shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

各国盤頂上決戦⑥「Led Zeppelin Ⅰ」

2022-04-03 | Led Zeppelin
 私がビートルズ以外で各国盤まで手を出そうと思えるアーティストはほんのわずかだが、そんな中で “ベスト・オブ・ザ・レスト” 的存在がレッド・ゼッペリンだ。もちろんビートルズの「アナログ・ミステリー・ツアー」のようなガイド本もなければゼップの各国盤を取り上げたサイトも見当たらないので結構大変なのだが、そんな “道なき道” を彷徨いながら試行錯誤を重ねてレコードを買っていった記録として読んでもらえたらありがたい。まずは彼らのデビュー・アルバムから。

①ウルグアイ盤(MH 14015 1 1S / MH 14015 2 1S)
 ウルグアイの「Zep I」はめちゃくちゃレアらしく、滅多に市場に出てこない。私は以前このブログに書いたウルグアイのお友達セラーにお願いして探してもらい、盤質VGのブツをやっとのことで手に入れたのだが、届いた盤はセラーの言うように見た目はイマイチ。丁寧にクリーニングすると結構キレイになって、針を落とすと時々チリパチいうものの、何とかVG++ぐらいの音で鳴ってくれた。
 音の方は可もなく不可もなくと言う感じの中庸サウンドで、UK盤やUS盤を凌ぐような突出した要素はどこにも見られない。まぁ比較対象が “ターコイズ・UK” や “ジョージ・ピロス・US” では相手が悪すぎるが、それにしても、これ!という飛び抜けたところが無いというのが正直なところ。要するにこのレコードはレアだからと言って血眼になって探しまくるような盤では決してないということだ。ウルグアイのゼップは当たり外れが激しいので熱心なマニア以外はパスしていいと思う。

②イスラエル盤(ST-A-681461-B LW I2 / ST-A-681462-B LW I2)
 イスラエル盤のレッド・ゼッペリンはどのタイトルも数種類出ていて非常にややこしい。最初はどれが1stプレスなのか、そしてどのプレスが一番音が良いのか、何のデータも無いのでサッパリわからなかったが、ちょうど仕事がヒマだったこともあって、Discogsのデータ(←時々間違ってる場合があるので完全には信用してないけど...)をベースにeBayやその他のレコード販売サイトを徹底的に調べ上げて補正し、自分なりの“レッド・ゼッペリン・イスラエル盤プレス一覧表” を作って、それに基づいてレコードを買っていった。
 私が調べたところでは「Led ZeppelinⅠ」のイスラエル盤は3種類出ており、リアルタイムでリリースされた1stプレスが上記の写真のもの。赤緑レーベル下部のリムに“MANUFACTURED IN ISRAEL BY GAL-RON LTD., LICENSEE” と書いてあり、ジャケットの表はコーティング処理が施してあるのが大きな特徴だ。因みに70年代に入ってから出た2ndプレスはレーベル下部のリムの表記が“MFG. BY ATLANTIC RECORDING CORP., MADE IN ISRAEL” となっており、更に後に出た3rdプレス(多分1980年前後?)はレーベル面右側に BAN40031とあり、リムにはWマークが付いている。
 出回っているのは2ndプレス盤が一番多いが、私は GAL-RON LTD., LICENSEE 表記の1stプレス盤が欲しかったので入手にひと苦労。結局ジョン・レノンのイスラエル盤を大量に買ったセラーがたまたまこの稀少な「Zep I」も出していたので一緒に購入。盤質表記はVGだったので少し心配だったが、届いた盤をしっかりとクリーニングしたらEXレベルの盤に変身した。こういうパターンは結構多いので、レコード・クリーニングってホンマに大事ですな。
 音を聴いた第一印象としては、とにかく音場が雄大で音が立体的にフワーッと広がるので聴いてて実に気持ちがいい。デカい壁のように目の前に(←結構近い!)屹立する音像はクリアーでシャープ。ジミーのアグレッシヴなギターが乱舞し、ボンゾ入魂の一打一打がビシバシ決まるのが超気持ちイイのだ。ビートルズで言うと、出来の良いインド・プレスみたいな感じ... と言えばわかりやすいかも。UKともUSとも違う、独自の音で楽しむ「Zep I」もオツなモノだ。