shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「With The Beatles」イスラエル盤vsペルー盤

2021-10-17 | The Beatles
 私がレコードを買う時の決め手は “自分好みの音が楽しめるかどうか” の一点に尽きる。レア度とかジャケットの状態とかインナースリーヴ付属云々とかはハッキリ言ってどうでもいいので、自分では “コレクター” というよりはむしろ “ビニール・ジャンキー” の部類に入ると思っているのだが、だからこそ、色んな各国盤を “聴き比べる” のが楽しくてしかたないのだ。
 そんな私も各国盤初心者のうちは王道と言えるUK盤とフランス・イタリア・ドイツといった西ヨーロッパの盤とを聴き比べて一喜一憂していたが、一旦その面白さにハマるとインド、ブラジル、ウルグアイ、トルコと蒐集対象はどんどんマイナーになっていき、気が付けば後戻り出来なくなっていた。というワケで、一般ピープルの目には “ほとんどビョーキ”(笑)レベルの奇行に映りかねない辺境盤蒐集の道を驀進中の私はこの1か月ほどペルーとイスラエルの盤ばかり集中的に買っているのだが、たまたま「With The Beatles」のペルー盤とイスラエル盤が同じ日に届いたので、今回はその2枚を聴き比べてみることにした。
 まずイスラエル盤の方だが、これはB-SELSで買った「Rubber Soul」と「Abbey Road」の2枚がえげつないくらい豪快な音だったことに感銘を受け、“2度あることは3度ある” と信じてイスラエル盤をネットで手当たり次第に検索したところ、「With The Beatles」マト7Nの黄パロ盤を発見。盤質 VG+ で$60ならまぁリーズナブルなお値段だと思うし、送料が$13と南米の半額以下というのもめっちゃ嬉しい。
 イスラエルのビートルズ関連盤は、「Please Please Me」から「Sgt.Pepper’s」までがイエロー・パーロフォン、「White Album」から「Let It Be」までがグリーン・アップル、70年代初めがシルバー・パーロフォン、70年代半ばがレッド・パーロフォン、そして70年代後半以降はポートレイト・レーベルが1stプレスなので、“黄パロやったらきっとごっつい音するやろ...” という期待を込めて購入を決めた。
 もう一方のペルー盤「With The Beatles」の方もイスラエル盤と同じ7Nマトで、“ペルーのビートルズ完全制覇” を目指してガンガン買いまくっている中でゲットしたものだ。2ndプレスの電波レーベルながら$40というお買い得価格(←ただし送料が$30もしたけど...)で購入したもので盤質もEXと申し分ない。
 話は少し逸れるが、ペルーの「With The Beatles」は黒オデオン・レーベル(64年プレス)が1stプレスで、私の買った電波レーベル(66年プレス)と音がどれくらい違うんやろ?と前々から興味津々だったのだが、先日運よくB-SELSに黒レーベル盤が入荷した時にSさんにお願いして聴き比べをさせていただくという僥倖に恵まれた。両者を立て続けに聴かせていただいた結果、私の駄耳では違いはほとんどわからなかったので、コスパを考えればめちゃくちゃ良い買い物をしたのではないかと喜んでいる。
 話をイスラエルvsペルー(←何かワールドカップみたいやな...)に戻そう。まずイスラエル盤に針を落として「Rubber Soul」や「Abbey Road」の時のようにラウドカットと間違えるような爆音が炸裂するかと身構えていると、何のことはない、マト通りの7Nらしいバランスの取れた端正なサウンドでA①「It Won’t Be Long」が鳴り始めた。良くも悪くもノーマルなサウンドで、これを聴く限りではイスラエルの「Rubber Soul」や「Abbey Road」は突然変異的なものだったのかと思ってしまう。この件に関しては後日B-SELSのSさんによってその謎が解明されるのだが、それはまた別のはなし...
 イスラエル盤を聴き終え、続けてペルー盤をターンテーブルに乗せて針を落とすと、今度は7Nとは思えないようなジョンのヤクザなヴォーカルが部屋中に響きわたってビックリ(゜o゜)  イスラエル盤の直後だけに余計にそう感じたのかもしれないが、明らかに演奏の熱量が上がったように感じられ、ワイルドそのものの「It Won’t Be Long」がスピーカーから飛び出してきたのだ。 おぉ、これがペルー・マジックなのか... めっちゃエエやん(^.^)  やっぱりビートルズのロックンロールにはアグレッシヴなサウンドがよく似合う。
 特にヤバいのはA⑥「Till There Was You」のようなスローな曲でさえ音の隅々にまで力が漲っていることで、先に聴いたイスラエル盤が霞んでしまうくらい強烈だったし、B①「Roll Over Beethoven」のイントロのギターもキレッキレでたまらんたまらん(≧▽≦)  さすがにUKのラウドカットには負けるが、7Nでこれくらい豪快な音が楽しめれば御の字だ。
 ということで今回の「With The Beatles」対決はペルー盤に軍配が上がったが、実を言うとイスラエル盤の凄いヤツを昨日B-SELSで手に入れたので、そのうちこのブログにも書こうと思う。まぁ何にせよ、ペルー&イスラエル祭りで年内いっぱいは楽しめそうだ(^.^)