shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

各国盤頂上決戦⑨「Led Zeppelin Ⅳ」パート2

2022-04-21 | Led Zeppelin

 「Zep Ⅳ」は半年ほど前に “各国盤頂上決戦②” でインド盤、ウルグアイ盤2種、トルコ盤の4枚を聴き比べたのだが、その後ペルー盤とイスラエル盤2種を手に入れたので、続編として「Zep Ⅳ」各国盤聴き比べの“パート2”をやってみた。

①ペルー盤(2401012-1L 9 / ATLANTC 2401012-2L 10)
 このアルバムはジャケットにタイトル名もグループ名も無いので世間では「Untitled」とか「Four Symbols」とか呼ばれているが(←私はシンプルに「Ⅳ」が一番わかりやすくていいと思う...)、ペルー盤にはジャケット下部にデカデカと「THE NEW LED ZEPPELIN ALBUM」という文字が躍っており、数ある「Ⅳ」の各国盤の中でもひときわ異彩を放っている。
 ペルーのゼップと言えば「Ⅱ」、「Ⅲ」と凄まじい爆裂サウンドが売りだったのでこの「Ⅳ」も大いに期待して針を落としたのだが、出てきた音はめっちゃショボいサウンドで、期待が大きかった分、思いっ切り肩透かしを食ったような物足りなさを感じてしまう。一番不満な点は高音の伸びがイマイチなところで、低音域もモコモコしており、この独自カッティングは大失敗だったと言わざるを得ない。音の鮮度が低いというか、何だか “盤起こし” したみたいな眠たい音になってしまっているのだ。ウルグアイ盤といい、このペルー盤といい、南米の「Zep Ⅳ」はことごとくハズレなのは何故なんだろう?

②イスラエル盤 1stプレス(ST-A-712285-F PORKY AT/GP PR / ST-A-712286-F PECKO DUCK AT/GP PR)
 イスラエル盤のゼップは「Ⅰ」から「Ⅲ」までの初期3枚は “GAL-RON LTD., LICENSEE” 表記の盤が1stプレスで、この「Ⅳ」から“MFG. BY ATLANTIC RECORDING CORP., MADE IN ISRAEL” 表記に切り替わると前回書いたが、その根拠となるレコードがこれ。レーベル下部のリムが黒く塗りつぶされているのが一際目を引くが、そこに光を当ててよくよく見ると“GAL-RON LTD., LICENSEE”と読めるのだ。つまり「Ⅳ」の発売直前に権利関係が GAL-RON LTD. から CBS に移り、既に出荷待ちの状態にあった最初期盤のセンター・レーベルを慌てて塗りつぶしたと考えるのが妥当だろう。
 このイスラエル盤はPORKY / PECKO DUCK のUS初版マザーが使われており、これぞハードロック!!!と言いたくなるような鮮烈な音が楽しめる。UK初版の深みのある音とは違うが、何よりもまずゼップに切れ味の鋭さを求める人にはこのUSマザーの音が合うだろう。当然US盤よりも圧倒的にプレス枚数は少ないはずなので、中途半端なUS初版に大枚を叩くぐらいなら盤質の良いイスラエル盤を買う方が絶対にお得。それにしてもホンマにキレッキレな音しとるなぁ...

③イスラエル盤 2ndプレス(ST-A-712285-F PORKY AT/GP PR I2 / ST-A-712286-F PECKO DUCK AT/GP I2 PR)
 この2ndプレス盤も上記の1stプレス盤と同じUSマザーで、違いと言えばレーベル・デザイン(赤色もちょっとオレンジっぽい...)とデッドワックス部分の“I2”刻印(←最初はISRAELのISだと勘違いしていたがよくよく見ると Sが左右逆向きだった...)ぐらいしかない。肝心の音の方は1stプレス盤の尖がった部分が少し緩和されて聴きやすくなっている印象だがその違いはごく僅か。敢えて例えるなら「Wings Wild Life」UKマト9とマト11ぐらいの差しかなく、2ndプレスでもバリバリのハードロック・サウンドが楽しめることに変わりはない。②の塗りつぶし盤(?)はごく少数しか出回ってないようなので、イスラエル盤の「Ⅳ」はこのレーベル・デザインでコーティング・ジャケットのもの(←非コーティング・ジャケの盤はレイター・プレスなので要注意)を買えば間違いないだろう。