古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

古希の意味

2007-05-17 | Weblog・人生・その他
 5月17日の中日に面白いコラムがありました。“古希”についてです。

【この言葉は中国・唐の時代の詩人杜甫の詩の一節「人生70古来稀」が出典で、70歳のことです。ところがこの前の一節は「酒債尋常行処有」で、「酒の借金はどこにでもある」といった意味で、詩全体としては、「長生きする人はそんなにいないのだから、生きているうちに借金してでも酒を飲んで楽しもう」ということをいっています。

 また、「歳月人を待たず」という言葉も前の「時に及んでまさに勉励すべし」という一節とともに「いつまでも若くないのだからしっかり勉強しなさいよ」とお説教のタネにされそうですが、実際は「年を取ったときに後悔しないように楽しみなさい」という意味する唐の詩人陶淵明の詩が出典です。

 いい言葉は、元の文脈を離れて使われるもののようですね。】

 “古希”の本来の意味は、『70歳まで生きられる確率は低いから、50代、60代の人は大いに楽しもう。借金してでも酒を飲もうではないか!』 ということらしいですね。

バブルとデフレ

2007-05-17 | 経済と世相
 1週間前のNHKクローズアップ現代で、中国上海株式市場のバブル化を取り上げていました。上海の株式が暴落したというので、世界の株式がいっせいに下落したのは、まだ今年の出来事だったと思いますが、もうその時の下落を取り戻し、活況に沸いているみたい。

 先日紹介した水野和夫さんの説によると、21世紀は「統合と分断の時代」だそうです。

 統合とは、地球上の市場が一つに統合される。分断とは、国内経済で、輸出に対応できる産業と対応できない産業との分離(好きな言葉ではないが”勝ち組”と”負け組”の分離)。

『デフレを回避しようと経済政策で、マネーを増加しても、そのマネーは国境を越えて、世界的株価バブルなど資産バブルは生じても、国内の景気回復には効果が及ばない』というのです。
 つまり、国内が不況になった時、従来は金融を緩和して通貨量を増やせば、物価が上がり、景気は回復に向かう。これは、増加した通貨が国内で循環するからそうなるのですが、グローバル化の時代には、増加した通貨が国内を循環する前に海外に出て行ってしまう。

 海外で景気を刺激するから、海外に輸出できる企業群の景気はよくなるが、海外と商売できない企業群は不景気のまま。景気の分断が起きる。

 一方、従来は通過量を増やすと物価が上がったのですが、価格を上げようとすると、海外から価格の安い商品がどっと入ってくる。価格は上がらない。市場経済に参入する人口が飛躍的に増えて、廉い労働力がどんどん市場に参入するから。世界市場が統合されている影響です。

 そうすると、通貨量を増やすと、お金は商品に向かわず、土地とか株とかに向かって、資産バブルを生ずる。

 バブルとは、通貨量が増えた時、そのものが本来持っている価値価格を離れて価格上昇が起きる現象ですから、何かのきっかけで「こんなに価格が上がって大丈夫?」と反省すると暴落する。ところが、世界通貨になっている米ドルは貿易赤字でどんどんドルを印刷するし、他の国、とりわけ日本など景気が心配になると金融をゆるめるから、通貨量は傾向として増える。増えた通貨が別の資産に向かうから、別のところでバブルを起こす。

 従来の経済政策は「国民国家」を前提として組み立てられたのに、経済が「国家」を超えてしまったので、政府のとる経済政策が有効に機能しない、という現実のようです。

「グローバル化した経済下では、従来の経済理論に基づく政策は有効ではないのでは?」かねてから私はそう考えていたのですが、同じことを考えている人は、広い世の中いるんですね!それが、水野和夫さん(三菱証券・リサーチ本部チーフエコノミスト、53年愛知県出身)でした。