shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

各国盤頂上決戦⑧「Led Zeppelin Ⅲ」

2022-04-16 | Led Zeppelin

①ウルグアイ盤(2401002 A / MH 2401002 B)
 私が持っているゼップのウルグアイ盤の中で一番よく聴くのがこの「Ⅲ」だ。前回取り上げた「Ⅱ」も良かったが、この「Ⅲ」はそれ以上に吹っ切れた “ハードロック全振り” の音作りが気持ち良く、特にA面との相性は抜群だと思う。ユニークなアートワークのジャケットも面白い。
 聴感上の特徴としては中高域のエネルギー感がとにかく強烈で、A①「Immigrant Song」ではプラントの金属的なヴォーカルがよりパワーアップしており、ペイジのギターもキレッキレ。日本では入場曲としても有名になったブルーザー・ブロディが降臨したかのようなそのアグレッシヴなサウンドは一聴の価値アリだ。A②「Friends」の不協和音的なアコギの響きも妖しさ満点で、聴き込んでいくうちにいつしか病みつきになってしまう不思議な魅力に溢れている。

②イスラエル盤(ST-A-702005-D I2 / ST-A-702006-E A-13470-A (2) two Mastercraft PR ‐So Mote Be it‐ AT I2)
 イスラエル盤のゼップは「Ⅰ」から「Ⅲ」までの初期3枚は“MANUFACTURED IN ISRAEL BY GAL-RON LTD., LICENSEE”表記の盤が1stプレスで、盤もそこそこ分厚い。デッドワックスを確認すると、例のクロウリーの言葉が刻まれているのはB面だけで、A面には例の “Do What Thou Wilt”が刻まれていない。
 一聴してわかるのはイスラエルの「Ⅲ」は元気印の「Ⅰ」ではなくスッキリまとまった「Ⅱ」と同傾向の音作りだということで、音が飛び出してくるというよりはスピーカーの向こうにカッチリと音像を結ぶような感じ。A①「Immigrant Song」なんかその典型で、ボンゾのドラミングが寸止め状態でイマイチ爆発しないのが物足りない。チェーンを忘れてきてばつが悪そうにウロウロしているブロディ(笑)という感じだ。A②「Friends」からA③「Celebration Day」といったネチコい(?)ナンバーも整然とした感じだし、A④「Since I've Been Loving You」も私的にはもっとドロドロしてもらいたいのだが、このあたりは好みが分かれるところかもしれない。

③ペルー盤(ATCO 7201-1L DP.V62- 124 / ATCO 7201-2L 123)
 初期ゼップのペルー盤は聴いてて気持ちがいい。細かいことを気にせずに、とにかくデカい音で聴く者を圧倒してしまおうという音作りのポリシーが実に潔い。さすがに前回の「Ⅱ」ほどエグくはないが、この「Ⅲ」もかなりガンガンくる音作りで、私としては大好きなサウンドだ。
 A①「Immigrant Song」なんかまさに雄叫びを挙げながらチェーンを振り回して暴れ回るブロディのイメージそのもののサウンドで、ハチャメチャに荒れ狂っている感じがとても良い。A④「Since I've Been Loving You」のめっちゃ太いベースにもビックリで、ペイジのラウドなギターやボンゾの爆裂ドラムとの相乗効果で強烈なインパクトを残す。A⑤「Out On The Tiles」のプラントのヴォーカルなんかもう凶器そのものだ。