制限も事務のやり方も、自治体に押し付けとは、いかにも無責任。

 今回の給付金で分かったことは、「2兆円ぐらいの金ならいつでも政府は出せる」ということ。消費税など上げなくても良いのでは?