古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

凄い奴

2004-01-28 | 読書
>  ところで今日は私の尊敬する知友の“スゲ-話し(?)”を御紹介します。皆様は【ホーン岬】って  聞いたことありますか?南米は《チリ》の最南端に 位置します。(勿論地球で一番最南端でもあるわけです)風がヒュウヒュウと吹き波も荒く海の男も肝を冷やすという突端海峡です。この海峡を【カヌー】で渡っている“スゲ-奴”がいます。東京大学  を退官、60歳の還暦を迎え「さて これから何をす  べきか?」と考え(その区切りに)かねてからの夢を遂げんと先週末 決行に及んだというわけです。
  何しろこれに成功した者に与えられる称号は世界の海の男達にとって大変なものなのだそうです。
  彼の名前は『月尾嘉男』、建築を志しマルチメディアを紹介し川ネットを立ち上げカヌーを友とする超マルチ人間、~彼の無事を祈るのみです。

 すごい知友をお持ちですね。“月尾嘉男”の名を聞いて、早速書棚を点検しまし
た。
『ポストj情報社会の到来』(PHP,91年2月刊)がありました。
 著者略歴を見ると、1942年愛知県生れ。名古屋大工学部教授とある。当時は名大にみえたのですね。その後東大に転じられた。
 13年前の本ですが、副題は「10年後を変える7つの技術革新とは』です。こういうテーマの本を刊行後13年経ってから読むと、凡百の書はアラが目立つものです。
 しかし、再読してみて、これは中々のものと、感銘しました。勿論、筆者の予想では10年後、相当進む筈の技術がそれほどでなかったということもあるし、筆者が予想していなかった進歩が見られる技術もあります。でも、再読に耐える本です。
 
 因みに、この本で、筆者が13年前、時代を変革すると位置付けた7つの技術とは?
1.アモルファス材料
 「アモルファス薄膜トランジスタをスウィッチ機能素子として利用し画像の処理を行えば壁掛けTVが出来る。」とのべています。今日、電気屋を覗いたら、デイスプレイがTV画面にもスピーカにもなっているパソコンが出ていました。その原理が、アモルファスの利用かどうか分かりませんが、開発の過程で、こうした材料の研究が、寄与しているのではないでしょうか。 もう一つ、都市計画も社会の組織原理も、アモルファスになるのではないか、と述べています。
2.化学反応による生産からバイオロジーによる生産
 化学反応においては、多数のセンサーが装置の各所に設置され、それらからの時時刻刻の情報が中央制御システムに集中し、そのシステムが全体の状況を把握してすべての反応が最適に進行するように制御している。一方、生物反応においては、状態を監視するセンサーは設置されているものの、反応自体は生物自身が独自でおこない特別の制御が必要なわけではない。前者が統一された全体制御方式とすれば、後者は自律した分散制御方式ということができる。
3.電子社会から光子社会
 時代は光通信へ!、方向は正しいと思いますが、まだその入口?
4.アナログからデジタル
 補足して『日本の製造会社でのカンバン方式は、生産工程において必要な時刻に必要な部品が到着するというデジタルを徹底追求した結果である・・・アナログ方式もデジタル方式もある意味では極端な概念であり、当然、長所も短所もある。したがって、それぞれの長所を適切に組み合わせて、全体が最適に機能するハイブリッド方式を探求することがこれからの社会の重要な課題』と述べています。 
5.コンピュータのフォン・ノイマン方式を超克
並列処理のコンピュータが、ノイマン方式のコンピュータの限界を超えるのでは?と、筆者は期待したようですが、・・・インターネットの進展がこれほどとは、流石の筆者も予見出来なかった? 
6.ホログラフィ技術
ホログラフィ技術は大発展を、筆者は予想しましたが、現時点では、偽札防止の印刷技術で実用化されたぐらいでしょうか?それよりも前川製作所を例に取り、ホロン経営が今後の組織運営のモデルと、賞賛していました。筆者の興味は、科学技術の理論を社会現象に適用することにあるようです。
7.ファジー理論の応用と不確定性の理論が技術を変える。
 交通システムの設計に不確定性理論が導入されると述べていますが・・・

 いずれにしても、月尾さんはこうしたことを考えていた人なんですね。